ネオ・ディグ・モード vol.9 「デヴィッド コーマ(DAVID KOMA)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.9は、デヴィッド コーマ(DAVID KOMA)!
私がデヴィッド コーマでとくに好きなコレクションは、2025年春夏シーズン。その理由は、可愛いシャーベットカラーが登場するからです。
これまでモノトーンが多い印象だったので、ピーチ、レモン、ソーダなどの柔らかなカラーパレットに新鮮さを感じました。
デヴィッド コーマってどんなブランド?
デヴィッド コーマは、ジョージア生まれロンドン拠点のデザイナー、デイヴィッド・コーマ(David Koma)が2009年に設立したブランド。
この記事では、まずデザイナーのバックグラウンドを紹介。その後、2025年春夏コレクションにスポットを当てて、その出発点や新たな変化を深掘りしていきます。
8歳でドレスを描き始める
ジョージア生まれロシア育ちのデヴィッドは、8歳のときドレスを描き始めました。そして13歳までに、最初のコレクションをデザイン。
高校を卒業後、サンクトペテルブルク芸術アカデミーに進学。ファッション史とイラストレーションを学んだ後、セントラル・セント・マーチンズに通うためにロンドンへ向かいました。
セント・マーチンズを卒業後、ロンドンを拠点に自身の名前を冠したブランドを設立。
2024年には、ミラノでメンズウェアのデビューコレクションを発表し、スイムウェアのラインも立ち上げました。
そして、彼はイタリア拠点のブランド、ブルマリン(BLUMARINE)のクリエイティブディレクターに任命されています。
SS25のミューズはハチドリとツバメ
2025年春夏コレクションの出発点は、フォトグラファーのレイラ・ジェフリーズ(Leila Jeffreys)が撮影した、鳥のポートレートです。
自然の中で撮影した場合には気づかないかもしれないディテールをよく捉えた写真に、彼は夢中になりました。
鳥のポートレートからインスピレーションを得て、デヴィッドが思いついたのは「ブランドらしさ」と「新鮮さ」を感じさせるコレクションです。
2025年春夏コレクションのミューズは、ハチドリとツバメ。
きらめく存在感でエネルギッシュなハチドリは、デザインに動きを。
愛情深くて優雅に飛行するツバメは、デザインにロマンチックな柔らかさを与えました。
魅惑的な力強さ+女性らしい柔らかさ
デヴィッド コーマを代表する色といえば黒。ですが、2025年春夏シーズンはカナリアイエロー、ブルー、ピンクなどのパステルカラーが登場します。
パステル調のカラーパレットは、デヴィッドが鳥のポートレートを撮影したレイラから思いついたもの。
このシーズンは、ドレープや透明感が多く取り入れられているのも特徴です。シルクのチュールやジャージー素材で、遊び心がプラスされています。
デイヴィッドは、ブランドが既存で打ち出していた魅惑的な力強さに、女性らしい柔らかさを融合させて、新鮮さを生み出しました。
気になったらチェックしてみて!