猫ハウスはワンダーランド
うちにあって、よその家にまずないもの。
あったらいいなとは思っても、そこまでして作らないもの。
それが、わが家の猫ハウスだ。
住宅メーカーの広告風に紹介すると
こんなふうになる。
リビングルームの南側に設けた、広さ4帖半ほどのテラス。
四隅を鉄骨の柱が支える頑丈な造り。
天井と側面には木組みを施し、ナチュラルな美しさを表現しました。
南側は隣家との目隠しを兼ねた板張りとキャットステップを設置。
最上部は三方に見晴らし台を設け、ここから景色を眺めたり、お昼寝したり、目の前を飛ぶ鳥を見て狩りの気分を味わえたりできます。
虫の侵入には不利てすが、野外効果を上げるためにあえて目の大きな亀甲網を採用。セミや蝶、トンボ、カナブンなど虫捕りも楽しめます。
床は、気温やそのときの気分によって横になれる場所を選べるように、
半面は無垢の板敷き、半面はレンガタイル張り。気持ちよくすりすりしていただける狙いです。
天井は予算の関係上、やむなく波板貼りになりましたが、暑くなると一面に葦簀を渡らせて遮熱。風流なたたずまいは、まさに日本の夏を思わせます。
以前に住んでいた古い借家は、往来に面していたため1階の窓が全部すりガラスで見通しが悪く、出窓もなく、ひだまりもできない。つまりひなたぼっこができない。猫にとってないない尽くしの魅力に乏しい空間だった。
それで文句を言われたことは一度もないが、言わないだけにいじらしく、ああしてやりたい、こうしてやりたいという思いが一方的に私の中に募っていった。
そして、めぐってきた、夢をカタチにするチャンス!
「犬小屋は作ったことあるけど、猫小屋はなぁ…」と大工さんを戸惑わせ、
「飼い主さんのこだわりと猫への思いをこんなに感じたことはない」と工務店の社長をあきれさせ…。
試行錯誤の末に完成した猫ハウスを、初めて猫たちに紹介したときのどきどき感。気に入ってくれるだろうか。キャットステップを使ってくれるだろうか。外を眺めたりお昼寝したりしてくれるだろうか。
そんな不安は一瞬のうちに吹き飛んだ。
猫たちは足を踏み入れた瞬間から気に入り、
日がな一日、ここで過ごしている。
ああよかった、報われた。
猫の幸せそうな姿を見る私は、その何倍も幸せだ。
写真をさらにバンバン撮るようになった。
奥の方にしまっていた一眼レフを引っ張り出し、レンズも買い足した。
ここは築30年の中古住宅だけれど、
猫ハウスだけは新築。れっきとした注文住宅だ。
酔狂の極みは、猫も人間も惹きつけるワンダーランドとなって
日々の暮らしを彩ってくれている。
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