上履きを引き裂くほどのその思い!推薦枠は限られてるから…
女子高時代の甘酸っぱい思い出である。
いにしえの90年代の時代、大学入試において
今ほど推薦入試は一般的ではなかった。
ほとんどが筆記試験だったが、ごく稀に推薦入試があった。
指定校推薦、と言われるもので、数名の枠があり、
高校の成績と、あとは書類、場合によっては作文
また面接などがあった、のだと思う。
よく知らなかった。
明言されてはいなかったが、推薦については暗黙の了解があった。
成績が上位過ぎると、枠はもらえないというものだ。
成績が良いひとは、ペーパーテストでたくさんの大学を受けさせられて
たくさんの大学の合格の実績を出す必要があったのである。
この悪しき風習は今も多くの高校で行われているらしい。
名門校ではないなりに、いくつか東京の私大からの
推薦枠があるらしかったが、私は筆記試験のみで対応を
せざるをえずそもそも推薦入試のことに疎かった。
ごくごくわずかにしかなかった東京の私大の推薦枠を
なんとかゲットできた、という隣のクラスの同級生の話をきいた。
その大学は都心にある、私大であった。
どう考えても彼女が普通にペーパーテストを受けたとして
入れるような大学ではなかった(よく知らんけど、たぶん)。
そんな、たった1枠の大学の推薦枠を手にした生徒は恨まれた。
嫉妬されてしまった。
犯人が誰かは分からないが、
上履きがびりびりに引き裂かれていたのだという。
しかも、細かく刻まれた。
上履きの生地は、割と丈夫だ。
あれを引き裂く手間。呪いの思いがこもっている。
一人じゃきっとできない。複数名で連帯している。
「絆 ~KIZUNA~」を感じる。
そのエピソードを聞いて恐怖のあまり
鳥肌が立ったが
私は同時に、こう思った。
「その大学、そんなに大した大学じゃなくね?
そこまで嫉妬されるのかしらん?」
私は(今も昔も)不遜な人間であった。
その大学を内心でディスった呪いは、
約10年後にしっかり届いた。
心身ともに体調を崩して休んだのちに、復職したあと、
私は人事権を掌握していたその大学出身者(体育会系ガチ運動部出身)3名ほどから、執拗に退職勧奨を受けることになり、
20代後半から30代前半の時期を、
脳が半分麻痺したような状態で
日々戦いに明け暮れてすごすことになったのだった…。
これを、上履きの呪いという(嘘)…。
以上です。