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ライオンズの「中心」を追い求めて
11月30日、滋賀県東近江市の市役所を訪れ、感激を覚えていた。
なぜ縁もゆかりもなく、閑散とした土曜の市役所を目の前にして感激しているのか?
それは滋賀県東近江市が埼玉西武ライオンズの中心だからである!
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いきなりどうかしている書き出しでスタートしてしまった。意味が分からないと思うので、順を追って説明したい。
あなたは「ライオンズの中心と言えば?」と聞かれたら、どの選手を思い浮かべるだろうか?
華麗な守備を見せるキャプテンの源田壮亮、
魂の投球でチームを引っ張る今井達也、
ミスターレオ・栗山巧あたりが候補に上がるだろうか。
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この問いは概念的なものだ。人によって答えは異なるだろうし、敢えて統一した答えを出す必要もない。
しかし客観的かつ画期的な方法で「ライオンズの中心」を導き出すことに成功した。
なぜそんなことをする必要があるのか?それはオフシーズンは暇だからだ!
賢明な方であれば既に気付いたと思うが、今回のnoteはとてもくだらない内容だ。野球に関して有益な情報は一切ない。真面目に野球のことを考えたい方は今すぐにこのページを閉じよう。
そろそろ真面目な人はいなくなっただろうか。話を続けていきたい。
何らかの方法で「ライオンズの中心」を決めようと思い立ったが、まずは在籍選手のデータが必要だ。元々は真面目な分析のために作っていた選手一覧のExcelファイルを開いた。
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「ライオンズの中心」をどうやって決めようか・・・しばらく思案していたが、天啓とも言うべき閃きを得た。右端に各選手の出身市町村を記録していたではないか。球団公式に掲載されている各選手の出身中学や、週刊ベースボールonlineなど各サイトから独自に収集していたものだ。我ながらファインプレーだ。
出身市町村の緯度・経度を調べて、全選手の値を平均すれば「ライオンズの中心」を特定できる!
全市町村の役所所在地の緯度・経度をまとめたデータはネット上ですぐに見付かった。
これを選手データとぶつければ各選手の出身市町村(の役所)の緯度・経度一覧を作れる。そしてその中心がすぐに滋賀県東近江市の農地だと特定できたのだった。
(2024年閉幕時点の在籍選手を対象としている。また中心地が太平洋上になってしまうことが容易に想像されるため、外国人選手は除いて計算している)
ライオンズの中心は滋賀県東近江市!
「中心ってそういう意味じゃなくない?」「役所と実家の場所って全然違うじゃん」「そもそも地球って立体だから計算が云々…」という声が聴こえてくる気もするが、聴かなかったことにしたい。
場所を特定できただけで十分だと思っていたが、何かが足りない。今年だけでも「推し獅子」のこじつけを探し、西口の数をカウントするために西武鉄道を駆けずり回って来た。今回も実際に「ライオンズの中心」を訪れ、ライオンズと関係あるものを見付けるしかない。そう思い立ち11月30日、東海道新幹線に飛び乗ったのだった。
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滋賀県と聞いてピンと来た人もいるかもしれない。滋賀県と西武グループは切っても切り離せない関係なのだ。創業者・堤康次郎は滋賀県の出身で、現在も近江鉄道やプリンスホテルなど西武グループが事業を展開している。そのためライオンズと関係あるものもすぐに見付かるだろうと思っていたが、想像以上の結果が待っていた。
まず米原で東海道新幹線から在来線に乗り換える。続いて近江八幡駅で近江鉄道に乗り換えるのだが、在来線のホームに降り立った瞬間に吹き出してしまった。近江鉄道のホーム上の待合室にライオンズのペイントが施されているではないか。
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それもそのはず。地元出身の山田陽翔が2023年にライオンズに入団したことを記念して、待合室が山田陽翔仕様になっているのであった。まだ東近江市に到着していないが、この時点で大満足である。
2両編成の小さな電車に乗り込み、終点の八日市駅を目指す。車内を見回すとポスターには見慣れた西武ホールディングスのロゴが。地元の西武鉄道とは全く異なるのんびりとした雰囲気なのに同じ西武グループ。不思議で面白い気分になると同時に、「西武鉄道と近江鉄道の両方に今日乗っているのは自分だけだろう」とほくそ笑む。
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20分ほどで東近江市に位置する八日市駅に到着。ここからライオンズに関連するものを探していくが、あまりにもあっさり見つかってしまった。駅前のロータリーにライオンズカラーの路線バスが停まっているではないか。見知らぬ街で旧知の友に会ったかのように嬉しくなり写真を撮りまくってしまった。しかし今回の旅はあくまでも役所基準である。ここから15分ほど歩いて東近江市役所を目指す。
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地方らしく道を行き交う車は多いものの、歩いているのは自分だけ。少し冷たい風に吹かれながら一本道を進んでいく。市役所まであと一歩のところで右手に大きな建物が見えてきた。商業施設のようだ。手前の横断歩道でその店名に気付き、またも吹き出してしまった。
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西友だ。現在の西武ホールディングス(旧・西武鉄道グループ)だったことはないが、西武百貨店から派生したスーパーで、何と言っても西武線沿線に大量に出店している。またライオンズのスポンサーも務めている。八日市駅前と同様に、嬉しさで写真を撮りまくる。
西友を過ぎるといよいよ東近江市役所だ。ライオンズに関係するものは既に十分見付かっているけど、せっかくなので市役所でも何か見付けたい。でもそんなものがあるのかー?遂に目的地に到達する満足感、そして不安を抱えつつ市役所の正面へと向かう。しかし市役所に到着した瞬間、あまりの偶然に膝から崩れ落ちて大笑いしてしまった。
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石獅子である。中国風ではあるが確かにライオンを模した石像が鎮座しているではないか。石碑によると1994年に八日市市(東近江市の前身)が中国湖南省常徳市と友好都市になった際に寄贈されたものらしい。中国で石獅子は「平和・繁栄・吉祥のシンボル」だそうだ。東近江市を訪れるにあたって事前にリサーチはしてきたが、さすがにこれは気付かなかった。あまりの感激にまたも写真を撮りまくるのだった。
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こうなるともう異論を挟む余地はないだろう。
滋賀県東近江市こそがライオンズの中心の場所。在籍選手の中ではその中心に最も近い栗東市で生まれ育ち、彦根市にある近江高校で甲子園通算11勝をマークした山田陽翔がライオンズの中心であると言える。
「どのチームでやっても日本列島の真ん中に位置している滋賀県になるだろ」
という声が聴こえてきた気もするが、華麗にスルーしていきたい。中心でライオンズに関連するものが見付かったことが大事なのだ。
来年のライオンズが石獅子のごとく「平和・繁栄・吉祥」なシーズンを送れることを願い、東近江市を後にした。
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またその足でライオンズユニ姿の表紙も話題になった小説「成瀬は天下を取りに行く」の舞台である膳所駅と、その近くにある堤康次郎の銅像を訪れた。滋賀は思った以上にライオンズだらけだった。銅像近くにある皇子山球場でまた主催試合をやってほしい。必ず行くから。
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なお翌日は神戸市での「栗山巧杯少年野球大会」で栗山さんの神々しい姿を目の当たりにして、やはりライオンズの中心は栗山さんではないかと心が揺れ動くのだった。
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