不動産屋になるということ

「不動産屋」っと言っても業種は様々。
売買仲介、賃貸仲介、マンションデベロッパー、建売業者、リートにファンド…etc

その中でも今回私が携わっている「売買仲介」にフォーカスして話していきたいと思う。


まず大前提として、7年近くこの仕事をしているけど、いまだに不動産屋という仕事が嫌いである。


この仕事は心を無くす。そんな仕事だと思う。
人のことは心から信用できなくなる常に相手の言動や行動について不信感を抱く様になる

長年不動産の仕事をしている人はわかると思うが、例えばそこまで気心の知れてない人から受けた「優しさ」や「親切」に対して

何やら見返りを求められるのではないか。
この恩は返さないといけないのか。

っと余計に勘繰ってしまうことはないだろうか。
変に相手の好意に対して逆張りをしてしまい素直に喜べない自分がいる。


私の場合いつしかそう思うことが多くなっていった。昔は体育会系ということもあり、先輩から食事をご馳走になることもかなり多く、喜んでその善意を受けていたが今はどうだろう。
その善意に素直に楽しめていない自分がいる。


そしてこの仕事はどこまでいっても仲介をしてもらわないとお金にならないので、お客様が売らなくてもイイような物件を「売った方がイイのでは」と思わせるように誘導する必要がある。


「売る見込みがある物件/売った方がイイ物件」を売らせるなんていうのは小学生でもできる仕事なので、売買仲介の腕の見せ所は「売る予定のない物件を売らせる仕事」なのだが、

それが必ずしもお客様にとって最良の選択肢とは限らないのである。


次に業者卸しについて。
我々仲介が最も望むのは業者卸し、専任返しである。

これはどういうことか。業者に卸すということ=相場より大幅に安く売ることと同義である。


安く売られることが必ずしも悪いことではない。安い分売主に大きくメリットになることも多々ある。
しかし、本来売れる金額を知らせずに業者に卸すことも多々ある。


そして専任返し。不動産を業者に卸すとその業者が販売をする時に、卸してくれた会社に販売を専任でお願いするというものだ。
専任返しをしてもらえると、不動産屋は倍の利益が出るので、卸したら必ず専任を貰えるように業者依頼するのが通常である。


つらつら書いたが、軽く書いただけでもこれだけネガティブなトークが出る。


お金を稼ぐには最高の仕事だとは思う。
生きる知恵も付く。不動産の知識はもちろん、税金、相続、建築まで学べるのである。


生涯使える知識と、お金を引き換えに何を失うか。
天秤にかけてみるとイイ。

不動産の仕事は5年くらいでフェードアウトするべきだね。個人的にはそう思うよ。

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