年上の兄の外見至上主義〜サブカル高学歴マッチョ男性についての考察(2)〜
辛すぎるエピソードが多くあまり記事にも書けていない目の大きな年の離れた兄の存在について触れたい。彼はMAX(!)が好きで、サブカル的な趣味はなかったが、地方都市の狭い世界の帝王、沢山いる孫の中の初孫、地方都市の長男、地方から東京のウェイウェイした私立大学に進学した、高学歴文系マッチョ男性であった。
少年ジャンプやドラゴンクエストが好きになったことなどは、年の離れた兄の影響なので、兄の存在は、良いこともゼロではなかったと言い聞かせている。しかしながら、陰と陽(yin and yang by CHAGE&ASKA)というか、萩尾望都先生の名作「半神」のようだったというか、まるで自分と見た目も性格も似ていない兄の存在は、本当に辛いものだった。自分の兄のことをそんな風に言うのもなんだが、兄は、今でこそ、くたびれたサラリーマンになり果てたが、自分が小学生で兄が高校生だった思春期まっさかりの頃、私の目から見ると、将来芸能人になれるのではと思うくらいには、「美少年」であった。芸能人で似ている人を挙げろと言われたら、一番人気があった時代の、光GENJIの佐藤アツヒロ(昔は名前が漢字だった)にそっくりだったのだ。大学生だった兄が地元に帰ってきて、小さな町内の個人商店に顔を出すと、「モデルになるのではないか」と噂が立つほどには美少年であった。地方都市は人が少なく人間の種類が限られるので、目をひくような外見だった場合、他に同じような人はまずいないので、本当に目立つのである。
口の悪い友人たちに兄が佐藤アツヒロに似ていると言うと、にやりと底意地の悪い顔で「ねすぎの兄貴が佐藤アツヒロににてるわけねえべよ!」と言われた。
そりゃそうだろう、私は山下達郎に酷似していた。
つらたん。
私はよく、「ねすぎさんは、一人っ子でしょう?」と、にやりと、意地悪な目をした人に半笑いで言われることが多いのだが、そう言われると、インディジョーンズの2番目の後半のシーンのように、心臓をつかまれてえぐりだされているような、辛い、辛い、辛い気持ちになる。
なぜならば、私は、ひとりっ子のように育った、ふたりっ子だからである。
兄は、目の大きな、外見至上主義の男性であった。ちなみに私に「ねすぎは一人っ子じゃないの?」と半笑いで言ってきた大学時代の同級生の4人兄弟で人にパンツを貸すことさえできた大らかな、しかし日本生まれ日本育ちの日本人の英語力に対して大変に辛辣な評価をしていた広島出身の女性や、同じサークルのアウトドアに傾倒して高い山に登りまくり自分の家族のことを美男美女の家系に生まれたと言い切っていたことが衝撃だった(今更ながら、本当に狭い世界で、偉く凄い人のように言われていた!たしかに凄いけどそこまで凄いかなあ)別の大学から編入してきた男性の後輩、強豪サッカー部出身であることを誇りに思っていた、メガネをかけた、自らを「稲垣吾郎に似ているとよく言われる」と自分で言い切っていた、職場の男性の先輩のことは、全員はっきりと覚えている。私の中のめちゃくちゃムカついたエピソードとして、はっきり、くっきり、しっかりと、ねすぎの心のデスノート内に、記録されている。はっきり言ってその指摘は物凄くムカつくので、このnoteを読んだ皆様におかれては、誰かに「一人っ子でしょう?」と指摘することはどうか、気安く言わないでやってくれよ!兄弟・姉妹が仲良かった人には分からない感覚であろうけどね!
何で「一人っ子でしょう」と言われるかは、わかるけどね!
一人っ子はワガママだからねー!誰からもツッコミが入らないから毒舌なんだよね!自分勝手で空気が読めないからね!自分のやりたいことをずっとやれてくる、挫折を知らない子だからね!いつも親しか会話相手がいなかったせいで、自分語りの癖があるからね!(←※そこまでは言われてない)
さて、兄は地方都市の、県立の進学校を落ちてしまい、望まない男子校に進学したのだが、中学から持ち上がってくる内部生ばかりが贔屓される環境で心が歪んでいた。
ある金曜日、ミュージックステーションの観覧席の映像に映し出されるたくさんの女性たちを見て、兄はこう言った。
「おい、見てみろよ。こいつらは、現実の男にまるで相手にされねぇ、ブスばっかりだ。(→兄の発言の原文ママ)」
男性のアイドルをおっかけている、ミュージックステーションの高い倍率をかいくぐって観覧席にたどり着いた女性たちについて、目の大きな外見至上主義の兄は、とても意地悪な顔をして、そう言い放った。
ちなみに私が小学生の時のエピソードである!
この発言の影響で、私は男性のイケメン俳優(例、斎藤工など)あるいは嵐、特に櫻井翔氏などの、顔も優れ学歴も優れているような人が率いるアイドルグループを、好きになることができない。
アイドルやイケメン俳優たちは、日本で最も外見が優れているとみなされた男性たちである。(最近では顔立ちだけではなく当然のように高学歴(!)でもある。)そのように自らの容姿の魅力をもってステージに立つ彼らが、客席の女性たちに対して、どれほどの悪意を持っているかと想像すると、たやすく好きだなんて言えないのである。ワーとかキャーとか言えないのである!
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