ボニーの父親は天竜人ではなくソルベ王国のベコリ王説【ONE PIECE 第1101話】
ジニーは「天竜人の元妻」ではあっても、孕ませたのはベコリ王なんだと思う。
【天竜人の妻】
ボニーの母親にして、くまの最愛の女性であるジニーは天竜人の手先に浚われ、そのまま妻とされたことが語られた。
普通に考えればボニーは「天竜人の娘」となるわけだが、実際には私は彼女を下々民の子供だと睨んでいる。
【コニー王太后と瓜二つ】
一番大きな理由はこれだろう。
能力で年老いたボニーはコニー王太后にそっくりだからだ。
マリージョアの衛兵は勿論のこと、育ての親であるバーソロミュー・くまや、何度も顔を合わせているアルファですら見間違えるほどだ。
確かにトシトシの実の能力には『ゆがんだ未来』という技があり、ある程度肉体を本来のものとは異質に変身させることが可能だ。
しかしながら、ボニーは能力を使って初めて老化した時点で既に、コニー王太后と瓜二つであった。
ならば二人は血縁関係にあり、ごく自然に老いた姿が似ているのだと考えるべきだろう。
【ウタとの扱いの差】
また、FILM REDでのウタに対する扱いとの違いも、根拠の一つとして挙げられよう。
五老星はウタのことをシャンクスの実子と勘違いしていたが、一方で、彼女の母親が天竜人ではないことはその時点で分かり切っている。
にも関わらず、彼らはウタのことを「フィガーランド家の血筋」と考え、あれだけの騒ぎを起こしながらもギリギリまで殺害を躊躇っていた。
つまり、母親がどこぞの馬の骨とも知れない下々民だとしても、父親が天竜人ならば、その子は天竜人として認められていることになる。
一方、ボニーは病気となった母親と共にあっさりと聖地マリージョアから捨てられた。
これは明らかに天竜人に対する処遇ではない。
FILM REDはたしかにアニオリ映画ではあるが、上記の五老星の会話は当時まだ原作でも明かされていなかった重大な設定を含んでいた。
監修である尾田先生がよく目を通し、細部まで指示されているはずだ。
「片親さえ(あるいは父親が)天竜人ならば、天竜人と認められる」というのは原作準拠の設定である可能性は極めて高い。
【ジニーは飽きられていた】
さりとて、実際にジニーは天竜人に目を付けられ、妻となるべく攫われている。
そんな女性が下々民の子を孕むことなどあるのか? と思われるかもしれない。
これについては単にジニーが「夫となった天竜人に飽きられた」とすれば説明がつく。
もとよりチャロルス聖の例からも分かる通り、天竜人にとっては下々民出身の妻など飽きればすぐに捨てられる程度の価値しかない。
侍従の台詞からして、一応は『名誉天竜人』として遇され、奴隷などより遥かにマシな待遇は受けられるようだが、本質的には単なる天竜人のオモチャに過ぎない。
つまり、夫である天竜人に飽きられたジニーは、マリージョアにて下々人の夜伽の相手をさせられていたのではないだろうか。
【天竜人お抱え娼婦】
ジニーは確かに天竜人の妻となるべく攫われたが、捨てられる直前もまだ妻だったとは限らない。
妻となって1年ほどで飽きられたジニーは、下々民の身分に戻されてもなお、その美貌に目を付けた元夫によってマリージョアに留め置かれ、彼が招いた客人への性接待を強いられていたわけだ。
客人にとっても、「天竜人の元妻」という肩書を持った美女を抱けるのは名誉なことであり、また、興奮材料にもなっただろう。
そして、その1人の下々民の子を身籠った。
【父親はベコリ王】
天竜人に聖地マリージョアへ招かれるなど、よほど気に入られていなければあり得ない。
各国の王達ですら4年に1度のレヴェリーでしか来ることはないのだから。
そんな特別待遇を受けるくらいに天竜人から気に入られており、更にはコニー王太后とも血縁関係にある人物が1人だけ存在する。
そう、我らがソルベ王国のベコリ王である。
ボニーの父親がベコリ王だと考えれば、全てに筋が通る。
【天竜人のお気に入り】
通常、世界政府は加盟国で政変があったとしても助けてはくれない。
アラバスタ王国や旧ドラム王国が分かり易い例だろう。
政府にとっては天上金さえ支払ってくれるのならば、加盟国の王朝が変わろうとも、何の関心も無いのだ。
だが、そんな原則から外れ、ベコリ王が失脚した際には天竜人が復権を後押しし、海軍を動かした。
この事実は、ベコリ王が普通の加盟国国王よりも格段に天竜人から気に入られていたことの証左である。
ソルベ王国南部に対する棄民政策の一件にしてもそうだ。
南部の国民を切り捨て、人口を減らせば天上金の支払額が減る。
だが、これは本来、天竜人にとっては不利益となる政策のはずだ。
しかし、ジニーによればこれは天竜人からベコリ王に対する助言の結果、行われたという。
即ち、例え天竜人全体にとっては損になろうとも、それでもベコリ王に天上金の節約術を指南してやる程に、かの王を寵愛する天竜人が存在したことになるのだ。
その人物こそがジニーを攫わせ、妻とした天竜人なのだろう。
ジニーの美貌についても、ベコリ王から聞いた情報かもしれない。
飽きるほどに散々弄んだ元妻を、聖地に招いたお気に入りのベコリ王に宛がい、抱かせてやった。
その結果、産まれたのがボニーだとすれば、何の矛盾も無くなる。
くまにとっては宿敵とさえ言える因縁の相手の子供を育てることになっているわけで、何とも因果な話ではある。