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秋葉にいく

TL;DR   神田装備が素晴らしかった。

久しぶりに秋葉原に行った。土曜日は台風一過で糞暑かったが、日曜日は多少気温も下がって、多少はすごしやすいかと思ったが、そんなことはぜんぜんなかった。秋葉原は私が学生だったころにあったワクワクするような場所ではもうないのだが、毎年前職の仲間と年に数回ほど行っている。最初のころは何かしらPCパーツ目当てで行っていたが、最近ではショップ巡りはそこそこで主にロイヤルホストでグチグチとおしゃべりをするだけという感じになってしまった。
お盆休みも最終日で、秋葉はそこそこ空いていた。空いていたが、今回もとくにこれといって見るものもなかった。買うものがなく彷徨うのも面白くないので、ちょうどマザーがあまっていることだし、Ryzen5の5700Xあたりを買おうと思ったのだが、前日にちょっとアリエクを調べたら、秋葉の最安値22000に対して18000円で売っていた上に、もしかしたら月曜日にさらに2000円下がりそうだったので、本当に買うものがなくなってしまった。悲しい。

96MBもL3を積んでいる狂気。本当に$115になるんかい

とここまで日記を書いて改めてアリエクを覗いてみたら、22000円でRyzen7 5700X3Dが売っていた。なんか明日はここから3000円程度ひかれるらしい。ってことは19000円で3Dがかえるのか。これは激安ではないだろうか。

話をもどそう。秋葉は昔と違って、パーツショップの街というよりは、中古の携帯やリース上がり品のノートPCがたくさん売られる店ばかりになってしまった気がする。30年くらい前、私はパソコンの街秋葉原にあこがれてわざわざ東京の大学を受験した。二次試験の次の日、結果はどうあれすべてが開放された気分で秋葉原に行ったのを今でも覚えている。
私が高校にいたころは国産PC、NECのPC-9801が全盛だった。叔父からもらったPC-9801UXという80286の10MHzのPCで、勉強もしないでゲームを遊びまくっていた。当時5インチのFDDが主流だったなか、このパソコンのフロッピードライブは3.5インチで友達と交換ができなくてすごく困ったものだった。バイトでためたお金を全力注ぎ込んで5インチのFDDドライブを買ったのを今でも思い出す。ただでもらったのに文句を言うのはおかしな話だが、286はお世辞にも早いPCではなかった。たぶんV30とかとほとんど速度がかわらなかったと思う。今思えばその後に出た386と比較しても同クロックでも遅かったので、メモリアクセスでウエイトがあったんだろうなあ。あまりにも遅かったのでバイトでお金をためて、Cyrixの486SLCのアクセラレータを通販で買った。あいつもキャッシュを有効にしないとと全然はやくなかった。オーバークロックしても遅かったので、処理のほとんどがメモリ待ちだったののだろう。とにかく遅かったのは不満で、友達の98が早くてそれがすごく羨ましかった。そこで親に頼み込んで大学に入れたら新しいPC98を買ってもらう約束をしていた。買おうと思っていたのはPC-9801FAだ。

定価は最小構成で485000円。高すぎ。この前ドフで完動品を1万円で衝動買いしてしまった

FAはたぶんNECで486を搭載した初の98で、実質的な最後のPC-9801だと思う。CPUは486SXの16MHz、キャッシュを8KB積んでいたと思う。これがめちゃくちゃ早かった。大学受験中で頭がおかしくなっていたのもあるが、毎日勉強の合間に月刊アスキーを穴があくまで読んでいた。FAを買って、HDDを買って、メモリ増やしてといろいろ妄想に浸っていた。
しかし、その価値観が大きくかわる出来事がふたつ起きる。当時受験中で、塾に通っていた。塾は雑居ビルの2Fにあり、1Fは当時でもめずらしかったAppleのMAC専門店だった。私はMACにはまったく食指が動かなかったが、そこにたぶんcompaq製だと思うがPCが置いてあって、wolfenstein 3D(のシェアウエア版)が動いていた。

まあ今のfpsのご先祖

このゲームを遊んだときに、雷が落ちるようなショックをうけたのを今でも覚えている。家庭用のパソコンで、こんなヌルヌルした3Dのゲームが遊べるのかと。そしてこれだけのレスポンスと速度は、98では無理なんじゃなかろうかとも思った。さらにこのゲーム後継であるDoomが発売されると聞いた。
同時期に月刊アスキーの2ページくらいの記事があった。たぶんバイトが書いたものだと思うのだが、その内容がこれまたすごかった。記事の内容は、どこかのパーツショップと通販かなんかを駆使して、中国製のVLバス付き486マザーボード、ET4000かなんかのVGAカード、ESDI(IDEの前身みたいなSeagateの独自規格)の420MBくらいのフルハイトのHDDとコントローラ(当時はHDDコントローラはマザーについていなかった)、30pinのSIMM、そしてCPUとして487を使って安くそれなりに高性能なPCを組み立てるというものだった。

上の絵はwikipediaから拝借

今でこそPCを組み立てるのは普通だが、当時の私にはPCを組み立てるというのはすごいショッキングな内容だった。しかもなんかいろいろ怪しいものを寄せ集めてきてPCを作っている。CPUがただのCPUじゃなくて浮動小数点演算ユニットだというのも驚きだった。まあ、487は周波数が低いくらいで実際は486DXと全く中身は一緒だったのだが。

パーツを揃えて自分が考える最高のPCが組み立てられて、さらにキラーアプリまであるPC/AT互換機の登場で、私の中での98熱は一気に冷めてしまい、次はPC/AT互換機を買おうと心に決めた。そんな状態で、大学の二次試験が終わった次の日に秋葉に行ったのだった。当時日本では、黒船がきたかどうかといったときだったので、PCをパーツで買って組み立てるというのが一般的ではなく、秋葉原にはその手の店は数件くらいしかなかった。ちょっとわかっている人は、香港だかに観光にいくついで深センあたりまで足を伸ばしてそこでパーツを一式そろえてPCを作っていたらしい。それでも普通に同じくらいの性能のPCを買うより、飛行機代や宿泊費、食事代を入れても安かったかトントンといった時代だったらしい。らしいらしい言っているのはその時に聞いていた噂話をかいているからだ。

ここもともと3階建てだったのかな

秋葉はまだぜんぜん土地勘がなかったが、なぜか裏通りにある神林ビルの2Fにある丹青(と湘南通商)という店に行った。ラオックスの裏にあるそのビルは、当時の時点でかなり古く、急な階段を登って奥に入るのもおのぼりさんの私はかなり躊躇した覚えがなんとなくある。そのころは3Fにとらのあなはなく、4Fに某宗教系の激安PCショップもなかった。店の中は私が夢見ていたものそのままだった。なんだかよくわからない中華系のマザーボード、ガラスケースにおかれたCPU、なんかよくわからないISAの拡張カード、すさまじくでかいVLバスのビデオカード、アンフェノールのフルサイズケーブル、なんかよくわからないフラットケーブル、古いmac、糞でかいHDD、店主のおっさん。わかりやすい例でいえばなにかなあ、サガフロンティアのクーロンの裏通りにある緑の奴の店かなあ。あまりの濃厚な秋葉感に鼻血がでそうになった。いまさらながらハードオフめぐりをするのはあのころの経験が強烈にのこっているからなのだろうか。その日は、3000円で売っていた486SXの20MHzを買ったのを今でも覚えている。セラミックパッケージに入った半導体が最高にかっこよかった。

そういえばザレムのチップは六角形

と、秋葉に行っただけの日記で、なんでここまで意味なくおっさんの自分語りをしているかというと今回訪問した神田装備が往年の丹青に雰囲気がそっくりだったからだ。神田装備は予約制の店で、最初はよくあるリース上がりのノートPCがうっている店かとおもっていた。ただ、お盆の最終日は予約がいらないみたいで、いい機会だったので行ってみた。店は、秋葉原センタービル内にあった。あそこは昔は電子部品をうっていたが、今ではほとんどその店は消え、なぜかアジア人みたいな人がノートPCや携帯電話を売っていた。客もみんなアジア人でそこだけ匂い含めて日本という感じではぜんぜんなかった。店をざっと探したが件の神田装備はみつからなかった。どうも1Fではなく、4Fにある模様…そもそもここってガード下じゃなかったかと思ったがどうも違う様子。一番奥にエレベータと階段があり、そこから4Fにあがってみた。店は、なんかマンションの一室みたいな場所にあった。店は狭く、たしかに10人以上はいることはできないようだった。そこには私が30年前に見たのと似た光景が広がっていた。何世代のものかはっきりしないマザーボード、ガラスケースにおかれたCPU、たぶんSCSIかなんかだと思うCバスの拡張カード、いろいろな世代のビデオカード、電源、大量のSSD、店主のおっさん。正直感動した。

いまだと内蔵GPUより遅いんだろうなあ

Cyrixの486DLCが搭載されているPC-9801DAに手がでかかったが、それはあまりにも重いので1050を買ってきた。なにがすごいかというと、店主が動作チェックしますか?といってPCに刺してチェックしてくれたことだ。ベンチマークをかけて負荷をかけましょうかとも言ってきてくれたがあまりにも申し訳ないので、それは断ったが、いままでいろいろな店をまわったがここまでやってくれる店ははじめてだった。素晴らしい。

というわけで長い前置きだったが、買ってきた1050の掃除をしよう。あけてみたらそこそこホコリが溜まってきたなかったが、年式相応といったところだろうか。グリスは完全に固まっていた。

GP107-300はGeforce GTX1050のメモリ2GB版のチップだ。シェーダー数640、テクスチャユニット40、ROPは32個だ。かなりいまいちだが、補助電源なしなので、ちょっとした検証につかえるのではないだろうか。ここまできたので、画像でも生成してみるか。

問題なく起動した。一応LOW_VRAMオプションをつけた。ちなみにCPUはi5-4590である。前回CPUだけで画像生成したときのマシンとほぼ同じスペックだと思っていただけるといいと思う。

解像度は512x768。20step

一枚生成するのにだいたい50秒くらいかかるようだ。CPUだけで生成すると200秒くらいだったので、4倍も高速だということか。こんなしょぼいGPUでもまったくないよりは圧倒的に早いということか。そう考えると画像生成に限っていえばNVIDIAのそこそこのGPUさえ買っておけば十分たのしめるということなのかもしれない。


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