Cadreメモ:チームIFの各個人の事情
我がチームのメンバーは実に優秀なのだが…
問題や苦悩が垣間見える時がある。
特に問題のある者をまとめておく。
ラルス・ヴェール
左足が義足になり、不死身になった経緯だが…
彼が幼い頃、穢れが暴走してシャドウが狂暴化する災禍が起こった。
兄さんはこういった緊急事態を体験させる為に連れていき、その際に私が保護していたんだよ。
シャドウ退治の手伝いはさせていたが、
私が挑発したもんだから、レベルが合わないB級に挑んでしまった。
呆気なく身体を切られ、致死毒を受けた。
特に左脚が重傷だったので毒を抑えるために
脚を切るなどの処置を施したが、結局瀕死に至った。
脚を切り落としたのは、毒が回るスピードが早く、
病院に連れていく暇がなかったからだ。
その後、私が責任をもってラルス君を延命治療。
義足も作った。
ファイヤーオパールの能力を引き出せる素質は十分に揃っていたから。
延命は成功したが、普通の人間として生きられなくなった。
…私に対する不信感は少しあるはずだ。
エルバート・ノワール
あんな面をしてるけど実はスイーツ恐怖症。
見てる分ならいいけど、食べることを嫌がるんだ。
原因としては…ロジック君関連だね。
弟のロジック君はどの並行世界においても同じタイミングで絶対に死ぬ宿命があるそうだ。
その死因の一つで、メゼスのお菓子を食べると取り憑かれたようにお菓子を貪るようになるんだが…
ロジック君はその虜になってしまって、
何とか引き離したものの禁断症状で衰弱、精神崩壊して、自殺したそうだ。
蛇足だが、
ロジック君の生まれ変わりであるエリザ君には
軽度のスイーツ依存症があるんだよね…。
1日に胃もたれする位食べないと体が落ち着かないそうだ。
ルーベン・ピュロボルス
就任の際に経験談を聞いた時は酷く怯え、一切語ろうとはしなかったが…データによれば
大学生の時にバイオテロが発生した事があり。
テロリスト集団に拉致されて、友人を庇って薬物摂取を強要されたらしい。
保護者のジョー君によれば薬物に汚染性があったため、
性格が臆病物に変貌したという。
特別学級で後遺症に苦しみながらも大学を卒業したそうだが…。
軽度の人間不信、薬物恐怖症を抱えている。
「装う」事を得意としているのもそのせいだろうか。
ハーネス・フルール
彼は半シャドウだからこその悩みがあってさ…
シャドウ因子のアレルギー反応で、毎晩身体中から膿のように黒い粘液が湧くんだよ。
この症状が出ると全身が苦痛に苛まれ、体力の消耗が大きくなる。
ルーベン君が来る前は膿が個室の床一面を浸らせ、苦痛で跪くレベルの重症だった。それも毎晩だよ。
朝になれば膿は蒸発するけどね。
投薬での抑制法もあるけど、それだと戦闘能力が弱まってしまう。
現在、彼が近くにいる時は症状が9割軽減され、
排出量が服から滲み出る程度、落ち着いて本も読めるそうだ。
膿が床に落ちてもすぐに蒸発するし。
わざわざ彼の部屋を隣に配置してるから安定している。
全食の時は平常時を超える酷い有様でね、
体液そのものが粘液になるし、体が少し膨張する。
すぐ狂暴化していたけど、
彼がいると平常時の5割位(一日分の水分の放出量と同量、軽い運動でも目眩がする)に落ち着き、気性の荒さも軽減されているな。
星恵能力がいかに強力かがわかる。
今ではルーベン君が近くにいない時だけ投薬で抑えているよ。