
臓器も骨髄も角膜も血液も~24歳② 世帯主はどっち?結婚後の苗字はどっち?~
■24歳②
インターナショナルでダンディなSさんと「結婚を前提にお付き合い」をして数か月。
インターナショナルSさんは、仕事が終わると私のアパート。例の「フラワーハイム」に帰宅するようになりました。
当時、インターナショナルSさんが独り暮らしをしていたおうちは、尾山台というこれまたすてきな住宅街にあって、マンションのロビーが吹き抜けになっていて、中央には見たこともないくらい大きなお花が生けてあるような素敵なところでした。まるで帝国ホテルのロビーみたい!(帝国ホテル泊ったことないけど)

そんなすてきなマンションに住んでる、インターナショナルSさん。
なぜにフラワーハイムに毎日のように帰ってきていたかと言うと、それはズバリ「新鮮」だったんでしょうな笑。
幼少時からインターナショナルスクールに通い、幼いころは実家は田園調布のお屋敷。そこの玄関ほどの広さに寝泊まりしている私に衝撃を受けたのかもしれません。
洗濯機を外に置くスタイルも物珍しかったのかもしれませんね笑
その後、私は転職するのですが2人の休みが全く合わず、これはもう一緒に暮らすしかないという事になりました。
2人の職場に30分以内で着ける大井町線・池上線の旗の台駅徒歩1分のマンションです。
■New物件
・「旗の台駅」徒歩1分
・家賃¥120,000
・3K(40平米)
・築浅
・ケンタッキー徒歩1分
・こじゃれた花屋徒歩2分
インターナショナルSさんにしたら少し手狭かもしれませんが、いずれ結婚してまた別の所に引っ越すのでとりあえずこちらで決定。
私にしたら贅沢物件です。
さて、2人でマンションの契約に行ったところ、
「世帯主はS様でよろしいですね?」
と不動産屋に言われました。
私は不思議に思い「なぜですか?」と聞いたら
「通常は収入の多い方にする場合がほとんどですよ」
と言われ、なるほど。と、その通りにしました。
まぁ、実際には以下3つのパターンがあるらしいですよ。
1,住民票を双方とも同棲するアパートに移し、二人とも世帯主となる
2,住民票を双方とも同棲するアパートに移し、一人を「未届の妻(夫)」または「同居人」とする
3,住民票をどちらか一方のみ移す
まぁ、どれでもいいのですが、この時は「収入の多い方」という理由をぱっと答えてくれてすっきりとしたのを覚えています。
このように、「なぜ」に対して明確な返答があるとあっという間に納得する私ですが、このあたりから、どうしても納得のいかない出来事にぶち当たっていました。
それは、「結婚を前提にお付き合い」してるがゆえに聞かれる
「今度はなんていう苗字になるの?」
という質問。
ここで、疑問が。
なぜにみんな当然のように私の苗字が変わると思っているのか。
そこで、先ほどのマンションの名義なのであります。
「通常は収入の多い方にする場合がほとんどですよ」
こんなにわかりやすいことはない。
結婚後、どちらの姓を名乗るか。
この質問
「結婚したら、どっちの苗字にするの?」
と、聞く人がたくさんいたら、きっと私はなにも引っかからずこの時すぐに結婚していたのではないかと思うのです。(めんどくせーな)
あまりにもたくさんの人が、「女性が男性の苗字に変えるのが当然」と思っていたことに衝撃を受けてしまったのですよ。
そして、考えすぎて籍を入れられなくなってしまった。。。(勝手)
そしたら当時、ちょうどニュースで「夫婦別姓案」が浮上しているとのこと!
な~んだそうなのか!
じゃぁ、それが可決されたら夫婦別姓で結婚しよう!
ということに落ち着いたものの、その後20年以上、夫婦別姓が法律で認められることはなかったのであります。
ちーん。
同棲してから何年か経った頃、実家の母からも手紙が届きました。
「夫婦別姓は廃案になりました。早く籍を入れなさい」
あの世代の人は、結婚もしない男女が一緒に暮らす、いわゆる同棲にはまだまだ理解が出来ないのでしょう。
でも、まだまだ私の心は納得がいってません。
どうせ入籍するなら納得がいってからでないと、動けないのが人間よ。
みんなは言いました
「戸籍上だけ入籍して、通称は旧姓でいいじゃん!」って。
違うのよ。
そうじゃないのよ。
戸籍が変わることが理解できないのよ。
頑固な私を、インターナショナルSさんも辛抱強く待ってくれました。
そしてその時は突然来たのです!!
当時の私の仕事はスタイリスト(のアシスタント)。
いろんな方と名刺の交換をすると、みんな名刺に好きな名前を入れています。会社員のようにフルネームでかっちりと言うより、ニックネーム的な?
ローマ字だったり、カタカナだったり。
自由です。
あまりにも名前をラフに変えすぎ?
すごいな。
私、実は難しく考えすぎなんじゃ・・・?
そう思ったら止まりません。
入籍まっしぐらです!!
もういっか!!
「入籍しちゃう?」
急に思ったのです!!
驚いたのはインターナショナルSさん!!
これはもうまた私の気が変わらないうちに、そのまま2人でチャリに乗り、
品川区役所までGO!!
用紙をもらい、記入していた時の事。
そこで気づくのです。
えええ???
こんなちっこい箇所のことで何年も悩んでいたのかい?!と。

衝撃ですよ。
衝撃過ぎて、結婚すること親に言うの忘れたくらいですよ。
結局、私は、インターナショナルSさんの苗字を名乗ることにしましたよ。
意味はないです。
その時そう思ったからです。
なんだったんでしょう。
あのこだわり。
でもこだわりがなくなってすっきりんこですよ。
でも17年後にまた元の苗字に戻ることをこの時はまだ知らないのよね。