見出し画像

2024年ライオンズベストゲーム

2018年から毎年勝手に開催しているベストゲーム選手権の時間です!
11月5日から約9日間、Googleフォームでアンケートを募らせていただきました。今年は勝利した全49試合の中から5試合を選ぶ形式で、440人の方から回答をいただきました。
毎年のことながら何の権威もない投票にお付き合いいただきありがとうございます。

今回のnoteでは得票数上位5試合を紹介します。ダントツ最下位で悔しい想いばかりのシーズンでしたが、数年後に見返したらきっと味わい深いはずです。
(ここまでほぼ昨年のコピペ)


第5位

105票 得票率23.9%
9/16 1-0M @ベルーナ 武内7回までパーフェクトでプロ初完投・初完封。0行進の8回に西川ソロ

M 000 000 000
L  000 000 01x
 
M 田中晴-八木-国吉-×鈴木
L ○武内
 
8裏 L1-0M 西川愛也6号ソロ

8日のホークス戦で7回2失点と好投するも援護なく敗れていた武内夏暉。7勝6敗で残り登板は3試合と二桁勝利に向けて負けられない一戦となった。
武内はストレート、変化球ともに精度が高く、スイスイとアウトを積み重ねていく。一方で打線はこの日も低調。初回先頭の長谷川信哉が10球粘って出塁するシーンもあったが、マリーンズ・田中晴也を前に決定打を欠く展開が続く。
それでも武内は淡々とマリーンズ打線を打ち取っていく。4回は11球、5回は8球、6回は13球、7回は7球と、マリーンズ打線をあっという間に片づけていき、気付けば7回パーフェクト。

大記録の影がチラつき、ベルーナドームは異様な雰囲気に包まれるが、同時にライオンズファンの脳裏にはある投手の顔が思い浮かんでいた。
そう西口文也二軍監督(当時)である。西口さんと言えば何と言っても3度のノーヒット・完全試合未遂だ。特に3度目の2005年8月27日イーグルス戦では、9回までパーフェクトを達成しながら味方の援護に恵まれず、10回の先頭打者に安打を浴びて夢破れてしまった。

このままでは武内も「NISHIGUCHI」を達成してしまう。1点でいい。1点でいいから早く点が欲しい。
7回裏先頭の野村大樹が2ベースを放ち、炭谷銀仁朗が犠打を決める。2005年の「NISHIGUCHI」にも出場していた栗山巧が代打としてコールされ、球場のボルテージは高まるが内野ゴロに倒れてしまった。続く長谷川も空振り三振を喫し、またしても武内に援護点をプレゼントすることができなかった。

すると武内は8回表先頭のN.ソトに真ん中に入ってくるチェンジアップをレフト前に弾き返され、パーフェクト・ノーノーあるいは「NISHIGUCHI」の夢はここで潰えてしまった。それでも武内は崩れない。2死1・2塁とされるも、藤岡裕大を打ち取りピンチを切り抜ける。

その裏マリーンズは鈴木昭汰が登板。試合前までで防御率0.41と絶好調だけに、打ち崩すのは難しいかと思われた。しかし1死から西川愛也が甘く入った球を捉えると、美しいアーチがライトスタンドへ架かったのだった。
待望の援護を手にした武内はもちろん9回もマウンドに登る。ヒット2本を浴びてピンチを背負うも、佐藤都志也・角中勝也を打ち取り、116球完封勝利を成し遂げた。もちろん完投・完封も自身初めてで、新人王を更に引き寄せる1勝となった。
 
ヒーローはもちろん武内と西川。前々日には岡田雅利、前日には金子侑司の引退試合が開かれていただけに、世代交代を感じさせる1日だった。


第4位

109票 得票率24.8%
10/1 4-0F @ベルーナ 本拠地最終戦は今井が130球完封で快勝。佐藤龍2打点で援護

F 000 000 000
L 102 010 00x
 
F ×バーヘイゲン-柳川-堀-田中正
L ○今井
 
1裏 L1-0F 佐藤龍世犠飛
3裏 L2-0F 佐藤龍世犠飛
3裏 L3-0F バーヘイゲン暴投
5裏 L4-0F 外崎修汰タイムリー

ホーム最終戦の先発を託されたのは開幕投手・今井達也。ここまで9勝をマークしており、何とか10勝をプレゼントしたい。既にCS進出を決めているファイターズはD.バーヘイゲンが先発したが、ライオンズ打線が初回から攻勢をかける。1番・源田壮亮がヒットを放つと、クイックが苦手なバーヘイゲン相手にすかさず盗塁を決める。1死1・3塁として4番・佐藤龍世がきっちり打ち上げ、鮮やかに先制点をゲットした。

3回裏には源田からの3連打でチャンスを作り、佐藤龍の犠飛などで2点を追加。5回裏にも源田が3ベースでチャンスを作ると、外崎が前進守備の内野を抜けるタイムリーを放つ。これまで貧打に苦しんだのが嘘かのような鮮やかな攻撃であっという間に4点をリードした。

今年の今井の出来を考えれば4点は十分すぎるリードだ。あとは今井がどこまで投げられるかに注目が集まる。いつも通り四球を出しながら7回まで103球。並の投手ならここで継投かもしれないが、この後も平然と投げ続けるのが今井の強さだ。8回を9球で片付けると、登場曲「ROCKS」とリスケさんのコール、割れんばかりの今井コールを背に9回のマウンドに立った。最後は水野達稀をフォークで仕留め、130球完封勝利を飾った。
1年間援護がない中でもマウンドに立ち続けた今井。ホーム最終戦の満員のファンの中で、10勝に到達したことで、少しだけでも今井が報われてホッとしたファンも多かったのではないか。


第3位

115票 得票率26.1%
9/1 6-5F @ベルーナ 3点ビハインドから西川2ランなどで追い付く。9回に勝ち越されるも、元山逆転サヨナラ打

F 200 001 002
L 000 003 003x
 
F 北山-杉浦-宮西-×柳川-池田
L 武内-水上-甲斐野-平良-○アブレイユ
 
1表 L0-1F F.レイエスタイムリー内野安打
1表 L0-2F 上川畑大悟タイムリー
6表 L0-3F F.レイエス17号ソロ
6裏 L2-3F 西川愛也4号2ラン
6裏 L3-3F 元山飛優タイムリー
9表 L3-4F 水野達稀タイムリー3ベース
9表 L3-5F 清宮幸太郎タイムリー
9裏 L4-5F 代打・栗山巧押し出し四球
9裏 L6-5F 元山飛優サヨナラタイムリー2ベース

前日に栗山の逆転2ランで劇的勝利を収め勢いに乗りたいライオンズは武内夏暉が先発。この時点で7勝5敗としており、二桁勝利・新人王獲得のためにも白星が欲しいところだ。
しかし初回にボーク、パスボール、送球エラーとミスが相次ぎ2点を先制されてしまった。前日にあれだけ劇的な勝ち方でも結局こうなってしまうのか・・・とガックリしたライオンズファンも多かったのではないか。武内は2回以降は立ち直ったものの、6回表にはF.レイエスに被弾し3点ビハインドとなってしまう。
ファイターズ・北山亘基のキレあるストレートの前に5回まで2安打に封じられていたため、3点目は致命傷に思えた。しかし6回裏ライオンズ打線が突如牙をむく。1死1塁から西川愛也がライトスタンドへ豪快な2ラン。更にランナー2人を置いて元山飛優がライト前へ弾き返し、あっという間に同点に追い付いたのだった。

こうなると整備されてきたリリーフ陣の出番だ。7回を甲斐野央、8回を平良海馬が抑えるが、9回に抑えのA.アブレイユが捕まってしまう。先頭打者に四球を与えると、水野達稀に前進守備の頭を超される三塁打。更に清宮幸太郎にもタイムリーを許す。久しぶりのCS進出を目指すファイターズファンは大盛り上がりだ。

今度こそ勝負は決したかと思われたが、9回裏から登板した柳川大晟の制球が定まらない。西川の安打と2つの四球で2死満塁とすると、前夜のヒーロー・栗山が代打で登場しスタンドは異様な熱気に包まれる。そんな雰囲気でも栗山は冷静だった。2球で追い込まれるも、持ち前の選球眼とカット技術で粘り続け押し出し四球を奪い取る。
アウトになれば試合終了の場面にもかかわらず、投球数が嵩むにつれて栗山が柳川を追い詰めていくような雰囲気。プロ23年目の栗山と、3年目の柳川。貫禄という表現がピッタリの打席だった。
ここでファイターズは柳川から池田隆英に継投するが、勢いは完全にライオンズだった。この日3安打の元山が右中間を深々と破る逆転サヨナラタイムリー。2日連続の劇的勝利にベルーナドームの雰囲気は最高潮。そして試合後には郷ひろみスペシャルライブで大いに盛り上がる最高の一日となった。

 

第2位

267票 得票率60.7%
8/31 2-1F @ベルーナ 力投の今井が7回に先制されるも、8回代打栗山逆転2ランで劇的勝利

F000 000 100
L000 000 02x
 
F バーヘイゲン-生田目-×河野
L ○今井-Sアブレイユ
 
7表L0-1F 上川畑大悟スクイズ
8裏L2-1F 代打・栗山巧1号2ラン

前日30日にファイターズに敗れBクラスが確定したライオンズ。シーズン残り1か月をどう戦うのか。この日の試合前に栗山巧のコメントを元にしたこんな記事が出た。

「変わらずに戦っていくだけやと思いますよ。まだゲームはたくさん残っているし、ファンの方もいいプレーを見たいと思っている。その期待に応えるようにやるだけではないですかね」
「『今日はこれをやってくるんちゃうか』とか『こういうヒットを見たい』とか。守備でも走塁でも僕らのアグレッシブなプレーを見たいと思ってファンの人は来てくれているのでその期待に応えるだけというか。シンプルにそこだけやと思います」

栗山巧らしいプロ意識溢れる言葉。しかしこの夜、ライオンズファンはこの言葉以上に雄弁な姿を目撃することになる。
 
ライオンズの先発は今井達也。三振こそ少ないながらも内野ゴロの山を築き5回まで無失点に抑える。
一方のライオンズ打線もD.バーヘイゲンを打ち崩せない。2回には連打でチャンスを作ったが不調の外崎修汰・蛭間拓哉が倒れてしまう。結局5回までこの2安打のみと打線が封じられ、0-0の膠着状態が続く。
試合が動いたのは7回表。1死から絶好調のF.レイエスが22試合連続安打となるヒットを足掛かりに1・3塁とすると、上川畑大悟がスクイズを決めて先制点を奪い取る。ライオンズはこのスクイズでもアウトを取れず、更にピンチが続いたものの今井が後続を断った。
更に8回表にもファイターズはランナー2人を出すものの、ショート・源田壮亮が頭上を抜けようかというライナーをキャッチしライオンズがピンチを凌いだ。
 
8回裏にファイターズが好投のバーヘイゲンから生田目翼へスイッチすると潮目が変わる。不調の外崎がこの日チーム初めての長打となるレフト線への二塁打。続く蛭間が送り1死3塁で古賀悠斗。スクイズも考えられた場面だが、低めのツーシームに手を出しショートゴロでランナーは動けず。古賀に限らず、今季幾度も見受けられた場面だ。チャンスで相手を助けてしまう打撃に思わずため息が出そうになる。

しかしライオンズにはこの男がいる。奥村光一の打席で代打・栗山巧がコールされ、スタンドは大盛り上がりを見せた。
「栗山、いや栗山さんなら何とかしてくれる」「同点にしてくれ」という想いの一方で、栗山さんも数日後には41歳を迎える。考えたくもないことだが、結果が出ない日々が続いてしまったら・・・という想いも抱えながら打席を見つめていた。
しかし見る者の期待を超えていくのが栗山巧という男だった。
代わった河野竜生の初球を振り抜くと、ライトへ高々と舞い上がり、スタンド最前列へ舞い落ちる逆転2ランとなったのだった。
その瞬間のベルーナドームは正に狂喜乱舞と表現するしかない興奮状態。誰彼ともなくハイタッチをかわし、栗山巧に酔いしれたのだった。


 


第1位

271票 得票率61.6%
9/15 7-1M @ベルーナ 引退試合の金子が美技を披露。今井が気迫満点の好投、盟友源田2ランで花道

M 001 000 000
L  012 000 31x
 
M ×佐々木-吉田-坂本
L ○今井-上田
 
2裏 L1-0M 野村大樹タイムリー内野安打
3表 L1-1M 荻野貴司タイムリー
3裏 L2-1M 西川愛也タイムリー2ベース
3裏 L3-1M 佐藤龍世内野ゴロ間
7裏 L4-1M 代打・栗山巧タイムリー2ベース
7裏 L6-1M 源田壮亮3号2ラン
8裏 L7-1M 佐藤龍世6号ソロ

2013年からライオンズに貢献してきた金子侑司。今季限りでの引退が決まり、この日が引退試合となった。金子は1番レフトでスタメン出場。盟友・源田と1・2番コンビを組む。

試合は佐々木朗希相手に苦戦が予想されたが、2回に佐藤龍世の2ベースをキッカケに先制。直後に追い付かれるも、3回には西川愛也タイムリーなどで2点を勝ち越し、試合はライオンズペースに。こうなると金子の活躍により一層期待が掛かる。4回にはセンター、5回にはライトを守り、その度にスタンドからは温かい拍手が送られた。
最終打席と思われた第4打席では、背番号7限定応援歌「ウルトラセブン」が流れる中で、あわやセンター前というゴロを放つもピッチャーのグラブに収まってしまった。金子は2塁ランナーが挟まれる間に2塁に進むと、苦笑いを見せながら天を仰いだ。

物語はこれで終わりかと思われたが、本当のドラマはここからだった。金子を2塁に残して打席には源田。インコースのスライダーをすくい上げると、なんとライトポール際に飛び込む2ランとなったのだ。2人の仲の良さは誰もが知るところ。ホームランバッターではない源田の一発がこの場面で飛び出すとは。スタンドは温かい感動に包まれ、金子も笑顔と驚きと感動が入り混じった表情を見せ、ホームで源田と抱き合うのだった。

7回の攻撃は3番・西川愛也で終了したため、ランナーがあと4人出ない限りは金子に打席は回ってこない。ライオンズの攻撃力を考えれば金子の打席はもう回ってこないものと思われたが、打線が粘りを見せる。
8回先頭の佐藤龍世がソロホームランを放って6点差とすると、外崎修汰が四球、平沼翔太がヒット、古賀悠斗も四球で1死満塁。9番・元山飛優がゲッツーさえ打たなければ金子に打席が回る場面。ここで元山は吉田凌が投じる6球に一度も手を出さず見逃し三振に倒れる。レギュラーでない元山にとっては貴重な打席。色々な想いがあったのではと推測するが、元山自身は後日「あそこで打席が回ってくるのが侑司さんのスター性」と先輩を立てるのであった。

代わったサウスポー・坂本光士郎の前にこの日初めて右打席に立った金子。7球目を捉えた打球は、あわやレフト前ヒットという鋭いライナーとなり球場は一瞬大きく沸いたが、惜しくもショートのグラブに収まってしまった。悔しがりながらも笑顔を見せる金子。苦しいことも多い野球人生だったと思うけれど、最後の最後に心の底から野球を楽しむことが出来たのではないか。
引退セレモニーの最後、全力で応援歌を叫び・飛ぶレフトスタンドの前で立ち止まり、じっと応援歌に耳を傾けていた。現役選手として最後の時をじっくり味わう金子とライオンズファンたち。
「まだ選手としてやれるのではないか」。そう思ってしまう気持ちもあったけれど、ライオンズファンとしてこの瞬間に立ち会うことが出来たのは幸せだった。


というわけでベスト5すべてが8月31日以降のホームゲームでした。トップ2がいずれも得票率60%とズバ抜けた票数を獲得しました。
そして3試合が今井達也、2試合が武内夏暉の先発ゲーム。実は2021年もベスト5すべてが今井の先発ゲームでした。劇的な試合を見たい人は今井が先発の日に見に行くことをオススメします。

また個人的には6/28山形市でのイーグルス戦で大はしゃぎしたので、主催者権限で1位にしてやろうかと思ったのですが、53票と票数が伸びず・・・。あんなに楽しかったのに・・・!!

最後に得票数6~10位の試合も紹介しておきます。
 
第6位
101票 得票率23% ※前半戦最多得票
6/12 5-0C @ベルーナ 隅田がチーム35年ぶりのマダックスで連敗ストップ。5回に6安打を浴びせ森下を攻略
 
第7位
87票 得票率19.8%
5/1 3-1F @ベルーナ 若林ソロで先制し、好投の松本が7回に追い付かれるが、9回若林サヨナラ2ランで劇的勝利
 
第8位
79票 得票率18% ※ビジター最多得票
9/26 4-2H @みずほP 同点の7回に失策で勝ち越されるも、9回代打栗山逆転タイムリー。羽田がリリーフで初勝利
 
第9位
77票 得票率17.5%
8/22 2-1B @ベルーナ 5回ガルシアの初アーチで先制。7回に追い付かれ0行進が続くが、12回源田サヨナラタイムリー
 
第10位
76票 得票率17.3%
9/30 8-0F @ベルーナ 武内がチーム17年ぶりの新人二桁勝利&規定投球回、3回源田タイムリー、7回西川タイムリーなどで4得点
 
 
苦しいシーズンでしたが、今年もお付き合いいただきありがとうございました。
来年はベストゲームを選ぶのが大変なくらいたくさん勝ってくれますように!

いいなと思ったら応援しよう!