Everquest: E4での戦闘の取り回し
Everquestは、現在のモダンなMMORPGと違い、クエストではなく戦闘がゲームのメインとなる。実際は戦闘までの準備が95%を占めて、戦闘でのとりまわしが5%くらいなのだが、今日は戦闘の取り回しに関して話をしたいと思う。E4の説明書では、コマンドの説明は書いているが、実際にどのように使うのかというのをあまり書いていない。個人的にそのへんは使う人に任せたいが、私の場合を例に説明したい。
E4は戦闘時、大きく二種類の動作モードがある。ひとつは、制御権をE4にわたすモード、もうひとつは制御権をE4に渡さないモードである。制御権を渡すとは、移動に関してE4側に判断させて移動させるもの、渡しても渡さなくとも戦闘状態である場合は、設定したスキルやスペルを実行したり攻撃したりする。
上記はE4での戦闘コマンドである。制御権を渡す/渡さない、コマンド実行者が攻撃する/しない、同一グループ(レイド含む)の他メンバーも攻撃する/しない、1匹だけ攻撃する/全mob攻撃するという違いで、よく使う組み合わせとして全部で6つのコマンドがある。このうち、最もよく使われるのはautobattleだと思う。これは完全な自動戦闘で、E4に対して全キャラクターの制御権を渡すものだ。タンク職はmobのヘイトをとるようにし、アタッカーはmobを攻撃し、ヒーラーは適切にヒールを行って、mobが全滅するまで繰り返す。ただ、これは女神転生とかのオートバトルとあまりかわらない、位置取りをきちんとしないため、rampageがヒーラーにあたったり、背後をとれなかったり視線がとおらなかったりでDPSが下がったりするため、絶対に勝てる戦い以外での使用はおすすめしない。基本的には格上の相手には、autobattle以外のコマンドを駆使して、自分が主に動かすべきキャラクターを手動で操作して、その他のキャラクターを自動で動かすようにすべきだと思う。
というわけで、私がちょっと強い相手と戦うときの例を書いてみようと思う。構成は、メインタンクがWAR、サブタンクがPALで、場面は、Tier7のPlane of Tacticsだ。
VZの部屋に、Phase3のnamedが二組いる。それぞれ、2匹ずつpullができるが、ここでは後者の強いイノシシと雑魚のDiakuの組み合わせと戦ったときの様子を説明する。イノシシはかなりのハードヒッターで、Diakuと2匹一緒にタンクでキープするのは厳しいという想定とする。
まずはpullを行う。おすすめは弓だ。ちゃんとした弓ならば、矢との組み合わせで距離300を超えるのですごく遠隔からひっぱれる。また、矢はうちはじめから射出まで時間がかかり、その間移動することができるのでさらに距離を稼げる。
mobが二匹やってくる。ここで、WARはイノシシを、サブタンクのPALはDiakuをキープするようにしたい。そして、弱いDiakuを先に処理をしたい、とした場合、mobが接敵するかどうかというところで、Diakuをターゲットし、あらかじめマクロで設定しておいた、以下のコマンドを実行する。
/bc autocombat ${Target.ID}
このコマンドで、コマンドの実行者(この場合WAR)はE4に制御権を渡さないため、そのままユーザーが任意にWARを操作できるが、PALやアタッカーなど、他の連中は制御権をE4に渡すため、自動的にDiakuを攻撃する。PALのauto skillをきちんと設定すれば、PALがヘイトをとって、キープを行う。その間、WARは強いイノシシに手でターゲットを戻す。
スクリーンショットをみてもらえばわかると思うが、PALがDiakuをキープし、その後ろからアタッカー陣が攻撃をしている。その間、WARはいたいイノシシをキープし、ゆっくりヘイトをあげていく。
Diakuが倒れたあと、autocombatの効果により、WAR以外の連中は引き続き、イノシシにターゲットを移して攻撃を続ける。これによって、WARはきちんとヘイトを獲得し、跳ねることなくアタッカーは安定してダメージを出力できる。また、PAL側のautoskillの設定をきちんと行うことで、WARが仮に落ちてもPALがそのままタンクを引き継げるくらいのヘイト量を獲得するようにもできる。上の例では、PALが2番手でヘイトが40ある。
と、こんな感じで、なんでもかんでもautobattleで戦闘を行うのではなく、自分よりも格上のmobに対してはきちんと制御を行うことで、勝率をあげていくことができる。
もうひとつみていく。次は、Plane of Tacticsの表のボスである、Rallos Zekだ。
こいつはAoW並に殴りが痛い上に、たぶん15%から30%HPを削るたびに、雑魚を4匹ほど自分の足元に召喚してくるという面倒くさい敵である。ここでも、戦闘は最初autocombatで、MTが自由に動けるようにし、他の連中もRZに攻撃を集中させるようにする。
ある程度削ると最初の雑魚集団が足元に登場する。これをこのままMTでキープしてもいいが、きついので、PALに雑魚をとってもらう。今の状況だと、全キャラRZを攻撃している。ここで、イノシシをターゲットして、autocombatを実行してもよいが、もうひとつ
/bc retarget
retargetというコマンドがある。これは、制御権を渡しているキャラクターが現在のmobリストから攻撃すべき対象を再計算させるコマンドだ。この場合、現在のターゲットよりもHPが高い、あるいはレベルの低いmobにターゲットがうつるようになる。イノシシは、RZよりもHPが多く、レベルも低いため、このコマンドで制御権を渡していないWAR以外のPALを含めたキャラが、RZからイノシシの一匹にターゲットを移して攻撃をはじめるようになる。また、制御権をうつしているタンクであるPALはretargetを実行する前に他のタンクのキープしていないmobのヘイトを取ろうとするため、ヒーラーにイノシシがはりついたままということにもならない。
ちょっと見にくいが、PALがイノシシのキープをはじめており、他のアタッカーもイノシシを攻撃している。この間WARは引き続きRZのキープを行う。
イノシシが処理されていく
イノシシが全滅し、引き続きWAR以外のPALを含めたアタッカーが、RZの攻撃に戻る。
またある程度減らしたところで、今度はWar Wraithが何匹か湧く。今回も同じく、retargetで、WAR以外のキャラクターのターゲットをうつして雑魚の処理をはじめさせる。上記ではPALが雑魚をきちんとキープしている。
3回目。これも同じようにPALにキープさせ、他の連中で処理させる
何度か繰り返すうちに地面が死体だらけになるが、RZは順調にけずれていき、勝利。
あともうひとつ、説明して今日は終わりにしたい。
Ancient Statue of Warは、このインスタンスのオリジナルのボスで、AoWをもっと痛くしたようなやつだ。最初に2匹のイノシシのとりまきがいるが、それを処理すればあとはAoW戦とかわらない。痛さは段違いだが。
ここまでくればあとは大体上で説明した戦い方と同じだが、こいつに限っては、すさまじく痛いため、最初はFurious(前方全reposte)を使って一定時間無敵になりつつもヘイトを稼ぐというやりかたをとりたい。この場合、WAR以外の連中は下手にヘイトをとると面倒くさいことになるので動かないでいてもらいたい、とは言えWARは戦闘させたいので、この場合は以下のコマンドを実行する
/bc duel ${Target.ID}
これにより、WARは制御権はうつさず、だが戦闘状態に入る。これで接敵する寸前にFuriousを実行し、無敵になった状態でヘイトを稼ぐ。
ある程度ヘイトが稼げたなと感じたら、あとはイノシシの一匹に対してautocombatを実行し、PALとその他を攻撃させる。WAR以外がイノシシの一匹を攻撃している間、WARはASoWと残ったイノシシのキープを維持するため、定期的にターゲットをかえてヘイトをあげていく。
最初のイノシシが倒れたら、PALと他の連中は残ったイノシシへ攻撃を開始するため、そうなったらあとはWARはASoWに専念する。
PALは単体のヘイト上げ能力が高いため、結構いい感じでイノシシを引き剥がしてくれる。
あとはASoWと戦うだけだ。ここでautobattleを実行して放置してもいいが、mightはlazarusと違ってペットの攻撃による押しが強いので、この手の強いボスは位置取りを調整するために、WARに制御権を移さず手で微調整したほうがいいと思う。もし制御権を移してしまったものの解除したい場合は、
/bc stopbattle
/bc back off
を実行することで完全にとめられる。stopbattleは自動戦闘において、全mobが死ぬまで続けるものを解除し、back offは現在行っている戦闘を解除するものだ。両方実行するようマクロを組み込んでおけば、戦闘行動を完全にとめてくれる。
以上かな。今回はあくまで一例で、当然mobのスクリプトによって戦い方はいろいろかわってくる。今回の連中はPoPレベルでスクリプトもそれほど複雑ではないが、GoDやOoWなどではいろいろコマンドを駆使しなければ話にならないボスがいっぱいいるので、いろいろ試してみてほしい。