18-19season 選手評価 (MF篇)
さて、今回の記事では、MF5人の振り返り評価を書こうと思う。
まず、全体的な印象として述べておくと、
「個人としては悪くないが、まるで連携がなっておらず、あまり機能していない」
ように感じていた。
新加入はエムレ・ジャンのみであったにも関わらず、お互いのことがよく分かっていなかった。
前線からディバラが降りて来なければ、とりあえずサイドに回して、単純なクロス。
幾度となくモヤモヤさせられていた。
すでにアーロン・ラムジー、アドリアン・ラビオの加入が発表されていることからも中盤の改造はクラブの中でも急務と考えられていたに違いない。
では、そろそろ選手の評価の方に進みたいと思う。
■ミラレム・ピャニッチ🇧🇦 29歳 #5
80点
不安定な中盤でこの選手だけはブレないクオリティを提供し続けていた。
ボスニアの魔術師
ミラレム・ピャニッチ。
大黒柱として、中盤の底からチームを支え続けたユヴェントスのキーマン。
変えのきかない存在であった。
時として信じられないような迂闊なミスをしでかすが、ピャニッチが不在の試合ではまともにボールを回すことができないチームを目撃することもしばしばだった。(酷い話だが)
プレースキックも相変わらずのクオリティで、綺麗な軌道を描いてゴールに突き刺さるフリーキックはまさに芸術だった。
新監督サッリの戦術的に、来シーズン、ピャニッチが背負う役割は昨シーズンよりさらに重要となってくるだろう。
サッリが信奉するポゼッションフットボールの中核となり、昨シーズンが嘘のように連携のとれた、ワールドクラスの中盤を演出して欲しい。
■ブレーズ・マトゥイディ🇫🇷 32歳 #14
70点
疲れを知らないこのダイナモは、
昨シーズン、MFとして最多のシーズン31試合に出場。
ロナウドが攻撃に集中できるよう、マンジュキッチとともに、左サイドの守備に奔走。
W杯の疲れを感じさせない気の利いたプレー・ポジショニングでピンチの芽を摘み取った。
ピッチ外でもムードメーカーとして存在感があり、ユヴェントス愛を公言して憚らない同選手の役割は今後さらに大きなものとなるだろう。
来期は同国出身のラビオとの熾烈なスタメン争いが待っている。
サッリのもとでこのベテランがどのような進化を遂げるのか目が離せない。
■ロドリゴ・ベンタンクール🇺🇾 22歳 #30
60点
ケディラやエムレジャンが怪我で離脱を強いられた中盤において、出場機会を掴み、確実な成長を見せたのは序盤戦の話。
W杯の経験をしっかり活かし、クラブでのスタメンの定位置を勝ち取るかのような勢いが見られたが、後半戦はチームの停滞感とともに伸び悩んだ感が否めない。
20歳でユヴェントスの中盤にレギュラークラスとして出場を果たし、ウルグアイ代表でも重要なロールを任される期待の若手だからこそ、
もう一皮も二皮も剥けて欲しいと思っているティフォージも多いだろう。
中盤のどのポジションでもプレーできるユーティリティ性は、指揮官からしてみればとても計算できるありがたいものではあるが、それもプレーの質が伴ってこそ。
来期は現状の陣容に加え、ラムジーやラビオといった実力者の加入が決定している。
限られたアピールの場でしっかりと結果を残し、チームの中心選手へと成長してくれることを期待している。
■サミ・ケディラ🇩🇪 32歳 #6
45点
ガラスのケディラが帰ってきてしまった。
在籍2年目、3年目とコンスタントにプレーを続け、ピャニッチと共にユーヴェの心臓を担っていた同選手だが、
度重なるケガや不整脈の治療で、在籍4年目となった昨シーズン、ケディラは公式戦17試合の稼働にとどまった。
もともとケガがちな選手ではあるが、
ただでさえマルキージオの退団で中盤が5枚しかいなかったチームにとって、
ケディラの離脱は大きな痛手だっただろう。
32歳を迎え、加齢の影響が無視できなくなってきたケディラが、中盤の枚数が増えてきたチームにおいてどのような役割を担っていくことになるのか。
それとも噂通り、新天地へと活躍の場を移すのが。
プレシーズンツアーのメンバーから外れているケディラの今後の動向に注目が集まる。
■エムレ・ジャン🇩🇪 25歳 #23
60点
前半戦のプレーは目に余るものがあった。
トランジションの際のポジショニング、切り替えの遅さ、メンタルの幼稚さ。
とてもじゃないがユヴェントスの選手として、主力を任されるようになるとは思えなかった。
しかし、徐々にチームのスピリットを体得し、 甲状腺の手術から復帰した後は、
カメレオン戦術を得意とするアッレグリが重宝する、ユーティリティプレイヤーとして、ピッチ上で輝きを放った。
アトレティコ戦で見せた偽インサイドハーフ、右3センターバックの役回りは、まさに圧巻のパフォーマンスだった。
(その後はあまり機能していなかったが)
来シーズンはさらに精神的・技術的に成長し、中盤の激しい競争の中で、自らの居場所を掴んで欲しい。