【木原氏巻き込まれ事件Vol.3】もはやフィクション?文春の印象操作疑惑
木原誠二氏の妻X子さんの元夫である安田種雄さんの死亡事件に関連し、X子さんや木原氏に対する人権侵害ともいえる文春の報道のあり方について、これまで2回に分けてまとめ記事を書いてきた。
当時X子さんの取調べを担当した佐藤誠元捜査官は「X子さんは犯人ではない」と明言しているに関わらず、一連の事件とはまったく無関係の木原氏の名前を指し「木原事件」と呼び続ける文春は、まだ懲りずに記事を出し続けている。
2023年12月4日発行の文春の記事では、ドラレコの映像を見たときの感想と、捜査の終了を告げられた状況について佐藤氏が語っている。しかし、その文面から読み取れる印象と、2023年8月10日の佐藤氏が記者会見で話していた内容とでは、明らかに大きな違いがある。まるで「印象操作」のような文春の切り取り方と、記者会見での発言内容を比較していく。
「愕然とする思いだったよ」「もう終わりだ」
この文章だけを読むと、まるで木原氏が政治的な圧力を使って「手を回し」、それを知った佐藤氏が「愕然とする思い」になった、というストーリーのような印象を受ける。
しかし、元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は次のように語っている。
仮に木原氏の政治的な力を強調するにしても、木原氏が内閣副官房長官、内閣総理大臣補佐官に就任したのは2021年10月のことであり、X子さんが取調べを受けていたのは2018年である。個人的な理由で警察の捜査に介入するなど不可能だといえるだろう。
また、佐藤氏はこのドラレコを見たときの印象について、8月10日の記者会見では下記のように語っている。
「『頑張れよ』と励ましているだけかもしれないですよね」
これは「愕然とする思い」だった人物の感想に聞こえるだろうか?「(木原氏がX子さんを)励ましているだけかもしれない」と記者会見で発言した佐藤氏。また、木原氏の「俺が何とかしてやる」「手を回しておいたから」というセリフについても、記者会見では「妻を勇気づけるためのハッタリかも」と話している。
文春記事の「愕然とする思いだった」「手を回されてしまえば、もう終わりだ」という書き方は、あまりにも大袈裟ではないだろうか。
「『明日で全て終わりだ』・・・大きな違和感が残った」
文春の記事では、10月下旬に捜査半ばでまるで突然強制終了したような印象を与える文章になっている。
しかし、10月下旬で終了したのは「X子さんへの取調べ」であり、佐藤氏が記者会見で「国会が始まれば取調べが終わらせることを最初から約束していた」と話しているように、取調べの期間が臨時国会が始まるまでの最長2週間程度しかないことは、最初から分かっていたことなのである。
このように佐藤氏は、10月下旬に臨時国会が始まりX子さんの取調べが終了したあとも、少なくとも12月までは捜査を続けていた。
事実では、少なくとも10月や12月の時点で「捜査の中止を告げられた」という認識は、佐藤氏をはじめ当時の捜査官にはなかったはずである。
にもかかわらず、文春の記事では「明日で全て終わりだ」という強い言葉が、具体的には何のことを指しているのかを曖昧にすることで、読者に対して「捜査全体の終了」と受け取れるような編集になっている。
X子さんへの取調べ自体が見切り発車の可能性も
「これから供述を揃えて証拠を探そうという矢先に」という部分から、つまりこの時点ではまだ何の証拠もなく、単なる「見立て」のみであり、X子さんへの10日間にもわたる取調べ自体が「見切り発車」だったことが伺える。そして5年経った今になって、まるでX子さんが犯人だったかのような印象を与える記事を書き続け、そして一連の報道に事件とは一切関係のない木原氏の名前を付けて「木原事件」と呼び続ける文春の言動は、まさに人権侵害といえないだろうか?