ひょっこりと放たれる酷いディスられを…今のわたしはやり返している…!許すまじ!不遜な男女のあのヤな感じ…!
以前、長きに渡り、アメトーク!を、夢中になって見ていた。
その中でも特に好きなジャンルが、工場で働いていたことのある「町工場芸人」とか、「工業高校芸人」とか、「学生寮に住んでいた芸人」とか、狭い世界の中の独特な閉ざされたカルチャーがある回であった。
その中でも町工場で働いたことのある芸人さんの回は印象的だった。ほとんど女性がいない世界だったため、おばちゃんの社員に、みんなが憧れるというようなエピソードが語られていた。
私がICUで日々感じていたことも、そのような感覚だった。男性の総数が少なすぎたので、そんなに素敵ではない男性でも、素敵に見えてしまっていた。
今は、その時の目線が誤っていたと思っている。何やら、少なすぎたゆえに、当時もてはやされた男性たちに軽んじられた扱いを受けた怒りが、40過ぎてもまったくおさまらない。燃え盛る炎のようである。
また、いわゆる「学校秀才」という言葉で揶揄される、ちょっと痛々しい真面目な男性、女性も大変に多かったゆえに(私も痛々しい学校秀才だったのだが、秀才からはすぐにドロップアウトした)少しイケてるように見える恋愛に積極的な男性、女性たちの、イケテナイ男性、女性を見下す、そんな不遜な態度や言動も、忘れられない。
その方々は、とてもとても、とっっても、嫌な感じだった。私たち、俺たち、イケてるのよ!的な振る舞いを、本人たちはさして意識もしてなかったのだろうが、日常的によく浴びた。
今でも覚えているのが、めちゃくちゃイキった同級生の女性と付き合っていた、男子寮友人に、バカ山と呼ばれる芝生にて、言われた言葉である。
なんとなく、雑談をしていた。「私の友達が私に顔が似てるんだけどね」と、話した。そんなに深いことは考えていなかった。そのようなやりとりをしたことなんて、相手は120%忘れている、そんな、何気ない会話である。
すると、その狭い世界ではイケテルと思われていた、不遜な同級生と付き合っていていつもエラソウな感じだった関西出身の背の低い男性が、こんなことを言った。
「ねすぎに似てるってことは…その子は…相当なレベルやな!」
そのやり取りに男子寮の先輩が乗っかった。
「うんうん、その子は、マジで、ハイレベルな子だ。ねすぎに似てるってことは。高嶺の花や。
間違いない」
わたしは、びっくりしてしまった。
こんな形で自分の見た目をバカにされた上、似ていると言われていた友人のことまで、小馬鹿にされるとは。
高嶺の花、ハイレベル、という言葉が、私の見た目を揶揄する、皮肉であることは、すぐに分かった。
今なら、このチビ!音痴!(彼は大学内のミュージカルに出ていたのに、音痴だった)自分のことを面白いと思っている、実はつまんない関西人めが!とか、ICU内だけの、期間限定イケメンが!ICUの外では一切もてはやされないけど、浮き名を流しまくる限定モテの…クソが!(byガンバレルーヤよしこ)などと、うまく切り返せると思うのだが、当時は、ひたすら、凹んでしまった。
こんな形で自分の顔立ちをディスられるなんて…。
その時は、何も言い返せなかった。言った方は絶対すべて綺麗さっぱり忘れていると思うが、私はその時、とても傷つけられた。
そんなわけで、今、私は、その頃のルサンチマン(恨み(の念)。ニーチェの用語では、強者に対し仕返しを欲して鬱結(うっけつ)した、弱者の心。)を、吐き出す旅をしている。
友人関係がそれで壊れても、平気である。
私の傷を浴びるが良い。20年以上、私の心に浸かった古傷である。その恨みをとくと感じるが良い。
以上です。