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『The Drugpapa』リリース&「electro大暴走」開催記念 | DRUGPAPA28000字インタビュー

12月1日、インターネット音楽集団DRUGPAPAがその活動の集大成となるアルバム『The Drugpapa』をリリースし、同時に12月16日に幡ヶ谷FORESTLIMITにて行われる主催ライブ「electro大暴走」の告知もされた。
そんな中、私の周りの人のほとんどが「DRUGPAPAって"何"?」と聞いてくる。ここまでその名前だけが浮遊し、実情が知られていない音楽グループは他にあるだろうか。そこで、そんなDRUGPAPAに対し3時間以上にも及ぶオンライン・インタビューを敢行。以下は、謎に包まれてきたDRUGPAPAの"全て"である。


自己紹介

nerakat(以下太字) じゃあまず、皆さん自己紹介からお願いします。

audiostoker(以下a) 私、金聖こと、audiostokerです。他にもいろんな活動をしております。一応芸人としてもやらせていただいております。昨日「ボヘミアン・ラプソディ」というコンビを組んだんですよね。よろしくお願いします。

マッチャポテトサラダ(以下m) めちゃくちゃ嘘やん。

a 嘘です。

m マッチャポテトサラダです。これだけでいきましょう。

シロメ(以下s) シロメです。よろしくお願いします。

DRUGPAPAの歴史

結成の経緯を教えてください。

a もう忘れちゃったんですよね。だって2021年だから僕が高校3年生の時ですよね。

s まずはストネバの話からでしょ?そこが結構ぐちゃぐちゃしてるんですよ。

a そうそう!まずstrange neighboursから話さなきゃいけないんだ。

s なげー、俺もう寝るわ。

a 最初僕が『PRISM』というアルバム作ったんですよ。それをTwitterで放ってから偶然原君(註:原祥太)っていう少年が目を留めてくれて「一緒にバンドやろう」って言ってくれて、strange neighboursってバンドをやることになったんですよね。それをTOM-ATOM頑張るざるそばと僕と原祥太の4人でやりました。

m もう1人いるでしょ、O(註:仮名)さんが。

a そうだ!Oさんいました!5人ですよね(註:調査の結果ShoNも加入していることが判明したため正しくは6人)。

m なんならOさんがメインみたいな感じなんでしょ。

a それでメンバーの1人が衝撃発言をして解散してしまったんですね。

s え!?なになに!?

a 彼がOさんに対して挑発的な発言をしてしまって解散してしまったんですよね。

m Oさんは音楽作らない人なんですけど、結構King Gnuとかmillenium paradeとかに影響受けててそっちに音楽性を修正させようとしたりとかして、音楽性の違いが生まれてしまったんですよね。その人はもう活動していないんですけど。

a それでストネバが解散して鬱憤が溜まってた僕と原祥太が「バンドやろう」ってことでDRUGPAPAを結成したんですよね。

s あっ、そうだったんだ!

m 知らんかった。

a DRUGPAPAの名前の由来、これ皆さん知っていますか?

a以外全員 聞きたい!

a 最初「電気グルーヴみたいなノリでいこう」って盛り上がってたのね。それで電気グルーヴが最初に出したアルバムと言ったら『FLASH PAPA』ということになるんですよね。なのでそこからDRUGPAPAって命名しました。

m ”DRUG”はどこから来たんですか?

a 適当になんとかPAPAって言い合ってて、僕が「DRUGPAPA」と言ったら原君が「それでいこう」っていう感じですね。

s そうだったんだ、俺初めて聞いたわ。

a それで、まず『Hinerunsun』ってアルバムを最初に出しました。それは「IDMをやろう」って感じで2人で作りました。その時できたMVが『yamagi goe』というので、それも初めて2人で作ったMVでした。そこから「MV大量に作ろう」というノリができて、たくさん作ってましたね。

m 最初は「Experimental Breakcore Band」みたいな感じで名乗ってましたよね。

a その時はストネバで消化不良だったものをうまくやりたいって感じでしたね。そこからライブをやることになって、その時セッションしまくったんですよね、僕と原祥太とShoNさんと、なんとかなんとかさんっていう謎のインド人のギタリストで、北千住にあるスタジオで。あれはもうやばかったですねー。

m それは知らなかったな。

a その時僕初めてスタジオ入って、音うるさすぎて気持ち悪くなっちゃったんですよね。

s その時はもう赤いマスク着けてました?

a あれ初めて着けたのは初ライブの時なんすよ。そこからセッションを経て、ロック色の強い『ⒹRⓊGⓂAⓂA!』ってアルバムを出しましたね。で、あのアルバムの影響下に1番あったのはParannoulなんすよ。

えーそうなんだ!

a あの時あれをパクろうって感じで頑張ってたんすよ。

s しきりに「原noul」って言ってましたもんねあの当時。自分で言っといて人に言われたら「やめてくださいよ」って訳わかんなかった。で、あの時金聖君の『Breakout the Internet Dream's Library』の発表が並行していて、その時僕が変なアカウントにDMしたら中身が金聖君だったんですよね。

その話もっと詳しく聞きたいです。

s Twitterにスペースがまだあるかないかくらいの時期にTyphoon Records Japanってアカウントがあって、それに「国籍、性別問わず音源なんでも送ってください」っていうツイートがあって、それを見た時に僕は初めて金聖君の存在を知ったんですけど「なんかすげー音源作ってんな」と思って、試しに弾き語りの『Perfect Days』を「こんなんでいいですか」って感じで音源送ったら、1週間後にはもうアレンジされててMVもできてて、意味わかんないままライブにブッキングもされてて、僕は『Breakout the Internet Dream's Library』のライブだと思って出演したらDRUGPAPAのライブだったんすよね。ちょっとよく分かんなかったです。

m あの吉祥寺NEPOでのライブは誰が言い出したんですか?

s あれはNEPOじゃなくて大宮ヒソミネですね。あのライブマジで誰が言い出したんですか?どうせ原君でしょ?

a いやー原君なんじゃないすかね。全ての元凶ですね。

m いやなんでそんな変な言い方すんの?

s ヒソミネ好きですもんね原君。

m そう俺の初ライブもヒソミネやったし。

s ヒソミネをこよなく愛してたんですよ原君が。

皆さん自身もDRUGPAPAの最初期の頃とかあまり存じ上げてない感じで、皆さん勝手に聞いていって俺がいなくても結構インタビュー成立しちゃってるんでめっちゃ面白いですね。

s 何も僕教えてもらってないんですよ体系づけて。何も教えてもらってないままその場その場の音源に付き合っていたら今に至ってるので。

a シロメさんが加入したってのも、PRとかは僕達下手なのでやって頂きたいってのがありましたね。

s あと原君からは「メインボーカルが必要」っていう風に言われました。1stライブやった感触でフロントマン的な役割が必要ってことになって、なので私が誘われたのは1stライブが終わって2週間くらいした時で「DRUGPAPAでやりませんか?」ってLINEが来ましたね。その時もう『覚醒期』のレコーディングが結構進んでたので「このバンド異常ペースでやべぇな」って思いました。でも「僕がやる曲もうないじゃないですか」って言ったら、原君が『Fractal figure dragonfly eyes』の原型みたいなトラックを送ってくれたので急いでレコーディングして何とか間に合わせて、それで私が初めてDRUGPAPAとしてアルバムに参加しました。『覚醒期』からメンバーとしてシロメ参加です。なので3人になったのはそこからです。

シロメさんが加入してからDRUGPAPAはどういう動きになったんですか?

s 2021年秋口くらいから次のアルバムの制作が本格的になって、その時は金聖君と原君が受験生だったので「10月くらいまでに早めにアルバム作って受験に専念しよう」みたいな感じだったんですけど、『架空旅行23時』を先に作ったんですよね。

m 確か『覚醒期』を出す前にできてたんですよね。「なんで『覚醒期』に入れなかったんですか?」みたいな会話した記憶があるので。

s 2021年の10月か11月くらいに過去作のも含めてMV用の素材を大量に撮りに行って、その時『架空旅行23時』のMVを先に作って公開して反応を見たらそこそこ評判良くて。なんかその時金聖君と原君の勢いが凄くて、2人各々毎日2曲ずつ作るみたいな異常ペースだったんですよ。

a そうなんすよねぇGarageBandで。

s なんか僕もう怖かったです。

m 追い込まれると作りたくなっちゃうみたいなのはみんなそうなんすよ。

a やっちゃいけない時にやりたくなっちゃうんすよね。

s それで僕は怖いペースに巻き込まれながら『KIMOCHIEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』のレコーディングを10月から12月にかけてやりました。それでアルバムが2022年1月にリリースされて、そのアルバムの曲用のMV素材撮りを1月8日にしましたね。で、その時期からTwitterのスペースでマッチャさんとはめちゃめちゃ話してましたね。

m 音楽好きが集まるDiscordサーバーみたいなところで金聖が変な言動を一瞬して抜けたんですけど、それで「なんやこの人」と思って、その後Twitterで「スペースでDRUGPAPAメンバーが集まる」という趣旨の告知がされてて、それを聞きに行ったのが俺がDRUGPAPAと出会ったきっかけですね。その時の金聖は今よりもっと話が通じなかったですね。

s 何も分かんなかったですね。

m 「喋るveporwave」みたいな感じでしたね。ずっとvaporwaveのタイトルみたいな意味不明な日本語を話してました。文脈をポンポン切り抜いていってそれを独自のセンスで繋いでいくみたいな、ポストモダンみたいな会話方法をしてた。

s 基本的にはずっと叫んでましたね。

m そうそう、あと「きもちえええええええ」ってずっと言ってました。

a おもちゃのやつも。

s 「あのねーなのー!」ってアニメ声が出るピンクの怪しいおもちゃをずっと鳴らしながら「きもちえええええええ」って原君と2人でずっと連呼してて、私はただただ笑ってましたね。

m その時は原さんも結構不審な感じでしたね。

「きもちえええええええ」はキラー仮面のやつですよね。

a そうそう、キラー仮面にハマってましたねあの時は。

m『キラー仮面の歌』出してましたよね。

s 出してた。1stライブでやりましたよ。

DRUGPAPA関連の曲で『キラー仮面の歌』だけが以上に伸びてますもんね。1万再生くらい。

a なんでだろうねぇ。

今確認したけどaudiostokerのチャンネルで1番再生数あるのが『キラー仮面の歌』で、2番目の『CHANCE』が2000くらいですね。

m 昔の2位はECCのCMのbreakcoreバージョンのやつでしたけどね。

s なんかDRUGPAPAなってからMVの伸びがあんま良くなかったんですよね。『LLLL』だけが唯一4桁いったくらいの感じでした。

マッチャさんがDRUGPAPAと出会ってから加入するまではどのような経緯がありましたか?

m それまでは普通に友達すね。『Hinerunsun』って実はBandcampバージョンとSoundCloudバージョンで分けて出してるんですけど「そのリリースの仕方おもろいすね」とかずっと褒めてたり、あと『MRRN』って曲あるんすけどその曲のカバーを俺が出したり、Typhoon Records Japanにノイズとアンビエントが交互に収録されてるコンピがあって(註:『Noiseless/Noisy Dream Match Compilation Vol.1 』)そこに参加させてもらったりって感じでした。その時とにかくスペースを毎日やってて、そこに参加してたりしました。

コンピに参加したりとかでDRUGPAPA周りの方々と関わってきたって感じですか?

m というか軸はスペースでしたね。そこで「コンピ参加してください」みたいな感じで。

色々参加されて、そこから正式に加入するきっかけっていうのはなんだったんですか?

a 長かったっすよねーあれは。

s 結構長かったっすよね、なんでか知らないけど。『KIMOCHIEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』には1曲参加してるんですよね。

『KIMOCHIEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』を出してからDRUGPAPAはどんな感じでした?

s これちょっと金聖君のプライバシーに関わるところもあるんですけど......

a いやーもう曝け出していこう!

s 金聖君が受験的なストレスがあって、1月に『KIMOCHIEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』を出した後に3月にライブを入れたんですけど、その直後くらいに金聖君が受験にアレしちゃって、「僕はショックで曲はもう作れない」っていう時期に入ってしまって、僕と原君は金聖君がそんな風になるとは思ってなくて、「どうせ色々やり出すだろうから」と2人で準備してたんすよね。そしたら金聖君が思った以上に浮上して来なくなって、許せないのアカウントの方でアートをやり出すんすよね。

a そこで急にTwitterで絵を投稿するという奇行に走りましたね。

s 音楽じゃない方でキャラを出そうと打ち出してて、美大生を片っ端からフォローしてましたね。

m それまで本当に信じられないスパンで大量の作品を出し続けてて、それでパタッと金聖が途切れちゃって。それで「金聖ができないからDRUGPAPA無理やね、一旦休憩しよう」みたいな感じで、そこでシロメさんのソロアルバムを原さんと作るみたいな感じの流れになっていったんですよ(註:『Shirome』)。それまでの間にTyphoon Records Japanで原さんがふざけたノイズの曲をやってたりして、その流れの中でシロメのソロアルバムが出たのが、夏でしたっけ?

s いや、あれは秋ですね。『アニメーション・トリッピング』(註:マッチャポテトサラダのソロアルバム。大名盤)の1ヶ月ちょい前くらいだったんで。金聖君とやるつもりで何曲か準備してたんですけど、金聖君とあまり連絡が取れないまま流れちゃったんすよ。で、金聖君がなんか炎上したんですよね?名前を『Fantastic Explosion』にしたっていうので。

m 金聖がやる気出せなくて「DRUGPAPAと別でやろう」となって、原祥太・金聖・マッチャポテトサラダでアルバムを出すことになり、『TRANSPANIC RECORDS』みたいな90年代の艶っぽいテクノを『House Power』ってタイトルでやろうとしたんですけど、僕が受験だったり『アニメーション・トリッピング』の制作だったりで忙しくなって参加できなくて、『House Power』ってタイトルもいつの間にか『Fantastic Explosion』っていう元ネタに変わってて、そんな有名じゃないしAphex Twinの偽物もいたからそういう偽物のノリでいこうとしてましたけど、バリバリ本人がTwitterやってて、普通に炎上したっていう。

s タイトルもそうですけど告知文もやばかったんですよ。『Fantastic Explosion'22』みたいなタイトルで「ついに令和に復活!Fantastic Explosionの令和の音を聴いてみよう!」みたいなめちゃくちゃ悪質な告知文で。

m そんなんじゃなかったですけどね、まあ本物が出したみたいな文章で。金聖ってFantastic Explosion大好きなんですよ。でも「あまり知られてないだろう」みたいな感じで偽物をやっちゃったら本人に結構怒られて、それでまた音楽活動から遠ざかったっていうのがあって、それからシロメさんのソロアルバムが出るという流れでした。

s その炎上の火消し役を原君がやったんですよ。それで金聖君との活動をちょっと控えるような雰囲気が出たので、完全オリジナルで歌モノの普通のポップ・ミュージックを1回やってみるかって感じで、原君と『Shirome』のプロジェクトを立ち上げたのが2022年5月くらいでした。そこで『Neuron』とかの曲を作ったっていう。

『Shirome』はシロメさんと原君の2人で制作したということですか?

s 基本的には2人で作業しましたけど、収録曲の『Neuron』とか『トライステロ』とか評判良くて、それで「他のメンバーも参加して良いよ」ということで1曲ずつトラックを貰って結局今のDRUGPAPAメンバーみたいな布陣になったので、事実上あのアルバムはDRUGPAPAのアルバムみたいな感じになっちゃってます。

当初2人でスタートしたけど、最終的には4人でのアルバムになったという感じですか?

m そんなことないですよ。楽曲提供が1曲ずつあっただけで、基本的に原さんが制作したので。なのでさっき「ほぼDRUGPAPAのアルバム」って言ってましたけど僕はそうは思わないですね。

s 参加してるメンツだけ見るとDRUGPAPAの別プロジェクトみたいな感じには見えますね。

m 金聖が病んでる間が原祥太のDTMパワーや音楽性が高まってた時期で、そこで「DRUGPAPAでなんか良いの出せるんじゃないか」となってたんですけど、あまり上手く形にならずに2022年が終わりつつある中で『Shirome』や完成まで3年かかった『アニメーション・トリッピング』が出て、その前後くらいに「DRUGPAPA入りませんか?」とお誘いを受けて、多分ちょっと迷走していたんですよね。あと俺が参加したこととはほぼ関係なく『LLLL』が金聖が調子を持ち直してきたタイミングの12月に完成して、そこからDRUGPAPAがハイパーポップやクラブカルチャーの人達に注目されて、ライブ出演が増え始めました。

s FLAGNIGHTに急に呼ばれたりとかね。

m そのFLAGNIGHT前後くらいから原祥太はライブに出演しなくなったんですよ。そこら辺はDRUGPAPAホームページのライブ一覧を見たら分かるんですけど、『LLLL』を出す直前辺りから原祥太がライブに出演しなくなったという事実がありますね。

『LLLL』がDRUGPAPAの2022年の集大成みたいな印象はあります。そして2023年になるわけですけど、そこからの動きはどういった感じでしょうか?

s 2022年の終わりにFLAGNIGHTに出させてもらったおかげでクラブ界隈の人達からのブッキングが金聖君とかにも自然に入ってくるようになって、その方向に照準を合わせた楽曲を原君と僕で制作し続けてて、『幡ヶ谷RAVE』みたいな四つ打ちで『LLLL』を意識したライブで使える楽曲を増やしたいというので、『泳ぐ前』とかもその頃から取り掛かってました。2023年1,2月辺りには『SAKURAヒナタ』『幡ヶ谷RAVE』『泳ぐ前』のレコーディングはほぼ終わってる状況でした。

m 『泳ぐ前』のBPMが上がる四つ打ちパートは俺が担当してて、その他サイドシェインなどもいじらせてもらいましたけど、打ち込みとかが1月くらいに終わってたってことですね。

s その時期に仮の状態ではできあがってて、夏リリースに向けてそこからかなりマッチャさんに良い感じに膨らましてもらいましたね。

m 俺が大学受験に落ちて卒業旅行に行ってる時に『SAKURAヒナタ/幡ヶ谷RAVE』の告知文を考えたので、それは3月のリリースです。

s MVを撮ったのは2月でしたね。その時からAVYSSさんとの付き合いが始まりました。

m 付き合いというか、プレイリストに入れてもらったりね。

s AVYSSさんに見つけて頂いて、そういうのを聴く人達に面白がられていく状態が始まりました。

m リリース後4月1日に大学受験の補欠合格がなくなって落ちたのが確定して、そのマインドの中でDREG PEPEっていうのを始めるんですよ。

a 始まったーーーーー。

s その話するんだ。

m 最初の頃のDRUGPAPAみたいなノリを目指しました。集まった曲をまとめてくっつけるみたいな。それで『ストーナー』ってアルバムと、名前忘れたんですけどもう1枚出しました。

a『タオルケットはバキバキな』

m そうそうそう、カネコアヤノのパクリね。

s おっぱい出してるやつね。

m 「収録できなかった曲がありました!」ってaudiostokerがボロボロ変な曲を出してきて、俺も変な曲を出していったのを集めて作ったっていう。

a それがスカムの始まりですね。

m ちょっと俺の話になるんですけど、2022年6月に別名義でcool deep feelingsっていうのをやってて、それのアルバムで色んな人のネットに落ちてる個人的な感情の塊を集めて収録するっていうストーカー的なのがあるんですけど、色んな人のネットに落ちてる気持ちを集めるっていうのが結構癖としてあるなーと思ってました。音楽として昇華されてるけどごちゃごちゃになってるみたいな、サニーデイ・サービスの『The City』とかもそういう感じなんですけど。"バラつきの中でコンパイルされた個人的なモノ"みたいなのがDREG PEPEでできたのが『言葉本来が持つ不可逆性について』というアルバムです。それが結構良い感じで、今回のアルバムにも繋がってます。

s 僕は当時『SAKURAヒナタ/幡ヶ谷RAVE』の作業を原君と結構真面目にやってた中で、金聖君とマッチャさんがものすごいふざけた怖い曲を連発してたので、なんかもう怖かったです。DRUGPAPAの方向性をどうしたいのかと、怖くて怖くて仕方なかった時期でした。

a スカムへの叙景と言いますかね。

m よく分かんないものや全然良くないものが高尚になる瞬間っていうのが凄い好きで、そういうものをやりたいってなりましたね。

『SAKURAヒナタ/幡ヶ谷RAVE』がリリースされた後に別プロジェクトのDREG PEPEがあって、それが何月くらいでしたっけ?

m 4月ですね。ちなみにそれの映画版も作ったんですよね。『言葉本来が持つ不可逆性について』の1時間半くらいの映画を。

a とにかくその時はDRUGPAPAとは別のことをやろうとしていました。

m その時にライブ活動がすごい増えてたんですよね。

s 凄かった。異常に呼ばれてて。

阿佐ヶ谷DRIFTに初出演したのもちょっと前の3月でしたもんね。その辺から自分も今の体制に近いDRUGPAPAのライブ出演のイメージがついてきました。

m その辺からDRUGPAPAの新しいアルバムを出そうという感じになりました。当初はインターネットをコンセプトにした2枚組のアルバムを出したかったですね。『Welcome to Internet/Happy End Internet』みたいなタイトルで、2枚目の方は全編breakcoreみたいな変な構想がいっぱいありました。それをみんなで作るために5月くらいに俺が東京に行きました。

俺はその時にDRUGPAPAのメンツと初対面しました。無力無善寺でのライブで。

m あのライブヤバかったですよね。

その時にもmatsukiさんが客として来てたりとか、色んな人と初めて会いましたね。

m その滞在の時に何曲か作ってるんですよ、『Gatsby Sandwich』の原型とか。その時に素材を貰って、あの後あんな感じになっちゃったのは11月ですけど。あとあの時、スカムバンドのあれやってたじゃないですか。あの漢字2文字の......

尿瓶!俺Tシャツ持ってるよ。

m それもやってましたし、DREG PEPEから派生して女性おばさんってのもやってました。

a めっちゃやってるじゃん!

m 金聖がここら辺から盛り返して来たんですよ。1年くらい空けて変な曲を連発するようになったんですよ。

a おっそい!

m その女性おばさんに入ってるのが"上沼恵美子のおしゃべりクッキング"なんですよ。

a あれがもう全てを変えてくれたね。

m そのアルバムの告知文が本当に酷かったんですよ。で、俺も関わってるから「それだけはやめてください」と消させて、ちゃんとした文章に戻しました。

s 僕と原君が真面目にライブ受けしそうな歌モノを作ってた時にスカムっぽい曲をめちゃくちゃ作られてたから、めっちゃ邪魔してきてると思ってましたね。金聖君とマッチャさんが何考えてるのか全く分からなくて「内側から俺らを潰しに来てる」「なんで俺らのこの活動の全く同じ時期にこんなことをするんだろう」と思って怖かった記憶があります。でも今回のアルバムで全てが1つになった感触はありますけどね。

m その時ライブが増えていく中で、俺が東京から帰ってきたくらいの時期からもう全員「解散したい」みたいになってたんですよ。LINEの会話もそういう感じになってて。誰が言い出したのか分からないですけど金聖も原さんも「解散したい」っていうムードが漂ってたんですよ。

s 僕は6月のライブが終わった辺りから希死観念がありましたね。

m みんながダウナーになってました。多分、クラブカルチャーと合ってなかったって感じなんですかね。

a 僕は好きですけどね。まあ価値観の違い的な。

m その中で『泳ぐ前』をそれでもやりましょうとなりましたね。

a 無理してでもね。

m 『泳ぐ前』自体は俺が東京行く前にもうできてた気がしたんですけど、どうでしたっけ?

s マッチャさんのラップパートができたのは6,7月くらいでしたよ。

m その直前くらいにOMOIDE LEBELからリリースのオファーが来てたので「解散する前にやっとくか」と作業しました。

あっそれが終わったら解散しようとしてたの!?

s あと、ちょうどそのくらいの時期にライブのブッキングを異常なほど頂いてたり、d/e/s/k/t/o/p MASSACREで入場規制がかかっちゃうくらい異常なほどDRUGPAPAが盛り上がったりしたんですよ。そこから毎ライブいちいち凄い盛り上がって、それもあって「やめたくないな」という感情がありつつ、呼ばれて出るライブに不満も出てきつつありました。出演時間15分とか20分とかの間にやることが全部予定調和になっちゃって不満が溜まってきた頃に、2021年から大宮ヒソミネ系列でお世話になってた吉祥寺NEPOの福田さんというブッキング担当の方から「8月に主催ライブをやりませんか」とお誘い頂き、その時期に『泳ぐ前』がほぼほぼ完成していたからリリースパーティとして開催して、自分達が話しやすくて好きな演者さんを集めて開催してみたらどんな感じになるかなと思い、そのライブ次第で解散するかどうか決めるというので開催したパーティが8月の「フルスイングな八月/正々堂々、二回死亡」でした。あれを全力でやってみて、全然黒字にならなかったら辞めようという感じで開催しました。

a 相当過酷でしたよあの時は。

s 死ぬかと思いました。ブッキングも初めてでよく分からなくて、連絡係が僕なので基本的に僕が仲良い人に連絡しつつ、告知文やリリース日などを管理しなければならなくて、いつサブスクで配信されるかによってOMOIDE LEBELでのリリース日を調整しなきゃいけなかったり、ギャラなどの交渉事も含めてずっと僕1人でやっちゃっててしんどかったです。でも、音源関係は全部マッチャさんや金聖君にお任せしてたので、その分僕は裏方としての連絡やスケジュールの管理をやっていて、結果的にその分業が結構良かったですね。楽しかったし。それで『泳ぐ前』の評判も良かったし、変なこともありつつその後も途切れずライブのブッキングがあったので解散するタイミングを失って、8月の時点で「年末に燃え尽きられるライブをやりたい」と僕が思って、幡ヶ谷FORESTLIMITをとりあえず僕がおさえました。

a 8月にもうやってたんですか!早いっすねぇ。

s とりあえず箱をおさえて、そこから呼びたい人を上から順に連絡していくみたいな感じでやりまくって、今の出演者になったという。

『泳ぐ前』のリリースと吉祥寺NEPOでの主催ライブを終えて、そこから原祥太がDRUGPAPAから脱退するということがありました。

m 解散したいという感情は全員にずっとあって、次があまり思い浮かばないという感じもありました。あと『泳ぐ前』というタイトルについて一件あったり色々あったりとかする中で原さんの心中で思うところがあって、その他音楽性の違いだとか、クラブ・カルチャーとのズレがあったりして、自分で「ライブ参加してないやつがいるのもな」と言ってたりとか色々あって脱退したいという形になりました。で、創設メンバーということもあって金聖がだいぶショックを受けてしまい、その時にもう「解散しましょう」となったんですよ。でもどうにかシロメさんが説得して、「もう1枚アルバムを出そう」「12月の主催ライブが終わってから決めましょう」となりました。それでメンバーで火がついて10月から作業に取り掛かりました。さっき言った通り「受験とかで忙しいと制作しちゃう」というので追い詰められて作ったっていう感じですね。あと、インターネットをコンセプトにするというのがTwitterのスペースに変わったりしました。

s 原君とは音楽性や活動の方針や頻度に相違が出てきて、DRUGPAPAの活動からは結果的に離れてしまいましたけど、お互いのライブにも遊びに行くし、しょっちゅう通話もしてますし、今も円満です!

影響を受けた音楽

そして現在に至るという感じですね。だいたい歴史を追うことはできて、次はよくある質問ですが、どのような音楽に影響を受けたかを教えて頂けますか?

m (笑)

s 影響?

ちゃんとそういうの聞いていきたいんだよ!

a 1番最初子供の時に記憶であったのは親の影響で車の中で聴いたKIRINJIとかなんですけど、でも僕の中で1番残ってるのは中村一義なんですよね。中村一義の『運命』が幼稚園生の時に耳に残ってました。まあそれは全然文脈とは関係ないんですけどね。

s 関係ないんかい。

a まあまた車の話に戻るんですけど、当時確か小学生の時に親が急にサカナクション『『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』』をかけて、それが好きでしたね。他にも電気グルーヴとかが好きで、まあライブで1番影響を受けてるのはキラー仮面ですね。あと、中学時代からそういう音楽を聴きながら自分でもずっと制作していたっていうのは大きいですね。それから高校生くらいの時にGarageBandに出会えたのは大きかったですね。今もそれでしか作ってないんですけど、これがなかったら DRUGPAPAもaudiostokerもなかったです。で、まあそれ以降の音楽遍歴は話すとつまらなくなるので、暇な人はプレイリスト聴いてください。

m 私は幼稚園の頃に、叔母の影響で車の中でPerfumeRIP SLYMEを聴いてましたね。両親も音楽が好きで、父親がジャズとかStevie Wonderとかが好きでした。で、小学5年生の時とかにはっぴいえんどのリイシューがあったんですよ。それで細野晴臣の声が芸人の小藪に似てるなぁという理由で耳に残ってました。

s 確かに似てる!

n&a (似てるか......?)

m まあそれは置いといて、そこからYMOからの電気グルーヴを聴いてました。電気グルーヴの曲をサンプリングしたエレクトロニカのアルバムがあるんですよ。それに対して「こんな適当なサンプリングでアルバム作って良いんだ」と思いました。その前にも親とGarageBandで曲作ってましたけど、中学1年生の時から1人で作るようになりました。その前後にCorneliusとかサニーデイ・サービスポストパンクの曲とかエロゲの主題歌とか聴いてましたね。あと金聖が教えてくれて七尾旅人にもハマりました。他にはZAZEN BOYSとか、まあそこら辺は普通の若者です。

s 自分は姉が10個くらい上なんですけど、尾崎豊とかMr.Childrenとかスピッツとかその辺のバンドだったり、あとCarpentersとかThe BeatlesではなくソロのJohn Lennonとか教えてもらいましたね。

m ソロの方とか珍しっ。

s あと井上陽水とかを聴いてて、こういう感じで姉ちゃんが聴いてたのを教えてもらってばかりで自分でディグるのはしたことが無かったです。そして中学生になった時にバンドやってる子達がいて、ギターで弾ける曲をコピーしてみたくなって、簡単なコードを覚えていったりしてたら作曲できるようになりました。だからGarageBandとかは触ってないんですけど、ギターを使って作詞作曲するのは当時からしていました。人に聴かせるとかはなしで趣味でやってました。

a ギター触ってるだけで作曲できるようになるんですか?

s 曲のコード進行のパターンとかを予測できるようになるので、自分の中にあるメロディーをコード進行に擦り合わせるという感じでした。でもマッチャさんや金聖君みたいに作品として世に出すことはしてなくて、ただひたすら詞を書いたりしてました。

シロメさんがDRUGPAPAに加入するまでにはどのような活動をしていましたか?

s バンドを転々としてました。自分がボーカルとして作詞作曲をやるので楽器できる人を探してセッションやライブをしていましたが、みんなあまり楽器上手くなくて面白くないので、空中分解しっぱなしだったんですよね。あまり長続きせず作品もちゃんとは無くて、そういうしてるうちにDRUGPAPAに自作のデモ音源を送ったって感じですね。

どのような曲を当時されてました?

s 1回僕が本当にSkrillexThe Chemical Brothersにハマってた時期があって、その時期に「ボーカルなんていらない」と本気で思ってました、「なくても別に成立するじゃないか」と。それで「自分はもうDJ勉強した方が良いんじゃないか」と悩んでたんですけど、たまたまその時に『Perfect Days』が思い浮かびました。バンドとダンスのグルーヴを両方兼ね備えられる曲を自分なりに作れるかもしれないと思ったのがこの曲です。それを金聖君に試しに送ってみたら、テクノっぽい感じに面白くアレンジしてくれて「これだったらやっていけそうだな」と思ったのがDRUGPAPAに加入したきっかけです。需要と供給が一致して「ボーカルがあってもダンサブルなグルーヴってできるんだな」と思いましたね。

あの......急なタイミングでお聞きしますけど......、シロメさんっておいくつですか?

s いや、29(笑)

多分そこが皆1番知りたがってるところだと思ったので聞きました。

s でもマッチャさんも僕のアカウント見つけてから本名やら何やら知ってますからね。

m いやもう忘れましたよ。てか、シロメさんに個人的に質問なんですけど、その前やってたバンドの音楽とかってもう聴けないんですか?

s 全然何もないですよ、形にしてなくて。一応録ったやつはあるんですけど気に入らないから僕がネットに公開せずオフラインのままにしてます。メンバーにもムカついてて全員ブロックしてます。基本的には気に入ってないやつはネットには公開していないです。だから、僕の音楽はネットには『Perfect Days』からしか公開されてないです。

"バンド"か"クルー"か

というか"バンド"か"クルー"かどっちなんだろう?

s それ逆にネラ君はどう思います?

"バンド"と聞くと全員楽器持ってるイメージがありますね。原君はギター持ってたけど、それで言うとT.M.Pも似たような形態だし......自分の印象的には"バンド"ってよりは"クルー"ですね。てかDRUGPAPAのプロフィールにも"Crew"って書いてあるし。

m あれ"Band or Crew"って書いてあるんですよ。

あ、だからどっちか迷ってるって感じなんですね。

s 行ったり来たりしてますね。

m "音楽集団"って日本語では書いてますね。

そう考えると結構難しいですね。

a これは奥ゆかしいわ。

s だから一言で言うと"アイドル"ですね。

a まあ簡単に言ってしまえば。

サブプロジェクト

先程DRUGPAPAの歴史を追っていきましたが、その中に結構別プロジェクトがあったじゃないですか。それを1度全部並べたいなと思います。

s 俺は何もやってないんでみんな並べてください。

m え、全部?

a 大量にあるからね。

今までいろんなプロジェクトがあったので、全部リストアップしてみたいなと思いました。

s 無理でしょ。

a まずTyphoon Records Japanから!原君の別名義が多いですね。polygon デバイス砂利地蔵......

メンバー横断して結構色々やってましたよね。

m 腰痛ケアっていうのはやりましたね。スペースの音を直録りしてそれをノイズで加工するっていう。2枚くらい出しました。

Black Blank Pointed Boyは?

m それは原さんが個人でやったやつですよ。

a あと尿瓶ですね。尿瓶ってなんで始めたんすかね?

s 尿瓶は我々がやってたクラブカルチャー的な活動に対して、原君が「初心に帰って衝動でやるクソみたいなのを1回やってみないか」というのを金聖君と夜中に話し合ってたら盛り上がってきたから、「クソみたいな言葉をいっぱい書いてそれをリリックにして、セッションで録ったやつをそのまま出しちゃえ」みたいな、単なるストレス発散ですね。続けていこうとは思ってないけど、思った以上にやばい作品ができましたね。思いつきでやった割には余韻が凄いです。

a またなんかやろうとしたがってますよね。

s そうですね、私がやろうとしたがってますね。

ヤバめのライブには尿瓶のTシャツで行くって決めてて、evil spaには2回とも尿瓶Tで行ってます。

s 尿瓶やるとみんなが色々加工やリミックスしてくれるんで、1回でたくさん録るとお得ですよ。

mulchprizeは誰ですか?

s まだあれやってます?vaporwaveユニットですよね。

a いや、あれは僕だけですよ。

金聖闘士星矢って何をやってたんでしたっけ?

a あれはfuture funkですね。

s そうなんだ。だから最近やらないんだ。

m メンバーが重なってるのを言っていくと、さっきも話した"Fantastic Explosion"を改名したtyphoon explosionは金聖と原祥太でやってて、朝の群れたちっていうのを俺と原祥太で今年の6月くらいに出して、haggisっていうのも金聖と原祥太とplargさんとShoNさんでやってますね。あとまだ活動してないんですけど、DRUGPAPAから原祥太が抜けた直後くらいに始めた原祥太とaudiostokerとマッチャポテトサラダの3人組のユニットがありますね。高速道路をコンセプトにしたアルバムを作る予定です。他にはDREG PEPEから女性おばさん

DREG PEPEと女性おばさんのメンバーは?

m DREG PEPEはDRUGPAPA周辺の人達から音源をもらったやつで、女性おばさんはそれをaudiostoker主体でやったけど誰も集まらなくて、俺が2曲出しました。あとレスザンパンチさんも参加してますね。

a あと卵焼きサムライくんってのもやってますね。

m それはメンバーは誰ですか?

a ギターを......まあ嘘です。

m え?嘘なんかい。

a あーすみません!

m まあ、そんくらいですね。あとaeshipih_organismっていう原さんと俺と金聖だけで出し続けてるクソのレーベルがあります。

DRUGPAPAってレーベル変えました?Typhoon Records JapanからotoChfto recordsに。

m otoChfto recordsは俺がやってるレーベルですね。

最近こっちのレーベルの方で音源出し続けてますけど、金聖がTyphoon Records Japanのログインパスワード忘れたって聞きました。

a あーよくご存知で。でもパスワードはね、取り戻せる方法があるんですよ。それY!mobileの店に行くことなんですよ。

m だる。もうTyphoon Records Japanは良いんじゃないんですか?もし収益関係とかあったらあれですけど。

a それは多分親の銀行口座なんで大丈夫ですね。

金聖君の色んな名義もまとめたいんだけど、金聖が一応旧名でaudiostokerが新名と。

a いきます!まずaudiostokerがうるさいパンク路線のソロ名義で、solarkiteが失敗したSoundCloudラッパーみたいなので、金聖がテクノですね。金聖闘士星矢がfuture funk、mulchprizeがvaporwave、super architectureがサンプリングしてラップするやつ、newtyperはミツオサムさんとやってるやつで「みんなでnewtypeになろう」ってやつ、DJちいかわはNHKで流れてそうな音楽でDJする時の名義で、DJ福山雅治がそれ以外のDJ。

m DJ NHKは世界の核心は?

a 懐かしい!それは、24時間テレビに例えてNHKの番組をDJ形式で音MADみたいに24分に編集したものです。確か24時間配信の時のトリに流しました。いつかライブもやってみたいですね。絶対に無理でしょう。

m それ権利関係がYouTubeだと厳しいからニコニコ動画だけであげてるんですよね?

a そうです!ニコニコだけで観れるんですよ。それも是非チェックしていただきたい。あとはあなるキーがありましたね。これはANARCHYってラッパーに感動して真似をしました。

m あとは金聖の別名義で"原祥太"があります。

は?

m『meruru』って曲を出してるんですけど。

あれ原祥太じゃねえのかよ!露悪すぎだろ。

a 他にfuck brotherっていうのがあるんですけど、これはThe Dickiesの『Banana Splits』って曲名が分からなくて、そのリズムを頼りに「この曲知ってますか?」というのをテレビ局に送る用で作った曲をEPにしたやつなんですけど、マッチャさんがその空耳の曲を見つけてくれたんですよね。

m その曲を『The Drugpapa』内の『Art』でサンプリングしてますね。

a じゃあ1番大事なやついきますね。naked soldier&催眠解男×原ゆたか、これはサンプリングをする集団なんですよ、ソロなんですけど。これ大事です。

m これかっこいいですよね。

a ええと、まだまだありますからねはい。和光大学でレコーディングしたworld'sbacksweetsetmelodyってやつがアコギですね。「70年代に発掘された」をコンセプトにした弾き語り野郎です。あとノイズ名義もありました。CPMってやつです。そういえば、カナシバリズムもありましたね。

多すぎ!

a カナシバリズムは性欲の権化みたいなパンクバンドです。あとサッカーブレイドもあるんですけど、これが結構『The Drugpapa』を制作する1つの契機にもなったと言っても過言ではないですね。あとは、Arc Ache AchillesAnaphylaxie extension卵焼きサムライくんとか。

m 卵焼きサムライくんの『夏風邪ロマン』めっちゃ良かったです。

a これはもうね、極めちゃったんですよね。

m これなんかめっちゃいいですよね、どうしたんですか急に。

a めっちゃいいでしょこれ!いやーもう、大学の雰囲気にやられちゃってますよね。

m いや別に、良いもんできてるから良いじゃないですか、何なんですかその言い方。

a あーいっすねぇ。そうっすねぇ。え、どうします?

a以外全員 (^_^;

a あと、ozobezeboonなんですけどこれは僕とさんっていうクリエイターとの音楽ユニットです。不定期にアルバム出したりしてるので、無理かもしれないですけどライブ呼んでほしいですね、ってところですね。

マッチャさんの別プロジェクトも教えてください。

m えー、主要なやつでいいですか?noise workっていうノイズのやつやってます。中学2年生の時に始めたやつですね。cool deep feelingsっていうvaporwaveとR&Bをくっつけるっていう名目で最終的にインターネットストーキングアルバムになってしまったやつもやってます。vaporwaveをやる時はトレンド世紀って名前で、「喋るsignalwave」をテーマにやってます。エレクトロニカぽいやつはDaily Noise Workshopって名前でやってて、落ち込んだ感じのやつはYou must believe in springでやってます。あと、原祥太と朝の群れたちってバンドをやってて、ジャズと電子音楽を融合させたやつはStructure Mayfieldでやってます。こんくらいですかね最近のは。

俺は気分は宇宙人結構好きですね。

m マジすか、気分は宇宙人はmatsukiさんとやってるやつですね。

matsukiさんと色々活動されてるんですか?

m いや、それくらいじゃないですかね。『アニメーション・トリッピング』とかくらいで。他にいしがみゆうやって嘘の名前でやってます。体調崩してるのにPerfumeの『Love the world』を歌う謎の曲を出して、最近は落ち込みすぎて暗い歌詞を歌ってます、ショッピングモールのガーデンテラスという名義で。あと、rarerhythmsっていうヒップホップユニットとヤオヤビルっていうポストパンクバンドやってます。こんくらいです。

一応聞きますけどシロメさんってなんか別プロジェクトありますか?

s ないです!

a かなしぇええええええ!

s まだ言えないソロプロジェクトは水面下で進行中ですが言えません!(笑)

普段のライブについて

DRUGPAPAの第一の印象を聞かれるとしたら、多くの方がその特殊なライブだと答えると思うのですが、ライブをやる上で心がけてることは何かありますか?

a 流れていく感じですね。円滑に聴かせるっていうを1番大事にしていて、Cornelius『SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW』っていうライブがあるんですけど、初めて観た時に衝撃を受けました。DRUGPAPAではあれを目指してます。曲の繋ぎがバンドなのにDJっぽいなーと思うんですよね。それを過激にするとDRUGPAPAになるっていう。あと小道具ですよね。単純に無いよりは良いよなっていう感じですね。旅行の時に酔い止め持っていくみたいな。余計なもんって感じですね。

酔い止めって必需品ではないけどあったら助かるって感じですからね。

a 余計って言うのに付随して、僕結構ライブで叫んでるじゃないですか。あれもいらないものなんですよね。BBBBBBBとか好きで、あの感じで叫んでみようかなって感じです。ちょっと失礼なんですけど、シロメさんが普通に歌ってると気分高まって叫んじゃうんですよね。それ失敗してたかなーと思ってたんですけど、Tokkyさんがスペースでmigeruさん主催のangel::devilに僕達が出演した時の感想を「終始叫んでて何言ってるか分からなかったけどめっちゃ面白かった」と言ってくれてたんですよね。歌も叫んでるように聴こえて訳わかんない感じになっちゃってたんでしょうね。あとあれですね、最近リハーサルをしない。

s それはでも、単純に我々の士気が下がってるだけです。

a いやーもし士気があったとしてもやらないんじゃないかなーっていう。

s いや、やりますよさすがに(笑)。さすがに12月のライブはやります、出演時間60分なんで。ここ最近のライブはほぼほぼセットリストが一緒なので打ち合わせで全部済んでたってのもあるんですけど。金聖君のシャウトの話に関して言うと、d/e/s/k/t/o/p MASSACREに出演した時に「あの子何なの?」みたいな感じで悪い意味で詰められたことがあって「ラップもしないし歌に合わせて叫んでるし、どうしようもないじゃん」と言われたんですけど、僕も「そんなことないですよ」「彼なりに頑張って盛り上げてくれてるから僕としても助かってる面があります」と言いましたけど、金聖君もずっとやっていく中で叫ぶ上手いタイミングとかを学んできてて、ちょっとずつ歌ってくれるようになってきたりして良い感じに息が合い始めてるので、自分としてはやりながらどんどん良くなってるなと思っています。最初の頃はお客さんからも「金聖君やべえんじゃねえの?」とは言われてました(笑)。でもジワジワ金聖君も上手になってきました。盛り上がらないと2人とも面白くないというのは共通しているので。お互いにライブ毎に反省し合いながら、曲が体に染みこんできた感じですね。本番が練習になっていました。あとは金聖君の何も打ち合わせのない謎の行動とかに対してどのように直感的に反応するかっていうのは、金聖君っていう行動パターンをインストールしていなければ本番中混乱して何も対応できないので、めちゃくちゃなことをやるんだっていう体で、何が起こるのか分からないのをこちらも楽しむ・活かすというふうに頭を切り替えていきました。金聖君の行動に対して僕も混乱してオドオドしてるとお客さんも楽しめないじゃないですか。2人で楽しんでやってるようになるようにここ最近は頑張ってます。「分かんねえよ!」と投げ出すのも良いですけど、やっぱり金聖君のやってることが面白いようにやってあげたいんでね。彼のやりたいことをなるべく潰さないようにしています。お客さんもお金を払って観に来てくれてるし主催者さんもお金を払って呼んでくださってるので、最低限訳わかんない演奏にはならないようにしないとなとは心がけてます。その上で金聖君が飛び道具で遊ぶというのは支えてあまり邪魔しないようにしつつ、一緒に遊ぶみたいな感じですね。

m こういうの聴くと、金聖って結構電気グルーヴの影響受けてるように思えますね。

s よくライブ後にTwitterで見る感想で「全員ピエール瀧だった」とかそういうのを見ますね。多分僕と金聖君が攻め攻めなんで、前衛と前衛で後衛がいない感じですね。マッチャさんと3人だったら僕が後衛に回ると思いますけど。

m 張り合ってる感がありますよね。"よく分からない人"と"1つ筋を貫こうとしている人"が拮抗しているというか。シロメさんがメインボーカルというより、2人が対等に張り合ってるのが良いなと思います。

s メインとかっていうより、一応歌うところは歌いつつ、金聖君が色々やってるのを一緒になって楽しむみたいなのは、お客さんも絶対にはっきりと共有できた方が良いじゃないですか、どういう風に面白いかというのは。そういうのは見落とさないように伝えられるようにしています。奇跡みたいに楽しい瞬間があって、一瞬でも見逃すと、本当にもったいないので。我々のライブの醍醐味だと思っています。

楽曲制作について

ライブのことをお聞きしたので、次は楽曲制作の方もお聞きしたいと思います。

m 聞いたところによると、できた曲を送りあってそれをまとめてコンパイルするというのが『覚醒期』『KIMOCHIEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』とかまでのやり方らしいんですけど、多分『泳ぐ前』からちゃんと共作という形で制作しだしたんだと思いますね。原さんが叩き台みたいなトラックを作って、俺が調節して展開を作って、audiostokerが自分の色を出していってみたいな感じですね。シロメを中心に俺もaudiostokerも声を入れていったりとか全員で参加したのは『泳ぐ前』が初だと思います。『Fractal figure dragonfly eyes』でもそれっぽいのはありましたけど、それをちゃんとやったのは『泳ぐ前』ですかね。でも思い返してみると、全員でトラック作るみたいなのはあまりなかったですね。

s 僕と原君での作業の頃だと、歌モノのアレンジを原君が「全部自分で最後までやりたい」というのがあって、『Neuron』『トライステロ』『架空旅行23時』とかは全部ミックスも含めて原君がやりました。僕がやったのはある程度完成したトラックに歌入れだけして送り返すだけで、後は原君がLogicで仕上げるという感じで『SAKURAヒナタ/幡ヶ谷RAVE』もやりました。『Fractal figure dragonfly eyes』だと僕と原君である程度作ったものを金聖君がもう1アレンジ加えるというのがありました。

m 『The Drugpapa』では、1人で全て完結させるような曲作りはしないようにしましたね。

a いや〜ありがたい。本当にね。

m 俺が使ってるDAWが結構多くて、GarageBandも使ってるしLogicAbleton Liveも使ってるし、いちいちステムを分解してそれを繋ぎ直して、それをまた別のソフトで分解して......という作業を今回は繰り返しましたね。原さんがLogicで作ったステムをLogic持ってるのにわざわざAbleton Liveで組み直して、それをaudiostokerに渡してGarageBandのOSになったりしてどう考えても音は悪くなるやり方で(笑)。

『The Drugpapa』

ここら辺で新アルバムについて聞いていきます。丸2年振りのフルアルバムというわけですけど、アートワークにも「From Spaces on Twitter」という文言があったり1曲目もスペースの音楽から始まったりと、DRUGPAPAの歴史を象徴するような第一印象を抱きました。今までEPやシングルでリリースされた曲が収録されていたりだとかで、集大成へと向かっているという印象も抱きました。

m ずっと皆んなで「とりあえず集大成を出そう」という話はよくしていて、それをやはり意識しましたね。

s 1回まとめたかったのはありますね。ここ何年かの活動や音楽をギュッとさせて、皆さんに分かりやすく届けたいというのはあります。「ベスト盤みたいな感じでも良かったじゃん」とは思ってましたけど、マッチャさんがちゃんとコンセプトも考えてくれて、それでこういう濃いアルバムになりましたね。

このアルバムがリリースされて数日経ちますが、TL上の感想を見ているとやはり2曲目の『Gatsby Sandwich』に関してのツイートが多かったですね。「その様子がこちら」に言及するツイートがめちゃくちゃ多かったです。あのアイディアはどこから出てきましたか?

m あれは一応audiostokerと僕で作りました。まずアンビエントみたいなトラックを6月にaudiostokerからもらってて、それをどうにか使おうと思ってました。「その様子がこちら」の部分に関しては、俺がリミックスした尿瓶のアルバムにも既にあるんですよ。それが個人的にハマってて使いました。アンビエントのトラックも結構好きで、普通のアンビエントかと思いきやヤバい叫び声が遠くからやってきて最終的に耳元まで近づくっていうアルバムにしたくて、それで解散しようと思ってたんですけど、そのアイディアをもうちょっと聞きやすい感じにまとめました。あと最近audiostokerがドラムに凝ってて、彼からもらったドラムのトラックをもらってアンビエントにドラムのサイドチェインを薄くかけて、俺が最近出したジャズとエレクトロの融合したアルバムっぽくサックスを入れたりして『Gatsby Sandwich』を作りました。

自分は結構7曲目の『The End Of The World』が好きです。先程インタビューの収録始まる前に聞いちゃったんですけど「これアルバムから外しちゃっていいんじゃねえの?」みたいに話してたって本当ですか?

s あの曲はまだ原君が脱退する前に僕が作詞作曲しました。『Shirome』収録曲の『さよならがくれたもの』をマッチャさんが打ち込み感が無くて凄い褒めてくれて「ああいう曲をもっと作ったら良いんじゃないですか」と言ってくれてたので、「敢えてDRUGPAPAに寄せてない等身大の楽曲を作ってみて、アレンジとかしてくれるなら渡してみようかな」という感じで渡したんですけど、僕の作り癖がDTM向きではないっていうので皆んな中々できなくて、難航してたんですけど最後の最後でaudiostoker君がいきなりアレンジを一気にやってくれて、「これでいんじゃね」という感じになりマッチャさんがミックスしてくれて、あの状態になりました。

m このアルバムで解散する予定だったんですよ。「最後のアルバムだからこの曲絶対入れた方が良いです」とシロメさんが言ってたので、George Clantonがやってたようなダウンテンポにしたら面白いかなというアイディアはあったんですけど、普通に受験勉強とかで忙しくて、そのアイディアとプロジェクトファイルをaudiostokerに託したらあんな感じになりました。僕もドラム弄らせてもらいましたけど。

s あの曲Mr.Childrenっぽいって言われたりするんですけど、あれKANの影響でやってるんですよ。世界観はKANで、等身大の80s後半〜90s前半のJ-POPを今アレンジしたらどうなるかなと思い作りました。あの曲がアルバムに入ったら余計混沌としたアルバムになって面白いかなとも思いました。

皆さんアルバムの中でお気に入りの曲があれば1曲ずつお聞きしていきたいです。

a 1番思い入れがあって開始1秒で衝撃を受けるのは『ば』ですかねぇ。元々僕がビートや叫び声とかの効果音を入れた原曲があって、それを今年の夏頃にマッチャさんに渡してアレンジしてもらったんですけど、あれを1分に収めるのはもう大変ですよねぇ。僕があの曲を完成させなくて良かったなという気持ちでいっぱいです。もう"全部"です。

m どういうこと?

じゃあ次マッチャ君!

m『Everybody needs a reason to dance』ですね。もうこのアルバムこの1曲だけで良かったなと思えるくらいです。

a あの謎の声のサンプリング含めてね。

この曲元々シロメさんの『Bad pop』にも収録されてる曲ですよね。

m いや、その前にも『泳ぐ前 ep』にも入ってるんですよ。

s 『泳ぐ前 ep』バージョンは金聖君がだいぶ変えてるやつですね。『Bad pop』バージョンがその原型という。

m まず俺のノイズっぽい打ち込みにシロメさんの声を入れてできたのが『Bad pop』バージョンで時系列的には先なんですよ、出したのは後でしたけど。そのトラックに「何か足りない」とaudiostokerが色々足したのが先に出て、元になったのが後に出たんですよ。今回収録されてるのはaudiostokerが弄ったやつと元のやつの折衷案って感じです。

s "上沼恵美子のおしゃべりクッキング"を足したりとか。

m この曲だけで3曲分の要素が入ってますね。

では最後にシロメさんお願いします。

s なんかもう思い入れしかないんですけど、でも本当に1曲だけどうしてもって言うならやっぱり『東京』ですかね。『LLLL』の次の曲ということでアルバムの中でも『LLLL』を聴く人が多いだろうから、その次に来る曲って大事だと思ってました。これ物凄いただのバンドサウンドじゃないですか。今まで原君時代にも「みんなでボーカル入れよう」という曲作りをしようとしていたんですけどちゃんとはできなくて、今回やっと初めて各々が歌いたいように歌えて、なんか知らないけど最後の方感動的な雰囲気がありましたね。皆んな言いたいことは分からないんですけど、ただこの曲が1番皆んなでやれた感が強いです。『Ayan A'yearn (The worst show in the world)』とかも良いですけど、敢えて選ぶならこれですね。俺「皆んなで作るのがやりたい」ってずっと言ってたんですよ。各々が各々でやりっ放しで、DRUGPAPAが結構ハードル高くてやりたがらなくなってたのが、僕としては辛かったです。DRUGPAPAの前線に立たなきゃいけないのに作品が増えないから、ライブでネタに困るというか。今回こんなに何十曲も新曲が増えたのも嬉しいし、何より皆んなできっちり相談し合って制作できたのも嬉しいし、あとマッチャさんが本当に新メンバーとして仕事を異常なほど頑張ってくれたのが、もう感謝を通り越して謝りたいくらいですね。僕が過剰な程PRしたのでちゃんと伝わってるのか分からないですけど、我々のことを知らない人にも聴いて欲しい仕上がりだと思いました。僕達のことを知らずにこのアルバムを聴く人もいると思うんですよ。そういう人が触れてみた時に恥ずかしくないクオリティなのは、3人で作業したのもあるしマッチャさんのおかげでもあるし僕達が死ぬ思いしてライブで鍛え上げてきた経験だとか色んなものが組み合わさって、ここ2年間くらいの全部がここに詰まってるからそういう意味でも『東京』とか全員で作った曲は感慨深いものがあります。

m あの、このアルバムのコンセプトについても話しておきたいんですけど、2つあって、audiostokerがやってることを俺なりに解釈するっていうのが1つです。audiostokerって本当に頭おかしいんですけど、自分でなんか色々見つけてくるんですよ。他の人にとってはゴミみたいなものとかを凄い大切にしているんですよね。皆んな記憶って大事にしているじゃないですか、小さい頃の記憶とか。でもそれって他の人にとってはどうでもいいもので、そう考えるとaudiostokerがやってることって凄い自然な事だと思えるんですよね。ゴミの山を見た時の感動というか、このアルバムを通して聴いたところで何も得れるものないんですよマジで、てか本質的にはこのアルバム何も良くないんですよ。でもその空っぽさすらも愛おしいと思います。それとは別で、悲しいっていう気持ちを本当に持ってる人って「悲しい」とは言わないと思うんですよ。狂ってたり悲しがってたり死にたかったりする人が言ってる言葉って、傍から見たらめちゃくちゃ面白いんじゃないかと思って、1周まわった面白さというか呆れてしまうような笑いというか、そういうのをやりたいという気持ちはありましたね。

a 確かに、身内でよくわからない面白さを共有しているみたいな感覚はありますね。でも他人からすれば拳銃を無言で渡してくるようなもんですけどね。
あと8月にアルバム制作合宿やったんですけど、その合宿の雰囲気もアルバムに影響されてますね。plargさん家で曲作ったり、江ノ島で暴れたり。マッチャ君とは無茶苦茶な合宿したりして色々大変だったけど、あのアクティブな感じは音楽制作やってきてなかなか得られなかったです。とても新鮮な気分で制作できてよかった。原君も脱退したけどまだ全然いろんな活動するみたいだし、一緒に色々やっていきたいですね。ソロもだし。

主催ライブ「electro大暴走」

12月16日、「シロメさんの家は近い」でもおなじみ(註:『幡ヶ谷RAVE』)の幡ヶ谷FORESTLIMITにて主催ライブ「electro大暴走」が開催される訳ですけど、『The Drugpapa』という集大成的なアルバムのリリースパーティーでもあり、このライブにしても集大成という印象を受けます。やはりDRUGPAPAの出演時間が60分というのから本気度が凄い伝わってきます。

s まず最初に、なんで出演時間60分って言い出したかなんですけど、夏の主催ライブで45分やったんですよ。で、その時に意外と燃え尽きれなかったというか「まだいけたな」と思ったんですよ。俺は燃え尽きたかったんですけど、「他のアーティストさんが50分やった」とか話を聞いて「じゃあうちら60分やったら面白いんじゃね」というのもあって、その時はアルバム出すっていう話も分からなかったんで軽い気持ちで決めたんですよ。そしたら「ヤバいかもしれない」というのに最近気づきました。だから最近体力作りで縄跳びやってます(笑)。

a 60分でも180分でも0秒でもやり抜きます!

ライブに向けての意気込みはありますか?

a 幡ヶ谷FORESTLIMITは自分がクラブの良さに気づいた箱で、かつ出演者さんも今年を代表する錚々たるメンツなので、クリスマスだし年末だしリリースパーティーだし、古い曲もアルバムの曲も全部やるのでみんなで盛り上がりましょう!実はこのライブ終わったあとアフターパーティーも考えてるんですよね。

m なんでライブの意気込みでアフターパーティーの話してるの?

s え、それマジですか?

a はい、やります。

m 自然にやりますって言ってたなぁ。

a やっていくしかないですね......。

今後の展望

最後に、今後の展望を教えてください。

a 僕から言わせてもらうと、もしかすると消滅するかもしれない可能性はなきにしもあらずというのはあって、どんな形であれ、この3人、もしくは数名が集まって作ってる音楽を聴いてくれれば嬉しいです、というのはありにしもならずというか......そんなとこでございます!

m もうそろそろ解散するんじゃないかと思ってます。雰囲気的にもこれが最後だと思って作ったし、次があるかもしれないけど、まあお楽しみにって感じですね。

s ちょっと時間が欲しいのはあります。今までノンストップで来てしまって、やりたいこととか分からなくて、肉体的にキツイ感じがあります。皆んながやりたい気持ちになった時には自分もやれるだろうし、皆んながずっとやりたくなかったら自分もやれないと思いますね。でもDRUGPAPAってついこないだまでは本気でやめるつもりでしたけど、正直12月16日のライブが終わってみないと何とも言えないです。だから観に来てくださいとしか言いようがないですね。その時の我々がダサいのか良いのか、そこで解散するかもしれないし、やる気が出るかもしれないです。でもやっぱり本当はめちゃくちゃやりたい気がします。ぐらぐらです。

インタビューの最後に何かありますか?

a DRUGPAPAは......って感じですね。

m ん?

s 最後の最後に電波が悪くなった。

a じゃあもうやめときましょう!

12/16 (Sat)

DRUGPAPA presents "The Drugpapa" Release Party

【electro大暴走】

@forestlimit
OPEN/CLOSE 16:30/23:00
Ticket(当日券のみ)
¥2,500+1d
¥2,000+1d(U-20)※要年確

flyer by audiostoker

LIVE

DRUGPAPA
CVN
sentimental hardware
Texas3000
pikomaruko

DJ

migeru✖︎ShoN
DJ MUSE[from  UK]
DJ スカイハイ斉藤[mix出演]
sazablizry(music fm)
vhyderwe

VJ:matsuki

Special Guest:モニハム


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