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島根スサノオマジックホーム東京開催について

Bリーグ B1に所属する島根スサノオマジックが1/20,21の2日間、東京でホーム主催試合をおこなった。この異例とも言える興行に2日間行ってきたので備忘録代わりに所感含めて記録しておきたい。

憧れのホーム主催ゲーム

島根スサノオマジックが東京でホーム主催ゲームを開催すると発表したのは、2023/8/18。それから155日間、待ちに待った日が訪れた。
試合日はあいにくの雨予報。当初は大雪予報も出ていたが雨で済んだのは幸いであった。

会場は、調布市にある武蔵野の森総合スポーツセンター。FC東京が本拠地とする味の素スタジアムの目の前である。最寄駅の飛田給駅からは歩いて約10分のアクセスの良さ。やや都心からは離れているものの、比較的足を運びやすい会場だったと思う。

会場に着くと、ホームアリーナを彷彿とさせる選手の写真が壁一面に掲示されていた。導線は、1F席と3,4F席で入り口が分かれていたが、中に入ると1Fから4Fまで自由に行き来ができた。

1Fはグッズコーナーが設けられ、スサマジグッズや今回コラボしていたアイマス関連のグッズを購入することができた。
3Fはファンクラブ会員用のブース(これが意外と分かりづらかった)や、ホームアリーナのある松江市のブース、4Fには総合受付や太鼓の達人が遊べるコーナー、3F外ではフリースローやドリブルで遊べるブースもあった(2日目は雨のため中止)。
1F外にフードコートがあり、日比谷しまね館のブースをはじめ6店舗くらいがお店を出していた。

TIP OFF は両日とも13:35。
11:30からアイマスの声優の皆さんによるトークショー&抽選会。
12:00から選手達のウォーミングアップが始まり、12:40からアクアマジックの新曲披露、12:45からオープニングセレモニー、応援練習と目まぐるしくイベントが進んでいった。

試合は2日間で1勝1敗。GAME1は30点差をつけての完勝だったが、GAME2は茨城ロボッツに3ptシュートをことごとく決められロボッツに今シーズン3勝目をプレゼントすることになった。

ホーム東京開催の狙いはなんだったのか

今回、島根スサノオマジックが松江を離れてわざわざ遠く離れた東京で主催試合を行ったのはなぜか。
当事者でないので、仮説の域を出ないが、報道されているものも含めて以下の3点だと考えている。

  1. B.プレミア参入に必要な平均観客数の底上げ

  2. 新たなファンを獲得しクラブを全国区にする

  3. Bリーグ全体のファン層の拡大

B.プレミア参入に必要な平均観客数の底上げ

まず、2026年シーズンから始まるB.プレミア参入の条件となっている平均観客数4,000人を確実にするために人口の多い東京で開催したのではないか。ただ、アルバルクやサンロッカーズ、隣県には千葉ジェッツや横浜ビーコルセアーズなどの人気クラブがある中で、果たして島根という地方クラブがどれだけ集客できるか不安があったと考えられる。

新たなファンを獲得しクラブを全国区にする

2つめは島根という枠に囚われずにクラブを全国区にするという狙い。
BリーグはJリーグと同様にクラブに地域性を重視している。一方で、B.プレミアといった昇降格のないリーグはプロ野球に近いとも言える。プロ野球も最近は地域性を重視する部分もあるが、それでも全国にファン層が散らばっている。B.プレミアはそのプロ野球に近づくのではと考えており、島根以外にもファン層が拡大すれば、各種メディア等へ露出が増え、グッズ収入など試合以外での収益拡大が期待できる。もちろん、各地から松江への送客も期待できる。

Bリーグ全体のファン層の拡大

3つめに、Bリーグ全体のファン層の拡大を狙ったものではないだろうか。今年はワールドカップが開催されたことで、Bリーグは例年にない盛り上がりを見せている。選手だけでなくアクアマジックやバンダイナムコのコンテンツであるアイドルマスターをきっかけにBリーグに触れ、仮にクラブのファンにならなくても在京の他のクラブの主催試合に関心を持つようになればBリーグ全体の裾野を拡げることになる。在京クラブにとってもメリットがある話である。

狙いは達成できたのか

観客数はクラブ主催試合過去最高を記録

観客数は1日目が5,215人でクラブ主催試合として過去最高を記録、2日目は4,826人でこれも過去2番目の数字。ホームアリーナの松江市総合体育館のキャパが少ないというのもあるが、あっさり超えてきたのは東京開催ならではだと思う。
一方で、今回の武蔵野の森総合スポーツセンターのキャパは1万人であることを考えると、物足りなさも感じる。実際に2日間を通じて、3F,4F席については空席も目立った。
クラブがKPIをどこに設定していたかは分からないが、報道にもあるように予想以上の集客ではなかっただろうか。年末12/28時点での首都圏のファンクラブ会員は518名。会員になっているのが首都圏在住のファンの2割と置いた時、非会員のファンは2500名。仮に8割が両日足を運んだとしても5400名。アイマスとのコラボ席がざっと2日間で1000名、バンダイナムコ関係者が1000名くらいとざっくり見積もっても7400名程度にしかならず、2日間で1万人を超える集客はハードルが高かったように思う。
かなり根拠としては怪しいが、想定以上に集客できたという評価も不思議ではない。
もちろん、1万人を集めようと思ったら不可能な数字ではない。アルタの大型ビジョンに広告を打つだけでなく、もっと露出を増やすことができただろうし、都内の企業や地域住民にチケットを無料配布することもできただろう。

クラブやBリーグの魅力を十分に伝えることができた

これも感想に過ぎないのだが、Bリーグの魅力、あるいは島根にとって重要なコンテンツの一つあるアクアマジックの魅力を会場に訪れた人は十分に感じることができたのでは無いだろうか。
特にアクアマジックについては、これまではバスケットLIVEの映像を通してや、SNSに時折流れてくる彼女達の写真でも十分魅力的ではあるのだが、やはり間近に見る彼女達の印象は全く異なるものだった。
試合についても、安藤選手やビュフォード選手、ケイ選手のBIG3のプレーはさすがであったし、2日目については茨城の選手の3ptシュートに惹きつけられた人も多かったのでは無いだろうか。
島根のファン層拡大のみならず、Bリーグに興味を抱かせるには十分だったと思う。

東京在住としては夢のような2日間

実は島根スサノオマジックは、東京近郊での試合が少ない。今シーズンは今回の試合を除けば、予定されているのは1月末の横浜ビー・コルセアーズの2試合と3月のアルバルク東京戦のみ。毎年このくらいである。
また、バスケットLIVEの中継では、TIP OFF5分前からの放送開始となるため、オープニングセレモニーの派手な演出も目にすることができなかったため、今回ホーム開催としてオープニングセレモニーも十分に堪能することができたのは非常に嬉しかった。
よって、来季以降も続けて欲しいと思う。

一方で、島根在住ブースターとしては複雑な思いもあったのでは無いかと思う。なぜならばホームで試合を観戦できる機会が2試合失われるわけであり、チームとしてもホームアドバンテージを活かせなくなるというデメリットも出てくる。実際に、当初はヘナレHCも難色を示したと記事にはあった。

来季も是非開催を

では、来季はホーム東京開催は無くなるだろうか。正直なところ、半々かなと思う。なぜならば、クラブにとってメリットもある一方でデメリットも大きい。実際に、ホームゲームであるにもかかわらず、勝ち星を1つ落とす結果となってしまった。
ただ、私の意見としては、ぜひ来季も開催して欲しいと思っている。平均観客数を底上げするといった内向きの理由ではなく、島根スサノオマジックが島根を超えて全国にファン層を拡大させていくため、そしてBリーグの魅力が多くの人に伝えるために継続されることを切に願う。

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