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娘の作ったおはなし

今朝の出勤前のこと。
学童をお休みして祖父母の家で過ごすことになった娘が唐突に言った。
「あのね、時間があれば絵本をつくれるよ。」
「今も、時間がないけどちょっとだけなら話を作れるよ。聞いて。」

☆ある日、おばあさんと、おじいさんがいました。
 二人でお買い物に行きました。
 横断歩道があって、おばあさんが渡りました。
 おじいさんが渡ろうとしたらトラックが来て、ひかれてしまいました。
 おばあさんは帰り道一人になってしまいました。

つい突っ込む。
「えっ、おじいさん車にひかれて救急車で連れてかれちゃったの?」
「ううん、死んじゃったの」
「死んじゃったのか、かわいそうだね。」
「じゃあ、ちょっと変えるね。」

☆おじいさんが横断歩道を渡っていたら車が来ました。
 おじいさんは倒れました。
 車のちょうどまん中だったので、ひかれませんでした。
 でも、転んだ時に骨折してしまったので、救急車で病院に行きました。

(おじいさんすごい!でもやっぱりいなくなるんだね(笑))

☆おばあさんは、「やれやれ、おじいさんは、しょうがないねぇ。」
 と一人で家に帰りました。
 帰ってきたらママが言いました。
 「おじいさんはどうしたの?」
 「おじいさんは骨が折れて救急車で病院にいったんじゃよ。」
 「あら大変。じゃあお風呂掃除やゴミ出しは私がやりますね。」
 「それは、ワシがやるから大丈夫じゃよ。」
 「じゃあ金魚鉢の掃除をやりましょう。」
 「それもワシがやるから大丈夫なんじゃよ。」
 「じゃあお見舞いに行きましょうか。」
 「コロナだから病院に行けないんじゃよ、そんな事もわからんのかね。」

(だいぶ元気で手厳しいおばあさんだな。)

☆おばあさんは、お庭の花の手入れをして、それからお菓子を食べました。

「ここまでね。時間がないから続きはまた今度。」

とのこと。
娘の頭の中って、意外とファンタジックではなく現実味があるんだなぁ、と
可笑しくなってしまった。
そして、今日一日一緒に過ごすおじいさんとおばあさんが投影されているようで、おじいさんが少し心配になった。
忘れてしまうのがもったいないので記載しておくことにしました。

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