毒にも薬にもならない。 4月8日の日記。
この日は朝から回転寿司に行きました。アイスクリームが硬すぎて笑っちゃった。
今日は竹本泉のアップルパラダイスという漫画を最後まで読んだ。
まぁ毒にも薬にもならないゆるゆるの漫画だと思った、何にしろ言葉では説明の仕様の無い『変』の波がやってくるのだ。基本物語って何かが起こってそれの解決に乗り出すみたいな感じが普通の流れだと思うんだけどアップルパラダイスはそれの謎が永遠に分からないままだったり、ぼかされたり、なんも解決しなかったり。ともう形式なんてあったもんではない。
何しろ竹本泉という作家の片鱗を味わった気がする。「漫画のプロットから作ってそのまま真相に流れで向かうんじゃなくてまるまる投げ出してもいいんだ」と思った。
基本的に自分の小説のスタンスとしてはまずは軽くプロットを書いて〆が綺麗になるようにするのを心がけている。終わりよければ全てよしとは言わないが序盤の動機とかが適当でも最後にピシッと終わりさえすれば最終まぁ良かったね。となるからだ。
逆に終盤ずこーっは読者としても?ってなると思う。
アップルパラダイスはその全てがぐちゃぐちゃで序盤の展開がずっと続いて一話終わり!ってこともある。とんでもない漫画だが脳のリソースを使わないし主人公のマリアンが本当に普通の女の子ということを加味すると最初から最後まで何が起きたのだか分からないというオチは現実的に見れば別段おかしくもない。そしてまぁ本人竹本泉氏もいってるが本当にストーリーは適当すぎるくらいだ。
最終話なんかはただインフルエンザが流行っておしまい。当然最初主人公は宇宙人の細菌が来たとか〜!と大騒ぎするのだが結局物語の結末は特に序盤のまま動くことなくマジで陰謀とかそういうのは一切なく普通にインフルエンザが一時期流行りました。おしまい。って感じ。漫画の常識とか熱いストーリーとかはあったものでは無い。
でもそれは決して悪いものではなくてIQを使わない漫画はなんとなくの気持ちで進み続けて、なんとなく完結まで読み切る。自分に影響などは特になく、ただ漫画を読んだ記憶だけが残る。印象的な漫画や小説を読むと少し達観した気分になるがこの漫画は特にそういうのはない。
実はこれより前に竹本泉のはたらきもの という作品を読んだのだがぶっちゃけこれを先に読んでたせいもある。はたらきもの。はストーリーがしっかりしていて変な気持ちで終わるってことは無くオチが必ずつくようになっている。今思えばこれは竹本泉でも異色なストーリーなのかもしれない。僕は引き続き、竹本泉の漫画をそれを確かめるため読んでいこうと思う。
一番アップルパラダイスの記憶に残った話は本人もお気に入りの彗星が落ちてくる話だ。
落ちたらその日が地球最後の日なのだが皆驚く程のんきで最後の日とは思えない程日常を過ごしている。そしてぶつかるというところで突然脈絡なく大きい穴が出てきて助かる……というまぁいつも投げっぱなしジャーマンも真っ青のオチなのだが。
ひとつの事も貫き通せばそれが通るのだと感じた漫画だった。竹本泉と書いてじゆうと読むのかもしれない。