流し書き23(miwa)
ずっと仕事をしているので、ずっとYouTubeで音楽を聴いている。
最近、中学~高校くらいで好きだったmiwaを聴きなおしている。J-Popに没頭することが少なかった自分にとっては、槇原敬之と並んで数少ない、結構な割合の曲を知っているアーティストだ。
当時、Apple Musicで色々と曲を入れてはまっていた時期に、YouTubeでライブ映像を見て少しげんなりしたことがあった。miwaはライブでもかなり歌がうまい、安定している。しかし、MCの時間になるとどうもぶりっ子っぽい話し方が気になってしまった。また、観客席から湧き上がる声援はAKBとかのそれで、ほとんどが男という感じだった。実際、小柄で黒髪ロングのかわいらしい声の女の子が大きなギターを抱えて腰を振りながら、ピュアな女性目線ラブソングを歌う。女性の恋愛観のえぐみ(aikoの歌詞の毒々しいまでの重さのような)は一切ない。さわやかで、ピュアで、ひたむきな女の子の歌詞。恋愛経験なしで、少女漫画でインプットして書いていたらしい。今思うと、ものすごいオタクキラーな歌手だった。
人気だった2017年ごろのあと、彼女がどうなったのかはあまり知らない。が、ライブ映像などを見ても、彼女もきっとそうやってみられていることに嫌気が差してきて、もっと「本物の歌手」として評価されたいと、方向を切り替えたのではないか。黒髪ロングストレートヘアをバッサリと切ったみたいだ。定着したイメージから切り替えすぎたのか、一時期のようにテレビで見かけることはなくなってしまった気がする。
ここまで振り返って、俺は当時の「振り切った」miwaが好きだったな、と思う。恥ずかしいくらいオタクキラー要素てんこ盛り。だけど変な躊躇がなく、振り切っていた。その意味でとがっていてロックな歌手だったと思える。女子高生が等身大で共感できそうな曲だった、シーブリーズとかポカリスエットみたいな見せかけだけど当事者たちにとっては本物の爽「青春」を体現した歌手だった。そんな気がする。
だけど、オーセンティックなシンガーソングライターとしても認められたかったのだと思う。その気持ちも少しはわかる気がする。大丈夫、実際歌もギターもとても上手だと思って聞いていた、と伝えたい。
(追伸)
miwaは曲が結構よくて、歌詞は基本槇原敬之とかキリンジのレベルではないものの、軽やかさがあって曲にはまっている部分はとてもいい。以下に個人的に好きな曲、歌詞を抜粋する。
「恋」を取り上げたべたな青春ソングが「刹那」「瞬間」に焦点を当てがちな中、さびの目立つ部分で「継続する恋の気持ちののっぺりとした心苦しさ」について歌うというのは結構おしゃれだと思う。そしてさびのリズムは8分音符のオモテ拍で、2音を行き来しながら淡々と歌う感じ。よくきかなくても駆け抜けていってしまうような箇所にやや重たい歌詞が置かれているのが好き。
この曲は歌詞は正直聞き流してもよいのだが、サビの疾走感がすごい。結構ロック。表拍ガンガンでドラマー全開。あとmiwaの曲は意外と機械的なメロディーが多く、謎の硬質感がある(メロディーだけ)。
この曲も面白い。