日本人の時間節約術が海外では通用しない件
海外での日本人の評判はものすごく良いです。
私が初めて海外に行った時に、日本人はどうみられているのか、移住はよく思われていないんじゃないかと心配していました。
日本ではあまり移住のイメージがよくなくて、「どうせ不法滞在でしょ」みたいな意見をよく聞いたからです。
実際に私も外国籍の人と取引とかをするのを避けていたし、何かトラブルがあったら逃げられてしまうんだろうと思ってました。
さていざ海外に出てみると、ローカルの人々はとてもおおらかに迎えてくれます。日本人ですというと、なら安心だねー!なんて言われることも多かったです。私の知らない日本の会社でのやり方(5Sとか)を教えてくれる人もいました。
多分出会った人の10人中9人はこんな反応でしたが、1人だけ「日本はなあ・・・」という方がいました。その人は日本語が堪能で、日本の会社に長年努めたことがあり、今も日系の会社からスカウトがバンバン来るといういわゆるエリートでした。彼がいうには「日本の会社はビジネスじゃないよね」とのことでした。集団での規則を守ることだけに一生懸命で、肝心の仕事に関してはみんなあまり興味がないみたいに見える。仕事をしに行ってるのに別のことで時間を割かなくてはならなくて、非常に無駄が多い。そうしているうちに面倒くさくなってしまって会社をやめてしまったそうです。
私は会社に長く勤めた経験があまりないのですが、学校に置き換えたらなんとなく言うことは理解できました。
大きな会社に勤めると仕事以外のことも気を遣わないとダメそうです。服装や化粧、勤怠、言葉遣いや飲み会参加等・・・。
また今いる国でも日本語の学校が多数あり、話せる人も非常に多い(道端であった人が日本語で饒舌に話し出してびっくりしたこともあります)のですが、日本人向けのツアーガイドさんがすぐにやめてしまうなんて話も聞きました。
ここでもツアーの品質よりも、予定通りにことが進まなかった等の理由でクレームが発生してしまうようです。頑張って日本語を勉強して検定にも受かり、日本から来る観光客に向けてガイドを始めたもの、理不尽にクレームが入って嫌になってやめてしまう。
日本人はそもそも休暇とかあまりもらえないから、時間はとても重要です。私も日本にいた頃は「時間は金で買う」と思っていて、無駄な時間をどうやって減らせるかで頑張ってました。でも時間を上手に使ってるつもりで、時間に振り回されていた気もします。
海外に来てからは予定通りにいかないことが当たり前になり、だいぶ毒されたみたいです。
ある日知り合いが有給の間にあちこちの国に行くと予定を立てていて、どの電車に乗って何時に着くから、その間にこの用事を済ませて次はこのバスに乗って移動して・・・と説明してくれたのですが、飛行機も電車もそもそも遅れたり欠航したりするものと考えている自分と、予定通りに行けるはずと思っている友人と大きな差ができていました。
この辺の考え方の違いでクレームが発生してしまうのかもしれません。
休暇の時くらいはのんびり・・・と思うけど、実際休暇の日数が少ないと、そこでも効率よく動きたいと思うのは当然なので責められないし、予定通りにいかない時の悲しい気持ちも理解できるのですが、それを海外で言ってもお互いに気分が悪くなるだけ。もう少しだけのんびりすると日本も楽になるのではないかと思います。