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女子校時代の思い出・・・毛深くて髭剃り跡の青い彼 今はどうしていることだろう・・・

 この記事は、読んでいて不快になる可能性のある内容を含んでいます。
★ デリケートな方は、読まないことをオススメします★

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 北関東の、いにしえの、90年代の女子高時代の思い出である。

 奇跡的に優しいクラスメートばかりに恵まれた私のクラスは「特待クラス(笑)」であった。入試の成績の、上位者だけが入れるクラスであった。同級生は、県内の県立トップ校を落ちてしまった人ばかりだった。私が受験をした年は、数学が特に難しかったために、不合格になってしまったのだった。私もその一人であった。

 全員とても真面目で、良い意味でのこだわりを持つ、優しい人たちばかりだった。入学したばかりの勢いで、ちょっとはしゃいで髪を少し茶色くしたクラスメートは、いつもピンク色の白衣(白衣じゃない)を着ていたおばあちゃん先生から注意を受け、即座に黒くさせられていた。サッカーの審判よろしく、素早いジャッジであった。

 2年生になるとき、これまでの成績の上位者だけがそのまま残留し、成績が振るわなかった数人が、別のクラスに移動させられた。ほんの数人であったため、私はそのクラス替えの事をさほど気にしていなかったが、今にして思うと、えげつないシステムであった。35人くらいいるクラスの、5人くらいのメンバーが、ある日突然、入れ替わったのである。なんとなく、気がついたら、数人、変わっていたのだった。

 「特待クラス」ではない、隣のクラスの雰囲気は、なんとなく怖かった。時々一緒に授業を受けることがあったので、クラスの雰囲気を感じることがあったのだが、明らかに、なんだか怖い(失礼だが東京ではあまり見かけない)とてもガタイのいいオラオラとしたひとたちが牛耳っていた。そのクラスで、アトピーがあって気弱そうな女の子が、あからさまにいじめられているのが、ほとんどそのクラスの生徒たちと接点がなかった私にも分かった。

 クラスで権力を持っている、眉毛の細い、体格のいい女の子の足の毛を、昼休みにピンセットで抜いている手下のような人たちがいた。体格のいい女の子に、それを命ぜられて、やっているらしかった。足の毛を休み時間に抜かせるとは。大変に恐ろしい光景だった。

 隣のクラスの恐ろしいエピソードをたまに聞くにつけ、「平和な”特待クラス”で良かった」と、私は心から安堵した。

 毛深い男性の先生がいた。

 あだ名は「ヘアー」だった。ヘアー先生は小柄で、とても気弱そうな先生だった。腕からは、長い長い体毛がはみ出していて、髭の剃りあとが青く青く、自らを理由もなく最強だと思っている、北関東に住むルーズソックスを履いた女子高生(JK)からは、格好のいじりの餌食になりそうな特徴に満ち溢れていた。

 私はルーズソックスを履いたことはなかった。常に、三つ折り靴下であった。スカートは膝下15センチくらいだった。

 ある時、元々その恐ろしいクラスにいたが、成績がよかったために移籍してきた同級生が、友人を通じて聞いた、隣のクラスで起きたエピソードを苦笑いして教えてくれた。

 授業中に、女子生徒たちは、「童貞ですか?」「童貞ですか?」「童貞ですか?」とヘアー先生に対して、ひたすら聞いたのだそうだ。ヘアー先生は、真っ赤になって、下を向いてしまったという。「絶対童貞だよあいつ!」と体格のいい北関東のJKたちは盛り上がったらしい。

 気弱そうな毛深いヘアー先生が、同級生に足の毛を抜かせている、体格のいい北関東のJKたちから「童貞ですか?」「童貞ですか?」「童貞ですか?」と聞かれる姿を想像すると、恐ろしさで身震いがした。

 ヘアー先生への攻撃は、さらにエスカレートしていったという。

 教卓の中に、どう見ても本物にしか見えない汚れた生理用品を丹精込めて作り上げて(一応絵の具などを使用して、本物ではないものを使用したらしい。優しさを感じる。)それを、入れておき、あえてヘアー先生が、その汚れた限りなく本物に近い使用済みのナプキンを見て、ギョッとするシチュエーションを作り出し、そんな様子を見てクラスみんなで、大笑いしたのだという。

 女子は本当に恐ろしい、と私は思った。

絶賛上映中の映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」を見て、20年以上前のこの思い出を思い出しました。とても印象的な、今まで見たことのないような映画でした。ぜひ!
https://nuishabe-movie.com/

以上です。

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ねすぎ
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