なぜ、プログラマーとデザイナーを目指す息子たちに、幼少期はリトミックを習わせたのか
わたしの息子は、現在、大学院2年生と大学4年生です。
長男は、プログラミングを研究しています。
次男は、プロダクトデザイン学科で、家電や自動車のデザイナーを目指す、企業と直結したスタジオ(研究室のようなもの?)に進みました。
長男は、小学生から、科学の実験教室やダヴィンチプロジェクト(大学の先生に科学を教わる、国の方策)に、嬉々として通っていました。そうして、その道に進学しました。
次男は、小3から絵画教室。こちらも一本で、最終的には週3日通いました。長期休みは、東京の美大予備校で寮生活をしました。そうして、その道に進学しました。
この子たちが幼少期、ふたりともリトミックだけをならいごととしていました。
日本国内でも有数の資格を持つ先生に習うため、高速を使って片道1時間半かけて連れて行っていました。
なぜリトミックをやらせていたかというと、
と考えていたからです。
昨年の10月頃から、肩がじわじわと痛くなり、病院に行ったら「五十肩」と言われました。
「痛くて腕が上がらない」ってどういう状態かというと、「イタタタ・・・」とゆっくり動かす・・・という感じではなくて、まるで、骨や関節を逆に曲げようとしているくらい、「痛い」というより、元々そうだった、というくらい、カチコチなのです。
理学療法士の先生に言われたことは、
「痛みをカバーするために、筋肉が間違った動きを覚えてしまっている。だから、正しい動きをもう一度記憶させ直さないといけないんですよ」
ということでした。
この「筋肉が覚える」というキーワードに聞き覚えがありました。
リトミックです。
それで、
「リトミックは、即興演奏を聞いて、自然に動いたり、イレギュラーなことを認識して急激に筋肉を動かしたりして、脳と筋肉の間の神経経路を鍛えるんです。
動き方を習うわけじゃなくて、自分で習得するので、だんだん、その子の体質や気質に合った、自然な動き方を筋肉が覚えるそうです。それって、リハビリに似てますね。
幼児期には、音楽に関わらず、どの子も受けた方がいいって言われてて、わたしも子どもが小さい頃は、リトミックだけを習いに連れて行ってました」
とおしゃべりしたら、「それはすごく理に適ってます」と、下のような図を教えてくれました。
「スキャモンの発達曲線」です。
発達研究によると、神経系は、生まれてから急激に発達し、5歳までに80%は完成するそうです。
だから、その年齢で、脳や神経経路(脊髄)に良いことを習うのは理にかなっている、というのです。
別な論文を見ると、脳や神経はつまり、リズム感を司るものと書いてあります。
リトミックを幼少期に習わせる理由として、「どんなことにもリズム感は重要だから」と言われます。
リトミックは、そのリズム感を、「自分で考えて、自分で動いて、自分で習得」します。
そのプロセスは、本当にリハビリに似ています。リハビリでは、常に主体はわたしで、生活、仕事、気質、体格や骨格などをていねいにヒヤリングしてくれて、自分で動かし方を習得するまで今期強く、いろんなエクササイズを試してくれます。
ときどき、明らかに動かしづらそうだと見受けると、すぐに違うメニューに変えてくれます。
その引き出しがいっぱいあって、どれも、全部、「わたしの様子を見て」先生が決めます。
うまく動かし方が理解できないときは、正しい動きを助ける、補助的な道具を使います。棒とかボールとか。
それって・・・、本当にリトミック指導と同じです。
毎回、リハビリを受けながら、「そうか〜、こうやって生徒の動きを見て、どんどんレッスンを変化させないといけないのか〜」と学んでいるわたしです。
リトミック指導は、受けている間はエンターテイメントみたいに感じるかもしれないけど、すべてが発達や理屈に叶った、子どもそれぞれに合わせたリハビリメニューのようなものです。
音楽とは全く関係のない道に進んだわたしの息子たちに、リトミックを習わせることにどんな意味があったのか、「これだ」という結果を見せるのは難しいです。
でも、幼少期は「人間の基礎」を作る、この考えがあったから、ゆるぎない今があるということは間違いないと信じています。
「ゆるぎない今」とは、自分で自分の道を選んで進む、ということです。
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