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11/16浜端ヨウヘイXL24 名取cafe the EACH TIME O.A.

"とんでもない男と関わってしまったかもしれない"
ヨウヘイからの電話を受け、彼からの提案を聞いた僕はそう思った。


時は2012年。家でダラダラしている所に、数日前ライブハウスRIPPLEの弾き語りイベントで知り合ったヨウヘイという男から電話がかかってきた。

当時の僕は高い声を出そうとするとひっくり返る発声障害を発症していた。30歳から始めたギター弾き語りでイベントに誘われれば出演していて

20代の時間のほとんどを捧げたバンドは自分の発声障害が原因で無期限活動休止状態。東京で活動していたものの地元仙台へ帰って資格を取り働きながら、プロフェッショナルとしての意識は箱にしまって、音楽は趣味という位置付けに固定していた。

ヨウヘイには物販に置いていたバンドで最後にリリースしたCDを渡していた。共演者同士のCD交換でもしていたんだと思う。


電話口のヨウヘイはワクワクしたような、でも半ギレしてるかのような興奮した雰囲気だったのを覚えている。内容としては
「永井さん!今のままじゃあかん!声がひっくり返るなら緊張が原因だからライブハウスじゃなくてお客さんの顔がちゃんと見えるカフェライブやろ!仙台で、2人でカフェライブ企画しよ!」

どうやら渡したCDに収録された発声障害の無い状態の僕の歌を聴いて、どうにかその状態の永井健を復活させたい!と思ってくれたようだ。しかし。

彼は上京前だったので京都在住。
京都在住の人が。
仙台で。
自分発信で。
イベント企画。
しかも単発ではなくシリーズ化して。
年に何回もやりたい。

コイツはイカれている。という気持ち半分とその情熱に当てられてワクワクしていまっている気持ち半分。

それで冒頭の
"とんでもない男と関わってしまったかもしれない"
という感想を持つに至った。


音楽が好きという気持ち自体はずっと変わらなかったので自分としてはありがたい提案でしかなく、"A place in the sun"と銘打ったカフェライブ2マンまたは3マン企画ライブシリーズは3年で10回以上開催。多彩なゲストミュージシャンとの共演も色濃く思い出に残っている。打ち上げでヨウヘイからの厳しくも的確なダメ出しが恒例となり笑、僕はプロ意識を箱から引っ張り出して来ざるを得なくなった。

A place in the sunが終わるとヨウヘイはオーガスタからデビュー。僕もライブが年50本ペース、作品としても毎年の音源リリース、集大成としてのアルバムを制作。歌でも東京の仕事がいただけたり、人といわず場所といわず新しいご縁が繋がった。もちろん名取cafe the EACH TIMEも、澁谷家の愛を沢山もらえる場所で歌わせてもらえる僕にとってのパワースポットになった。
活動のフィールドは変わったけど、ヨウヘイとの付き合いはずっと続いていた。

コロナ禍に入ると10数年ぶりに、今度は低音〜中音域が出にくいという発声障害になる。この数年ライブが思うようにできず苦しんだ。
以前の発声障害の時はキーを下げれば問題なく歌えていたが、今回はキーを下げても必ず不具合のある音が出てきて、音楽として成立させにくい症状。

復帰に向けてボイストレーニングを受け、メンタルコンディショニング、フィジカルトレーニングなどを併せてようやくライブしても大丈夫、という気持ちになれたのが今年の夏あたり。復帰したら最初の有料ライブはイーチタイムで、と決めていた。

そして同じ頃、11/16のXLツアー24イーチタイム公演 のオープニングアクトでリハビリがてら歌ってみないか、とヨウヘイが声を掛けてくれて。タイミングがバッチリすぎてこれを書いている今も不思議な感覚になるけど、ヨウヘイとの間には絶妙な力学が存在しているんだろうな、という確信がある。

デビュー10周年おめでとう。昨日のライブは浜端ヨウヘイヒストリーみたいな構成だったもんだから、出会った所からのヒストリーを振り返りたくなって長々と徒然と書いてしまった。特別な日にオープニングアクトをさせてくれてありがとう。

これからもよろしく!

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