18-19season選手評価 (DF篇・後編&GK篇)
さて、シーズン開幕後の更新となってしまったが、昨シーズンの振り返りをここで完結させることとする。
今回はサイドバックの4人とゴールキーパーたちについての評価をさせてもらう。
リヒトシュタイナーが抜けた右サイドバックにはカンセロが、ブッフォンが抜けた正キーパーのポジションにはシュチェスニーがそれぞれスタメンとして名前を連ねることが多かった。
両者ともに前任の後を立派に引き継ぎ、離別の寂しさを感じさせない活躍を見せてくれた。
特にシュチェスニーは本当に素晴らしいシーズンを送ったと感じているが、詳しくは以下の個評で述べようと思う。
ではサイドバックから始めよう。
■ジョアン・カンセロ🇵🇹 #20 25歳
60点
昨シーズン、ユヴェントスにおいてロナウドに次ぐ話題を生んだ新戦力だ。
リヒトシュタイナーやデシリオには見られなかった勇気あるドリブル。敵ディフェンダーを嘲笑うかのような超絶テクニックやピンポイントクロスは、昨シーズンのユヴェントスの大きな武器となった。
CLベスト8アヤックス戦で見せたロナウドへのピンポイントや右WGとして途中出場したラツィオ戦での大車輪の活躍は記憶に深く刻まれている。
ただ、思い出されることはやはり攻撃のことだけ。ユヴェントスのDFである以上、もっとも求められるのは守備の堅実さ、泥臭くてもゴールを守りぬく執念のようなものである。
その点で、軽率なミスを繰り返すカンセロは落第ということだったのだろう。
新指揮官の就任と同時にマンチェスター・シティへの移籍が決まったカンセロの、新天地での活躍を祈る。
■マッティア・デ・シリオ🇮🇹 #2 26歳
60点
カンセロとは対照的に、特にこれといった大きな武器はなくとも、さりげなくスタメンに名を連ねることが多いこの選手。
個人的にはとても大好きな選手だ。
その軽率なパスミスや気迫の感じられない守備対応から良くSNS上で槍玉にあげられる同選手だが、彼の試合の読みやポジショニング、淡々とルーティーンのようにこなすオーバーラップはチームの大きな助けになっている。
左サイドのアレックスサンドロの攻撃性を考慮するとバランス感覚に優れるデシリオをファーストチョイスとしてサッリが考えることも、納得がいく。
昨シーズンは怪我も少なく、控えに回ることは多かったとはいえ、十分な試合数をこなした。3年目となる今シーズン、飛躍の年と出来るか、期待の1年になりそうだ。
■アレックス・サンドロ🇧🇷 #12 28歳
65点
入団して4年、毎年のように移籍がささやかれながらも不動の左サイドバックの地位に君臨するこの選手は、昨シーズンもコンスタントに出場を重ね、上々の働きを見せた。
ロナウドの加入とカンセロの右サイドバック起用の影響から、これまで以上に守備的なタスクが求められた昨シーズン、持ち前の攻撃性能は控えめにチームのために身を粉にするサンドロが見られた。
よりバランスのとれた1つ上の選手に成長したと言えるだろう。
所属年数を重ねるに連れ、チームへの献身性、Fino Alla Fineの精神を体現するようになってきたこの選手はこれからもチームの重要なピースであり続ける。
■レオナルド・スピナッツォーラ🇮🇹 #37 26歳
60点
前半戦を怪我で棒に振り、サンドロの牙城を崩すことができず、出場機会こそ限られたものであった同選手だが、出場した試合では持ち前のスピード感溢れるトリッキーなドリブルや、正確なクロスでチームに勢いを与えた。
以前記事にも書いたが、CLベスト16のアトレティコ戦は彼の活躍あってこその突破と言えるだろう。
チームの補強戦略(財務事情)から、ユヴェントスのユースあがりであるこの選手を放出せざるを得なかったことは非常に残念でならない。
ローマでコラロフのポジションを奪い取り、縦横無尽にピッチを走り回るスピナッツォーラに期待している。
■ヴォイチェフ・シュチェスニー🇵🇱 #1 29歳
70点
ユヴェントスの新守護神。
この選手が見せた働きはとてつもないものだったと思う。
加入1年目、ユヴェントスのレジェンドにして、キーパー界の生ける伝説、ジャンルイジ・ブッフォンから多くを学び、
ユヴェントスのゴールキーパーであることの意味を理解したシュチェスニーは、昨シーズン、パリへと旅立った大先輩の後を見事に引き受け、ユヴェントスのゴールを守り続けた。
数々のスーパーセーブ、的確なフィード、ブッフォンを思わせる守備陣とのコミュニケーション。
ブッフォンが去ったことを寂しく思うティフォージはいても、不在を嘆く者はほとんどいない。その現状がシュチェスニーの存在の大きさを物語っているだろう。
ブッフォンの後継者というこの上なく難しいタスクを見事にこなしてくれたシュチェスニーにはクラブも感謝しかないだろう。
この選手が加入してくれて本当に良かったと思っている。
■マッティア・ペリン🇮🇹 #22 26歳
55点
前々からイタリア代表でブッフォンに次ぐ実力者との呼び声が高く、鳴り物入りでジェノアから加入したこの選手は、シュチェスニーの高い壁を超えることができなかった。
スーパーセーブに定評のあるペリンはユヴェントスでもそうした素晴らしいセーブを何度か見せてくれた。
しかし、怪我が多く、控えゴールキーパーとしての役割を十分に果たすことができなかった昨シーズンはペリンとしても納得のいくものではなかっただろう。
移籍や、レンタルの噂が絶えない同選手であるが、今後どのような選択をするのか、状況を見守りたい。
■カルロ・ピンソーリオ🇮🇹 #21 29歳
55点
そもそも出場機会が最終戦のみのこの選手は戦力的な評価のつけようがないだろう。
ただ、存在そのものは非常に重要である。
現在のスカッドで唯一のユース育ちのこの選手は、育成枠としてCLの登録枠を1つ増やしてくれている。
また、ドレッシングルームや、練習でムードメーカーの彼がチームに与えるポジティブな要素は試合のスタッツには現れないが、とても重要なものだろう。
今シーズンもチームにいてくれることをありがたく思う。
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