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日本では起きないかもしれない出来事

先日日本に帰った時に、1ヶ月くらい留守にするということでアパートの鍵を大家さんに預けていきました。
そもそも大家さんに鍵を預けて大丈夫なのかと日本だったら思うところなのですが、この国では自分の部屋にいろんな人が出入りするので(大家さん、クリーナーさん等)鍵は他人も持っていることが多いです。
それで何か取られたり、留守の間に入られたりということはないです。
部屋はあくまで大家さんの持ち物、という感覚なのだと思います。

で、帰国する際に「明日帰るよー」とお知らせしたところ、大家さんが仕事で留守にしているとのことで、「近所のコーヒ屋さんに鍵預けておくから、受け取ってね」と言われました。日本ではまず考えられないその回答に「ええーっ!? どうしよう大丈夫かな」とかしばらく考えて「うーん多分大丈夫」となってそのまま帰ることにしました。
日本だったら鍵を盗まれるんじゃないかとかその間に複製されちゃうんじゃないかとか、その間に泥棒に入られるんじゃないかとかで絶対にできないっていうかありえないと思うんですけど、なんとなく大丈夫だろうという謎の信頼が・・・。
で、実際にお店に行ったら鍵を預かってくれていて、無事に受け取れました。
なんというか悪知恵が働かないというか、日本人に比べると純粋な国民性なのでそういう考えが浮かばないのかも知れません。
そもそも他人にそんなに興味がないんですよね。
日本人として考えるとまず犯罪に巻き込まれたらどうしようって考えてしまうの結構悲しい。

もう一つは私の家の前は商店街になっているのですが、そこにホームレスの人が来たことがありました。服もボロボロで体も汚れていて、でも若い男の人だったのでなんとかなるのかな?と思っていました。段ボールを1枚床に敷いて寝泊まりを始めました。通りすがりの人たちが小銭をあげて、それで食費を賄っているようでした。
1週間くらいすると、売店のおばちゃんが面倒を見出したみたいで、売店についているテーブルに座って、お客さんの相手をし始めました。コーラとかパンとか美味しそうに食べています。
次の週になるとお風呂に入ってきたみたいで、身綺麗になっていました。商店街の中にある中古の服屋さんで新しい服を揃えて、道路で寝ている以外は普通の人になりました。それでもみんな通りがかりに小銭を落としていきます。なんか常連さんみたいな雰囲気になってきました。
さらに翌週になると、髪の毛を切った(というか坊主になってた)みたいで、ますます普通の人になりました。相変わらず売店のお手伝いは続けています。他のお店のアイスクリームを食べています。
そしていつの間にか、彼はいなくなっていました。お金が溜まってどこかに泊まれるようになったのか、優しい大家さんが見つかったのか。段ボールはもうありませんでした。なんとなく彼はどこか別の場所に行ったんだなあと思ってちょっと寂しくなりました。
日本でホームレスの人が自分の家の前に住むとか、ちょっとありえない光景でしたが、なんだか御伽噺みたいで感動してしまいました。

こういう日本ではありえない光景を目にすると、海外に来てみてよかったなあと思うのです。


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