Windowsに標準でついてくるフォントの商用利用について調べてみた
2022/09/29 「RT Fontというのがある」を追加
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前回はソフトウェアライセンスについて書いてみた。
今回はフォントについて書いてみる。
結論としては、意図せず違反しやすいので一瞬でも迷ったらフォントライセンスを扱っている会社に十分相談するのが一番だと考える。
フォントとは
「画面に表示したり、書籍など紙面に印刷したりするためにコンピュータ上で利用できるようにした書体データを指す」Wikipediaより
このフォントを使うのも権利者からの使用許諾が必要になる。
何をするとだめなのか
それぞれの規約をしっかり読む必要があるが、許諾を得ていない環境にフォントファイルを入れておくことがアウト。
フォントファイル自体は通常は%windows%Fonts\フォルダに入れることで機能するが、問題はそこから自在に取り出すことが可能なことだ。
どういう時に違反が発生しやすいか。
フォントファイルはどこでも置くことが出来てしまうため、開発資源の中にフォントファイルを格納し、共有して運用してしまうことがある。きちんと許諾ライセンス数と開発機の数がきちんと管理出来ていれば違反にはならない。(フォントファイル格納場所用のライセンスも必要な可能性はある。)
しかし、一部の開発を外注に依頼した、された場合は注意が必要だ。大抵のライセンスは許諾された会社にのみ適用されるため、外注側で別途ライセンスの契約を行わなければならない。
依頼された側としてはフォントを使わない作業だとしても、開発環境にフォントファイルが混入した時点で、ライセンスを購入していなければそれはライセンス違反となる。
よって、外注側は知らない間にライセンス違反をしてしまうこととなる。
Windowsの標準フォントなら安全?
そんなことはない。下記はWindows10のフォントリストになる。
「Family」の「Arial」をクリックし、「Licensing and redistribution info」の項を確認すると「License Microsoft fons for enterpirses,web develepers ,for hadware & software redistribusion or server installations」という箇所がある(2022年5月現在)。
上記とそのリンク先を見るに「企業、ウェブ開発、ハードウェア、ソフトウェアの再配布またはサーバにインストールする場合はライセンスを取得してね。」と考えられる記載がある。
下記のフォント再配布に関するFAQを読んでみる。
ざっくりまとめると。以下のような感じ。あくまでもざっくりなので、原文は確認したほうがいい。
印刷するのには制限はない。本やロゴ、広告、レポート、Tシャツに使っても問題ない。
画像にフォントを使うことも印刷と同様制限はない。
動画に使うことも印刷と同様制限はない。
WEBサイトの表示として使うのは問題ない。
WEBサーバからフォントを配布させるのはNG
別途ライセンスの取得が必要。WEBサーバに限らずフォントデータを再配布するのはNG
Word、PowerPoint、PDF等ドキュメントに使っても問題ない。
ドキュメントにフォントの埋め込みすることは問題ない。
ゲーム、アプリケーション、デバイスに埋め込むフォントはNG
フォントデータを何らかの形で変換してもNGには変わらない。
こちらも別途ライセンスの取得が必要。ゲームやアプリケーション用に画像化したものを使うのは問題ない。
フォントデータの改変はNG
どうしたら安全なの?
印刷や閲覧以外をするアプリケーション、ゲームの作成でフォントを使う場合にはフォントライセンスを扱ってる会社にしっかり相談し、必要とあれば開発環境に応じた数のライセンスを購入することが安全だと考える。
相談せずに進めることで後でライセンス違反を指摘されたら大変なことになる。
RT Fontというのがある。
MSゴシック、MS明朝はリコーが作ったのだそうな。販売権はMSに譲渡したとのこと。
リコーはMSゴシックやMS明朝相当のフォントがあるそうなので、許諾などは以下でご確認を。
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