授業中・・・ふと外を見ると若者が・・・めちゃめちゃ寄り添い2人の世界に!急に欧米にかぶれおったな!(18歳の頃の苦い記憶)
大学時代、女性がやたらに多いキャンパスで、ごくわずかしかいない男性が異様に、本人の魅力以上にモテてしまい、英語など勉強したものだから、ますますとてつもなくイキって、時にジャンプして外国人の先生と「ヘロウ!」とか言いながら、ハイタッチしていて、ここに書いている50倍くらいうんざりしていて、書きたいことがたくさんあったのだが、SNS上でフレンドになっているから、書きづらいこともある。(これでかよ!)みなさん、どうぞ、ミュートしてくださいね!本人(私)には気づかれませんよ!
まだCDアルバムを3000円出して買うのが当たり前で、ノートパソコンを持っている人がレアで、携帯電話すら持っている人と持っていない人がいた、そんな90年代後半の思い出である。
大学の思い出のシンボルのような、バカ山、と呼ばれる芝生の上では、時々、あの…ここは三鷹市だよ…大沢村だよ…とツッコミを入れたくなるような、妄想の中の欧米にかぶれてしまったカップルが、度肝を抜かれるようなレベルで、イチャイチャしていることがあった。
なんというか、軽いチューではなく、映画でも見ないような、どぎついチューを、昼から、していたりするのだった。しかも、日本人同士である。偏見かもしれないが絵的に、欧米人ならまだ耐えられるが…寝こけていた授業中、ふと目を覚まして外を見ると、異様にイチャイチャしている2人が嫌でも目に入ってきたりするのだった。
私は常にお金がなく、一応、共学の学校に進学したにもかかわらず、このままおそらく、殿方と出会うようなことは一切なく、親を心配させるような出来事もなく、ただただ、無為に時が経ちそうだという実感が常にあった。地方都市から巨額の借金を背負い進学したのに、授業は寝こけており、「国際」そのものから、逃げ出していた。就職活動は全く始まっていなかったが、この先バリバリ働いていけるような予感はせず、自意識の檻の中で閉じこもり、映画ばかり見て、イキイキとした人をけなしまくっていた。
そんなこじらせきった自意識の牢獄の中を生きていた身には、何気なく目に入ってくる、抱き合う若き男女たちは、とてつもなく「キツい」ものがあった。特に、日本人同士のハグやチューは、とてつもなく、キツかった。見てないふりをしつつ、目をおおう手のひらの指をガンガンに広げてついつい凝視してしまった。
コンプレックスにまみれ、過ごしていた自分。日々、「なんなんだよあいつらはよう」とめちゃめちゃ毒づいていた。
もちろん、「羨ましい」という気持ちが全くなかったといえば、嘘になるが、大学内でなんとなく急に欧米にかぶれた地味目な日本人同士の男女が、高校までは794ウグイスウンタラカンタラと、何一つ役に立たない年号などを暗記ばかりしていたに違いないのに、猛然とイチャイチャしあったり、カップルで頬を寄せ合って卒業アルバム的な写真集に二人で写ったりしている様子は、地味目属性に属する自分としても、何やらとても耐え難いものに思えた(しかし気になって地味目なカップルの写真はよく寮で友人と見返していた。だって…面白いんだもの…)
地味目属性に属するはずの日本人二人が唇を吸い合う様子。この世でもっとも見たくない。ちょっと素敵な人たちだったとしても、見たくない。日本人の一般人同士が芝生の上で抱き合うなどのリアルなイチャイチャは、背筋がゾゾゾーッとした。ゾゾゾタウン。ゾゾゾ村。ゾゾゾ大沢村。
ある晴れた日のことであった。我を失うかの如く抱き合う二人が至近距離にいた。私ができる限りコストをカットしたなんの栄養素もなさそうな昼ごはんをもそもそと食べながら「なんなんだよあいつらはよう」と、ぶつぶつと毒づいていると、偶然隣にいた、同級生の男性にこんなことを言われた。
「・・・オレはぁ〜・・・
別にぃ〜・・・
いいとおもうけど・・・ねぇー(ため息、遠くを見る)」
「2人がいいと思うなら、それは2人の自由じゃん!?」
なぁにぃー!!!!(©️クールポコ)
私はその、わたしは狭量な視野のもと毒づいてるけどオレはそういうの理解してるしフリーダムだからね!みたいな同級生のセリフに、心の底から腹が立った。
貴方(あなた)だって、北関東の、ヤンキーにボコボコにされるような地域で思春期には坊主頭で育ったクセに!!!ジャスコ(今はない)やダイエー(今はない)やジーンズメイトにも満たないローカルなジーンズ屋で買い物してたくせに!!!謎のアルファベットが書かれたトレーナーを着て襟を出していたくせに!!!(私は子供の頃いつもそれを着ていた)
彼は同郷、同世代だった。
何が2人の自由だよ!
急に欧米にかぶれやがって!
と、私は思った。
今なら思う。
みんな〜、全ては2人の自由だョ!
でもほんとに、あの頃はこじらせてたけど、大学時代に変にもてはやされたりしなかったおかげで、のぼせ上らなくて、よかった…。ツーショット写真など撮影したら、アルバム内に永遠に記録が残ってしまうわけである。本当によかった。
こじらせに感謝。
以上です。
よろしければサポートをお願いします!サポートは、記事の執筆のための参考となる本の購入、美味しいものを食べることなどなどにあてさせていただきます。