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ピアノが分からなくなったと泣く子に・・・

2007年のことです。

*   *   *

ピアノの生徒、HKちゃんが号泣しながらやってきた。

来た、来た、どうしたの?と聞くと、「わ、・・・わ、・・・わからない・・・。」とのこと。
譜読みが難しくなってきて、おまけに8分の6拍子だもんだから、ここんとこ苦労してるなぁとは思ってた。
「いつ分からなくなったの?」と聞くと、ピアノに来ている間は分かっていたという。
でも、おうちに帰った途端に分からなくなる、と。

「分からなくなったらどうしたらいいの?」

「ちゃんと覚えとく。」

「でも、忘れるよ。」

「先生に聞く。」

「でも、先生はいつかいなくなるよ。それに、HKちゃんの知らないことは宿題に出してないよ。」

「・・・。」

「HKちゃん、人間なんて、ちゃんとするのは無理。覚えとこうと思ったって忘れるの。だって、先生、いっぱい試してみたけど無理だったもん。じゃあ、どうしたらいいと思う?」

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