大学の寮でのガールズトークの記憶(3)~キレイな女性が見た目がパッとしない男性と付き合うのはなぜなのか~
ふと思い出した20年以上前の女子寮時代に自由奔放に会話をしていた先輩方の会話の記憶である。この思い出はフィクションであり…(以下略)
男女比が偏りまくっている母校では、前述のように、イケメンと思われる人々が希少かつ女性が多すぎたゆえ、少しでも会話が成立する、名前がきちんと書ける、胃が全部ある、というような男性であるというだけで男性にはすぐに彼女ができていた。たとえ男性が誰かと別れても、次から次へととっかえひっかえ。浮名を流すにはあまりにもその浮名に男性の魅力が見合わない(個人の感想である)。
少しでも男性的に魅力であるとみなされれば、そのモテ方は火野正平並み(よく知らんけど)。カナダでは価値がないとみなされ捨てられかねないマツタケマッシュルームが日本では高額で取り引きされている(大学で学んだ国際的な知識を活かした比喩である)。あるいは物資が不足していた時代のロシアにおいて日本のストッキングが高い品質を誇っていたので日本製のストッキングが珍重された(これも同様の比喩である)。そのような環境は、不当なほどに男性側に分のある環境に思われた。
一部の恋愛に自信のある女性はさっさと見切りをつけて外の男性に目を向けており、そこまでの恋愛への情熱もない素朴で真面目な思春期の女性たちの、まっすぐな「恋愛をしたい」という思いはどこにも届かずに深い深い森の中に消えていった。あるいはまた、特定の「大学内だけではイケメンとみなされている」人に集中的に思いが向けられることにより、「大学内だけでは特別にイケメンと勘違いされている男性」たちから、複数の女性と同時多発的に付き合うも適当に扱われる、などの無下な仕打ちを受け、多くの生真面目な女子のピュアな熱い気持ちは空の彼方へと消えていった。
結果的に、多くの女子たちは、恋愛問題から無縁になることができ、難しい論文などを一生懸命読んだりしていた。小さなタブレット椅子を活用した男女比が偏った環境。「恋愛に悩まされず(諦めて)学業に集中する環境」を作るための魔法だったのかもしれない。また、勉強から逃避し「美味しんぼ」をひたすらに読むルームメイトから、「士郎と雄山の確執が大変でさ!」とか「栗田ゆうこもいろいろあってね!?」と、まるで現実に存在する友であるかのように日がな美味しんぼの話を聞いたり、恋愛問題から無縁であることを活かして、勉強など余計なことはせずに、寮内の謎のイベントにひたすらに傾倒したりするものもいた(それは自分である)。
女子寮での会話の多くは、以下のようなものであった。
「大変だよ!山里くん(仮名)が、あのかわいくて気立てがよくて海外育ちで英語もペラペラな優ちゃん(仮名)と付き合いだしたらしいよ!」
「なんと・・・!あの、かわいくて気立てがよい優ちゃん(仮名)が・・・!」
「山里くん(仮名)なんて、別の大学に行っていたら女性に一顧だにされないタイプなのに!」
一顧だに!!!
文語!!!
「優ちゃん(仮名)、中高、きっと真面目な女子高出身なんだよね・・・(よく知らんけど)。男性に免疫がないせいで・・・あんなにパッとしない人につかまってしまったなんて・・・(彼らの人生に何ら関係ない女子寮生がみんなで号泣)」
ところで、男女比の不均衡さなどの事情はあれど、なんであんなにかわいいひとが、男性側の見た目をそんなに気にしないんだろうか?という疑問については、ソーシャルルーム(と呼ばれていた、人が入れ立ち代わりくる1階の広い部屋)でお菓子などを食べながら、時間が有り余っていた女子寮生同士でよく話し合われた。
確かに、唐沢寿明と山口智子のような美男美女カップル、というケース(※夫婦共に顔と名前が一致する芸能人の記憶が、20年くらい前の記憶で止まっている)もあるが、それはあくまでも俳優の世界の話であり、世の中には「美女と野獣カップル」というか、「美女と”決して外見はパッとしない”男性のカップル」もそれなりにたくさんいるような気もする。
「男性側が異様にお金持ちなのかね・・・?」
「男性側がとにかく、ひたすらに、頑張ったのかね・・・?」
この議論は暇な女子寮生同士により、幾夜にも渡り語られ続けたテーマであったが、その中でも「なるほど」と膝を打つような意見があった。その意見は以下のようなものであった。
「綺麗な女性は(人によるが)生まれた時からその外見のため、自分のことを特別だと思っていないこともある。だから、相手の男性の外見にそこまで頓着しないのでは?」
「自分の外見は、パッとしないにもかかわらず、なんとしてでも綺麗な女性を射止めたいという強い強い情熱を持っている男性がおり、その強い強い情熱に綺麗な女性側があらがうことはできないのではないだろうか。綺麗な女性側も、断るのも面倒なのであろうか。」
分からない。そんな目にあったことがないので分からない。
絶対に美しい人を射止めようと頑張る男性が、頑張って美しい人を射止めるのはよいとして、男性側は「自分の見た目が彼女と比してすこぶるパッとしない」ことについて、どうとらえているんだろうか?
「男性側は、綺麗な人と付き合えたことがただただ嬉しく、そこまで考えていないのでは?」
「自分に(根拠のない?)自信があるから、美しい女性と釣り合うと思っているのかも?」
「むしろ自分が”ブー”だからこそ、美しい女性をつかまえることで”ブー”人生の欠落を埋めるのでは?」
「綺麗な女性は男性側が”ブー”なのは平気なのかね?」
「意外と(綺麗な女性が)”ブー”好きってこともある!」
「ないものねだり!?」
「そういえば背が物凄く高い男性は物凄く小柄な女性が好きだよ!」
”ブー”好き!?
”BOO”!?
しかし卒業後かなり時は経ったが、この疑問に対するすっきりとした回答はまだ得られていない。
・・・以上です。
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