正直言って…SNS疲れの原因は『これ』かも #mixi2 (mixi時代復活?)に寄せて
ショート動画が苦手だ。
特に、インスタグラムで勝手に流れてくる、わたしの関心に合わせた自然系のもので、その効果や魅力を誇張した投稿。
「見て!○○の正解見つけた!」
「ごめんなさい、嘘ついてました」
「まだ○○してないの?」
全部というわけではないけれど、うんざりしてしまう。
SNS疲れの原因というと、すぐに反応しなければいけないとか、いいねをもらうために撮影や加工をがんばりすぎてしまうとか、最初は発信者側の文脈だったのが、
SNS自体が親しい人のコミュニケーションメディアからマーケティングツールとして拡大したためか、最終的に、
「キラキラした生活を見せられて自分と比較して落ち込む」
と、圧倒的に多数となった、受信者側の自己肯定感問題でコンセンサスが形成されたように見える。
でも、この「すでに好きなものに関する」押し付けがましい投稿へのうんざり感も、割と大きいのではないかと思うのだ。
つい最近、mixi2がはじまり、わたしも招待に乗っかって登録したものの、アプリでしか使えないようで、PCメインの自分はまだ登録以降、何もしていない。
ただ、この流れが映し出しているのは、いかに注目を集めるか合戦が極まる、マーケティングツール化したSNSからの交流したい人とのコミュニケーションツールへの回帰ニーズではないだろうか。
X(Twitter)の単なるコピーでしかない、あっという間にブームが去ったCulbhouseほども注目されていない、mixiに馴染みのあるおじさん世代向けという評価もあり、あまり期待はされていないようだ。
実際、みんなある意味参加者として平等だったmixi時代と違い、今はインターネット上でのステータスを持っている人がたくさんある。
ウェブ上での人間関係自体に、すでに消せない序列があり、地位を持っている人は、それをプラットフォームを跨いで持ち込む。
これを不可能にしない限り、かつてのブランドネームの冠をかぶっていたからと言って、かつてのような交流を望むのは難しいだろう。
話を戻す。
「告白します」
「ねえ、聞いて!」
「まだやってるの?」
「これが正解!」
タイムラインに飛び込んでくる突然の耳寄り情報。
急にピンポンも押さずに庭の窓から入ってきて話しかけてくる、古いドラマにしか出てこないような近所の噂好きのおばさんみたいな乗り込み方だ。
この手の構文は、もう見慣れてる。いちいち反応しない。
でも、自分が好きでやっている領域でされると、感情が乱される。
もうすでに好きです。
こっちは好きで勝手にやってるんです。
それを、それが正しいとか、こういう効果があるとか、素晴らしいよね、とか押し売りされる。
理由なんてなくていいはずの好きなものを、地球のためになるとか、子供の学力が上がるとか、もうこれで薬いらないとか誇張して宣伝されるのを見ると、悲しくなる。
そういう投稿が増えるのは、ビューを稼げるからだろう。
自転車とか、一部の人の趣味に限られていたものがブームになると、暗黙のルールやマナーが破壊され、元のファンが苦しむことは、これまでもわりとよくあった。
ブームになると、それに乗っかり、波を維持するため、メディアはそれを「健康にいい」とか「おしゃれ」とか「能力が高まる」とか、その効果や正しさを宣伝し始める。
そうすると、本当にそれが好きだからではなく、「道具」として選ぶ人が参入してくる。
そういう人たちは、道具としての機能の最大化を求めるので、暗黙のルールやマナーには関心を払わない。それにより、これまで善意によって境界が守られていたグレーな領域の一線が破壊され、社会問題となってしまう。そうして、趣味の領域の自由は失われる。
だから生粋の趣味人は、ブームになるのを嫌がるのである。
わたしは、SNSがマーケティングの戦場と化したことで、あらゆる趣味がこの問題にさらされるようになったと感じている。
SNSは、この効果や正しさの宣伝を行うという、跳ねるためのセオリーをあらゆる分野に拡張させた。
それでもまだショート動画のように、勝手に乗り込んでくる投稿がない頃は、見ようとしなければ見えない情報量は多かった。
だから、そういう投稿があったとしても、見ずに済んだ。
けれども、ショート動画が広まると、関心のある人にマッチさせるアルゴリズムは、「SNSをする前から、それをすでに知っているし好きな人」という本来リーチしなくていい(しないほうがいい)人を巻き込み、勝手に再生して情報を押し付け始めた。
そのような動画は、不快でストレスフルだ。
mixi2のリリースは、そんな趣味人で集えるSNSの憩いの場となるだろうか。
わからない。でも、「潮目は変わった」のは確かだ。
↓mixi2実際どんな感じ?はじめたい方用への招待リンク
https://mixi.social/invitations/@neotenylab/V5Mqo7XeKKCDWwu5LJP5Ms
↑Threadリリースのときに書いた日記はこちら。比べてみると、何か発見あるかも。
お詫び:タイトルは、わざと「この手の構文」で書いてみました。冷笑してもらえたらと思ったけど、ガチでいやな気分になっちゃった人がいたら、ごめんなさい!