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【ワタシ、不妊治療してました#5】無駄な飲み会とハラスメントざんまいの日々で

前回、バイトではじめて婦人科へ行き1年ほど働く中、
不妊治療で生理周期に合わせて定期的に通う人もいれば、
想定外の妊娠をして中絶を希望する人もいたり、
大学院に通っているだけなら感じることがなかった。
命とは何か、生きるとは何かを感じずにはいられない体験をさせてもらった
ただ、その当時のワタシは他人事のように思っていた。
たぶん、その当時のワタシにとって、ケッコンやニンシンはまだ先のことと思っていたのと同時に、定期的に訪れる生理にワタシ自身、結婚したいタイミングで結婚して避妊すればすぐに子供はできるものと思っていたから。

修士課程1年のその当時のワタシにとって一番の優先事項は
博士課程に進学したら中国へ留学することだった。
だが、指導教授が突然辞めた。
さあ、どうすると考えても、その最優先事項は変わらなかった。

指導教授を失った状況でも、
淡々とバイトをこなして日々生活していたワタシのもとに、
腐れ縁教授の仲間たち(先輩方)の一人から連絡があった。
年中冬眠前なのかというくらいの量を食べ飲みするので
熊のような背格好で、とにかくでかい。
(大きいという上品は表現では物足りないので)
後に青い森にある教育機関で教鞭を取っているので、青い森の熊先輩と呼ぶことにします。

青い森の熊先輩からは
「とにかく腐れ縁教授とは距離をとれ、腐れ縁教授と関係のあるものはすべて切れ」という話だった。
その当時、博士課程を修了して数年、
ある農林水産系の外郭団体の事務局長をしていた。
青い森の熊先輩は、ある程度の権限を持っていることから、
ワタシにその外郭団体で嘱託職員として働くことを提案してきた。

というか、先ほどあげた風貌から圧がすごいので、
提案という柔らかなものではなく、「腐れ縁教授の関係でバイトしている沖縄料理も婦人科は即辞めて、団体で働け」という命令
ということで、沖縄料理も婦人科も辞めることになった。

バイトよりも時給アップで、バイトを掛け持ちする必要がなくなり、大学院に通いながら嘱託職員で働けるという青い森の熊先輩の提案は表向きよく見える。ただ、時々誘われる飲み会で、多少面倒くさいかもと感じることがあり、その予感は即的中した。

というのも、ワタシが進学した大学には「酒の一滴は血の一滴」というアルコールハラスメントと捉えかねないようなスローガンがまかり通っていた(今はどうだろう?)。

「酒の一滴は血の一滴」が骨の髄まで染みているかのような青い森の熊先輩は、大学時代からほぼ毎日、浴びるように飲んでいたようだ。
本人は「こうなったのは腐れ縁教授の影響」と言っていたが、腐れ縁教授よりも飲む量多いし、腐れ縁教授のせいじゃなくて、ただ単に自分自身、飲むのが好きだったんじゃないのかと。

ただの酒好きなら一人で飲んでほしいところだが、
面倒くさいことに、さみしがり屋だった。
つまり、嘱託職員とした働き始めた後輩であるワタシを
先輩であり、かつ圧がすごい青い森の熊先輩は
ほぼ毎日飲みに連れていくのである。
たまに連れていかれない日があり、今日は開放されたと思ったら、
「今○○の偉い人と飲んでるぞ、来ないとお前の将来のどうなるかわかっているのか」と意味不明な脅し電話がかかってきて、飲み会の場所に到着すると、その偉い人はもう帰っていて、青い森の熊先輩のみで、いつもと変わらない無駄な飲み会が始まるのであった。
これだけ飲むのが好きなら、一人で飲めばいいじゃん、と言いたいところだが、「飲めない奴は人間じゃない」くらいの圧を振りまく
青い森の熊先輩には言えない。
今思えば完全にパワーハラスメントである。
実際に、飲めない人に対して「あいつはダメだ」と平気で本人の前で言ったりしていたことも。これは、アルコールハラスメントじゃないかと。

ただ、青い森の熊先輩は人情味があり、先輩はおごるものという認識が強く、ほどんど払ってくださっていた。もしかすると、青い森の熊先輩の頭の中では、おごっているからパワーハラスメントではないと思っていたのかもしれない。つまり、お金払えばすべてチャラ的な恐ろしい考え。
でも、後輩が「今日は飲みには行けません」と言えない雰囲気を作っていること自体、パワハラなのではないかとワタシは思う。

パワハラの雰囲気、そしてアルハラの発言、
さらに、ちょっと事務的な作業が遅れただけで、
「だからお前の論文はダメなんだ」と、
仕事と論文って別次元じゃん、
これってアカデミックハラスメントでは?と。
もはや青い森の熊でははく、ハラスメント発言製造機

では、セクハラは?というと、
ワタシはほぼ毎晩のように飲みに連れだされて、
ガンガン飲まされていても
ワタシは体質的に飲んでも顔色が変わらない上に
全く記憶を失わなわず、つまるところ、酔わないので
はっきりと記憶をとどめて帰路に就く
青い森の熊先輩はそれをわかっていたのか、
ワタシにはそのような色気が備わっていなかったのか、
それともセクシャルハラスメントは確実に訴えられるかもと
ビビっていたのか、今となっては不明である。
が、突然体当たりされたり、「わ、若白髪」と髪を触られたり、
なかったわけではなかったかもしれないし、
とある学会で出産後久しぶりに顔を出されていた違う大学の学生さんを見て
「太ったよね」とか。
やっぱり、立派なセクチャルハラスメントだと思います。

ちなみに、青い森の熊先輩は上述したように、青い森にある教育機関で教鞭をとっているが、そこでハラスメント対策の委員をすることになったとSNSで目にした。
ワタシがハラスメント発言製造機だと思った人が、ハラスメント対策の委員になるなんて、被害者がこれ以上増えないようにという神様の粋ないたずらなのか、世の中何が起こるかわからない。自分がしていたことだと気づいてほしいところです。

いずれにしても、ワタシはワタシの体質に感謝である
でも、たぶん、この体質は若さで耐えていたのかもしれないと
結婚後、妊活でワタシ自身の身体と向き合うことで気づいた。
もう少し、自分の身体を優しく扱ってあげれば、
不妊治療することなかったのかもしれないと。

いろんな面で人のペースに合わせた結果、
血尿、血便、膀胱炎、もしかすると生理も乱れ(ていたかもしれない、生理周期など把握していなかったから)、自分の身体は想像以上にボロボロになっていたのである。




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