パヴァーヌ編っていいよねの話①
こんにちは、今日はいい天気なので「時計じかけの花のパヴァーヌ編」っていいよねって話を書いています。
冒頭の画像は何の関係性もありません。
ダブル限定考えたやつマジで許さねぇからな。
本題に戻ってパヴァーヌなんですが最初は全くハマらなかったんですよね。
そもそも1章はスチルも少ないし、最初からイントロ用に作られていたのかもしれませんが。
デカグラマトン→2章と読み進めてもあんまり感想変わらず、全体ストーリーの中だとパッとしないなーという印象だったんですが最終章まで読んでから感想が変わって「超スルメなストーリーじゃん!」と思ったためPC版ブルアカの記憶も思い出しながらのログです。
書いてたら滅茶苦茶長くなったんで2本に分けて今回は主にストーリーにフォーカスしました。
パヴァーヌとか最終編とかのネタバレを含みます。
最も30代のオタクおじさんが慣れ親しんだ世界観のシナリオ
先に結論から話すんですが、パヴァーヌ編を好きな理由ってシナリオがすごく慣れ親しんだ感じなんですよね。
慣れ親しんでいるというのもほかのシナリオと比べてすごく菌糸類っぽさとか支倉千代丸っぽさを感じるという意味合いです。
日常の裏に主人公たちでも抗えない大きな力があって、ともすれば簡単にBADエンドに直行してしまう世界観
ヘタすればゲームによってはBADを踏まないとTrueにたどり着かないシナリオゲーム
世代なのもあるんですがそういうのに30代くらいのオタク諸氏は弱くないですか?
「エデン条約編」はそういう世界観を強く打ち出したシナリオ、反対にパヴァーヌはめちゃくちゃ隠しているシナリオだと思っています。
でもそれがわかるのってなんとなく最終編の後くらいだなーと思いこのノートを書くに至りました。
説明不足な上にミクロ視点で語られるストーリー
そこでストーリーの話に踏み込みますけど、初見でハマった人います?
前の話と矛盾するんですが、パヴァーヌって対策委員会とエデンの間だからかもしれませんが細かいシナリオの出来としては粗が目立つと思っているんですよね。
そもそも
「名もなき神々の王女」
「Divi:Sion System(及びG.BIBLE)」
「デカグラマトン」
とか新単語がめちゃくちゃ増える上に、リオ会長曰く、アリスは「名もなき神々の王女」であり、キヴォトスを破滅に導く存在らしいんですけど
リオ会長は肝心の「名もなき神々」とか「それを信奉する名もなき司祭」とか「神々の王女」とかが一体何であるかの説明はしてくれないですし、おそらくよく知らないんですよね。
こういうキヴォトスには「古の神」的な上位存在がいることを匂わせながら、その辺の説明というかどういうものなのかよくわからないまま終わるんですが、
背景にある概念的な大きな存在をぼかしてミクロ視点で進める、いわゆるコズミックホラーのような立て付けを作りたかったのかもしれないんですけど、どうしても初見の単語が多すぎたり、説明不足な印象に見えちゃうんですよね。
で、説明不足で一番大きな打撃を受けたキャラクターがリオ会長とヒマリかなーと思っています。
上位存在の知識のある全員が説明不足(特にヒマリ)なのに、リオ会長を完全悪として見る全体という形はあまりにもキツかった。幸せになってくれ会長…
ここまでこき下ろしてなんでパヴァーヌがいいんだよという話なんですが、
それはその粗を上手く最終編で纏めたなというところにあります
パヴァーヌ編はPC版ブルアカのアリスルートだ
話は戻って、ここまでキヴォトスにいる上位存在がほのめかされているんですが、ゲーム開発部の面々は「友達を取り戻すこと」の1点を行動原理として動きます。
そこで見えてくるのが、そもそもこの上位存在の話って、キヴォトス全体や神の視点で見たシナリオ全体のような大局で見たときはもちろんとんでもない話なんですけど「ゲーム部にとっては、そもそもアリスを取り戻すことだけが目的」なんでどうでもいいんだということなんですよね。
(特にモモイは顕著で、アリスが世界を滅ぼしかねない存在かどうかの葛藤は一番薄い)
で、大前提としてこのゲーム(プレイヤーがログインした世界線)ってループした結果の世界線であることが最終編で示唆されているじゃないですか。
そこでわかることは、おそらく連邦生徒会長は、ループすることでバッドエンドを変えようとしていて
だからこそバッドエンドルートを総て回避している正規ルートが全ての奇跡がある場所(遍く奇跡の始発点)と独白しているわけですが
ここでつまり主人公となる先生のいる世界線がシナリオ進行上の「正規ルートである」ことも示唆されます。
=超ミクロな視点で進んでいたパヴァーヌ編が全てのバッドエンドフラグを回避している世界線であることがわかります。
つまりアリスとゲーム部が出会いゲームを楽しみ、モモイたちがただ純粋に友達を救うために奮闘した結果、世界が救われて次のストーリー=最終編につながっていたことがここではっきりしてくるわけです。
めちゃくちゃいいじゃんこの筋書き。
これに気付いてすでにめちゃめちゃいいじゃん!!!ってなっていたんですが、次にそもそも全体としていったいどこにパヴァーヌ編のバッドエンドフラグがあったかを考えてみます。
先生がゲーム開発部と出会わない
これはすべてのシナリオ(対策委員会、エデン、カルヴァノグ、おそらく百花繚乱も)で言えるのですが先生が介入しなかった時点でBAD直行になるものと思われる。
(PC版ブルアカでも最初の選択肢で「連邦生徒会長の要請に応じない」を選択すると即エンディングのBADルートAに直行したのと同じですね。)
パヴァーヌでもゲーム開発部は先生の権限無しには廃墟に立ち入ることができないので、アリスと出逢えずBADルート。アリスとゲーム開発部が出会わない
1にも書きましたが、ゲーム開発部と出会わなければAL-1Sは順当に起動し世界は滅亡。
さらにいうとモモイによりクソゲーを無理やりプレイさせられるという拷問のような人格形成によってAL-1Sからアリスとなったわけで、モモイの趣味がクソゲー愛好でなければそれもBADフラグ。ユズがゲームを発表しない
ユズの作ったゲームがなければモモイもミドリも入部せず、
結果アリスと出会うこともアリスの人格形成も不可能となる。ミレニアムが財政難にならない
これはそもそも論、リオの横領やバニーチェイサーシナリオでのコユキの債券発行によるミレニアム財政危機がなければ部活の削減というユウカの判断も無くなり、ゲーム開発部は廃墟に行く必要もなくなります。開発部メンバーがG.BIBLEを知らない
モモイがG.BIBLEの噂を知らなければ当然ながら廃墟に向かう必要もなくなり、AL-1Sは順当に起動。
多い…多くない...?
多分考えたらもっとあるんですが、ユズとモモミドが出会わなかったら即終了、ユズがモモミドが来た時点でドアを開けなかったら即終了、ユズのゲームの出来が良かったら、リオが横領しなかったら、コユキの債券発行が隠れ蓑になっていなかったら…と先生が関与する以前のバッドエンドのフラグ滅茶苦茶多いんですよね。
パヴァーヌは全体として生徒の独立性(独立心?)が高く感じるんですがそれも理解できるぐらい自分たちでそもそも世界を救っている側面が大きいんだなと。
思えば僕こういうシナリオ大好きなんですよね。
キャラクターの関係性もいい
また、キャラクターたちの関係性にも話を移したいんですがもうすでに滅茶苦茶長いので詳細はいずれ②に書こうと思います。
端的にですけどキャラクターに関してはゲーム開発部はすごく良いキャラだなーと思っています。
結構王道なつくりなんですけど、アリスが「勇者」になりたい存在だとしたら、実はゲーム開発部の「勇者」ってモモイなんですよね。
ミドリ、ユズ、アリスやユウカの全員がモモイに救われているんですが肝心のモモイはそんなことは一切気にしてないのもいい。
反面ユズはストーリーを転換させる存在として、アリスはキーパーソンとして重要な役割を果たします。
じゃあミドリは?というとモモイ、ミドリはセットで最終編で語られる大きな「命題」”理解できない他人を通じて、己の理解を得ることが出来るのか”という問いそのものに通じてくるキャラクターなのだと思っています。
このあたりの部分はまた②にでも
今回は長くなりすぎたので、また次回
長文になると上手くまとめられないので文章がド下手糞ですね。