食から地域のつながりを考える with元気カレー
こんにちは。学生団体Néo Connexionの岩井進悟です。
だいぶ遅くなってしまいましたが5月24日に行ったイベントについて書きたいと思います。
学生団体Néo Connexionとは?
「地域」×「〇〇」をコンセプトに高校生の視点から地域課題について考え、話し合うことで地域課題に新たな視点をもたらすことや、自分たちへの成長につなげることを目的に活動している高校生団体です。
また、地域課題について考える人材を共創していくことも目的としています。「地域」×「〇〇」をアップデートしながら、少しでも地域について知る場、考える場になり、そのような人材が集まるコミュニティーを目指しています。
お堅い話は置いといて開催レポートにいきたいと思います。
イベント準備段階
きっかけ&名前の由来
コロナの影響で飲食業界が非常に困っているというニュースを毎日目にしながら何もできないことに歯がゆさを感じていました。そこで自分たち高校生にできることはないだろうかと考え、学生団体を発足することを決意。
地域や街づくり、食に関心がある高校生5人が集まって、食から地域を考えるという題名をつけイベント開催を決意した。
名前の由来は「おしゃれ名前にしたい!」という意見からフランス語で決めようとなり、Néo Connexionという名前に決定!
(割と気に入っています、できればネオコネと呼んでほしいなー)
ゲスト探しと直前準備
普段あまり気に留めることもないLineのタイムラインで流れてきたある動画に見入ってしまった。それが今回のイベントのゲストに元気カレーの齊藤樹さんをお誘いした。
元気カレーの動画だった。https://youtu.be/pl40ne6LgDM(これが噂の動画)
そこでメールをしてイベントに出演してもらうことが決まった。
これが決まったときほんとにうれしかった!
自分たちも初めてのことばかりで本当に準備が大変だった。
アイコン作成、広告&集客や内容決め、スライド作成などみんなで役割分担をして進め、みんなの努力により何とか間に合った。
実はからメンバー初顔合わせからイベント開催まで20日余り、
メンバーもオンラインでしかあったことない人ばかり…
ある意味この時代だからできることかもしれないなとか思ってたらすぐに本番が来た。
元気カレーとは?
そういえば、紹介していませんでした。
元気カレーとは奈良県橿原市にあるカレー屋さんである。
ただのカレー屋さんではないところが本当に面白い。
ご飯を食べれない子供に対して100円でカレーを提供、大人ですら200円!
それだけではなく、未来チケットのシステムを考案し、100円すら持っていない子供でも食べられるようにしている。
大人が200円でチケットを買い、ホワイトボードに貼る。それを子供が使うことで子供はカレーをタダで食べられる。
子供が集まる駄菓子屋の延長のような存在として食から地域を支えているNPO法人である。今回はそこの店主である齊藤樹さんをゲストに招きお話していただきました。
イベント本番!
待ちに待ったイベント当日、齊藤さんと直前まで連絡が取れないなどめっちゃドキドキしたが、40人以上を集客し、2時間のイベントを大成功で終わらせることができた。
齋藤さんとのトークセッションで質問を拾いながら1時間ちょっと、高校生とのディスカッションを30分を行い、最後に高校生が今できることについてお話してもらった。
全体を総括しながら僕が感動したポイントを中心にまとめていきたい。
①なんでそんなに破格のカレーが??
利益度外視???
大人でさえ200円で食べれるカレー、どんな方法でやってるの?
これが一番参加者から多く来た質問だった。
齊藤さんにこの質問をぶつけてみたところ
「200円のカレーで利益なんか出るわけないでしょ、
うちは利益度外視ですよ!」
正直この回答にはびっくりした。
本来、飲食業は原価率は30%ぐらいだというが、60円でできるカレーなんか存在するわけがない。
200円で出してる時点で赤字覚悟だ。その赤字を本業である塾経営から補填しているという。
これには僕らも本当に驚かされた。食べるのに困っている子供たちのために作っていると聞き、感動した。
ちなみに、カレーに隠し味として味噌を入れていて、齊藤さんの人柄で心を、
カレーで胃袋をつかんでいるそうだ。
皆さんも味噌を入れたカレーを作ってみてはどうでしょうか?
②なんで元気カレーを始めたの?
海外経験が豊富である齊藤さんは現在英会話教室を開いている。
半年、海外生活をしていた際に現地にいた日本人に優しくしてもらった経験が様々なボランティアを始めるきっかけになったという。
その後、小学生に教える機会を持った際に「なんか習い事やってるの?」と何気なく聞いたそうだが、「そんなのお金ないからできないよ」と答えた子供を見て、日本の相対的貧困を感じたという。
習い事をできていないことは満足にご飯を食べていないんじゃないかと思い、始めたのが元気カレーだったそうだ。
齋藤さんは
「子供たちが悪いことをするのはおなかが減っているからだ。おなか一杯だと悪いことも思いつかないはずだ」
と話していた。子供たちがおなか一杯食べられる環境づくりをされている。
③感動秘話 ∼子供の成長∼
齋藤さんが今までで元気カレーをやっていてうれしかったエピソードを聞いて僕も感動した。
学校にちゃんと行けてないような子たちも元気カレーで未来チケットを使用し、カレーを食べるという。
学校の勉強についていけなくなり、行くのがつまらなくなったので、ヤンキーのような存在になってしまったそうだ。
その子たちも元気カレーの未来チケットで大きくなっていった。
そんな彼らが大人になり、仕事でもらった給料で
「おっちゃん、未来チケット買わせて!俺らがいっぱい使わせてもらったから」といってくれたそうだ。
最初、チケットを使って食べていた子がチケットを買う側になった。
齊藤さんはその話を嬉しそうに僕たちに向けて語ってくれた。参加者みんながほっこりする話だった。
④コロナ時の対応
奈良県ではこの24日の段階で緊急事態宣言が解除されていて、東京とは状況が大きく違った。
「コロナの影響で元気カレーも影響を受けましたか?」という質問には、
「元から赤字なのであまり関係ないです!
それよりご飯が食べえていない子がいると思うと心配」
とユーモアを交えながら話す齊藤さんを見て、なんて素晴らしい人なのだろうと思った。
子供やその親とラインなどを交換し、元気カレーを食べたいという要望に応え、個別にカレーを作っていたという。
やはり、有事の際こそ普段から機能しているコミュニティが必要になるのだなと感じた。
見えないところで実は困っている人がいて、その人たちは誰かの手助けを必要としているのだなと気づかされた。
⑤細く長く続ける経営
先ほど述べた通り、齋藤さんは本業の英会話教室の利益で元気カレーの赤字部分を埋めながら活動をされている。
ほかの子ども食堂と大きく一つ異なる側面としては営業を行うNPOであるということ。これは一見聞こえが悪く聞こえるが、僕はこの点が魅力的だなと思った。
一般的な子ども食堂とは資金提供者がいないと継続的な活動はできない、
つまり他者に依存をしているという側面がある。
しかし、元気カレーは誰にも金銭的な援助を受けていない。
だからこそ少しでも減らせる経費は減らしたいという。
そのためにメディアやいろんな会社に自らの活動を売り込む。
それによって、余ったお肉などの食材や貸店舗などを提供してもらえるようになったという。
少しでも経営的な面で負担を減らせると長く続けられるようになる。そのためには経営的な考え方は必要だと話していた。
長く続けていくためにも営業をかけていろんな人の協力を得るという姿勢にすごく共感をした。
ここからは高校生に向けて齊藤さんが話していたことだ。
運営メンバー絶賛の話である。
⑥GIVE and TAKE
齋藤さんは英語の講師をされている一面を持っていることから英語の
GIVE and TAKEという言葉を使い、ボランティアなどの際に持つべき精神に
ついて話してくれた。
いつまでも与えてほしいと待っていても何も得ることはできない。もし何かを欲しいのであれば自分から他人に与えることから始めるべきである。
GIVEをした人のみが、TAKEを得ることができると話していた。
これは、日本語で言う「情けは人のためならず」に近いのかなと感じた。この言葉の意味とは人にかける情けはまわりまわって自分に返ってくるという話である。
つまり、人に対して自分ができることを最大限やることが大事だと理解した。
⑦一歩目を踏み出す勇気
斎藤さんはNPOの代表をしているが、行政が非協力的なのでNPO14団体で
連盟を作り市長に訴えに言ったという。そのことにより活動を取り巻く環境が少しづつ変わり結果として初めの一歩となった。
はじめの一歩さえ踏み出せれば、二歩目は簡単だ
という言葉がとても印象に残っている。
人生にはやるかやらないかの二択しかないが、どうせ失敗するのならやって後悔した方がいいという。そして一回踏み出すことができれば意外と簡単だと気づくので、そのうち成功につながるのだ。
挑戦したいことを見つけたら、思い切って行動に移すことが大切だと高校生に対して伝えていていただき、僕たちもチャレンジし続けようと思った。
まとめ+感想
やはり、開催してみてよかった。
正直始める前まではこんなに大変だとは思っていなかった。
二時間のイベントのために何時間準備するんだよって思うこともなかったわけじゃない…
(これは秘密で(笑))
でもそれ以上に得られることのほうが大きかった気がする。
運営メンバーと仲良くなったり、いろんな大人と話したり、友達を頑張って
誘ったりしながら、普段ではできないことを経験できたのではないだろうか。
本サイトQuliiの板倉さんが言っていた通り、
参加者の何倍も運営者が学んでいるということに気付けた。
運営メンバーと協力しながらイベントやるのは楽しい気がする。それに伴ってパソコン技術が向上したりもする(今回初めてgoogleformとかを使った)。
準備をした分だけ終わった後の達成感もすごくある、イベント後のミーティングは最高に楽しかったりする。
まあ、僕が総じて言いたいのは「何でもやってみるもんかもしれない」
ということである。
まず参加するところから、参加しているのであれば主催を、
主催をしているのであればより高いレベルのものを作るべきなのかな、なんて思ったりもした。
このイベントが自分にとっての自分の第一歩になってたりもするかもしれない。
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ついでに宣伝です。もうすぐ第二回のイベントが開催されます。
今回のゲストは、東京都市大学生活学部准教授、そして慶應義塾大学特任准教授でもある坂倉杏介教授です!
坂倉教授はコミュニティ論を専門とされていて、
地域における居場所(サードプレイス)のあり方とその未来に関して講演をしていただきます!
自分のサードプレイスとは??家以外に帰る場所とは??
地元についてやアフターコロナにおける人とのかかわりについて一緒に考えませんか?
テーマ:「地域」×「居場所」〜地域の中に新たなサードプレイスを〜
日時: 6/14(日)16:00~18:00
開催場所:zoom(オンライン)
参加費:無料
イベントの大まかな流れ:
16:00 運営挨拶、ゲストの方のトークセッション(基調講演+質疑応答)
17:00 ディスカッション(30分間)
17:30 ディスカッション内容の共有とゲストの方からのフィードバック
18:00 終了
『キーワード』
〇まちづくり
〇居場所
〇サードプレイス
〇地域創生
〇コミュニティ
〇都市活性
〇アート
〇ボランティア
一つでも興味があればご参加ください!!
(ちなみに上記に関心がなくとも、人生観について良い学びを得られると思います、高校生が今できることなどについてもお話してもらう予定です)
また、地域における居場所の現状など坂倉教授のお話を一人でも多くの人に聞いてもらいたいと思い、「聞き専門」枠をを導入しました。誰でも気軽に参加できるイベントを目指しているのでお気軽にご参加ください。
以下のリンクが参加応募フォームになります。是非ご参加ください!!
https://forms.gle/LkCjd93soaUM44Hk9
次書くのは第二回開催レポートかな、成功してるといいなー、あと読んでる人参加してくれると嬉しいな(笑)
ではまた会いましょう!サヨナラー
読んだらあしあとをつけましょう!