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ネオ・ディグ・モード vol.53 「カルト ガイア(CULT GAIA)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.53は、カルト ガイア(CULT GAIA)!
カルト ガイアは、ジャスミン・ラリアン・ヘクマト(Jasmin Larian Hekmat)が2012年に立ち上げた、LA拠点のブランド。
この記事では、ジャスミンのバックグラウンドや、デザインの美学にスポットを当てて、深掘りしていきます。
趣味の花冠からスタート
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ジャスミンは、アートやファッションに囲まれて育ちました。母親は彫刻家で元ファッションデザイナー、父親はおもちゃ会社を経営。
子どもの頃、母親と一緒に美しいヴィンテージ生地を集めていて、いつか、それらを使って自分のブランドを立ち上げるだろうと思っていました。
ファッションデザインを学んだニューヨーク市のファッション工科大学は、花の卸売りエリアであるフラワーディストリクトのすぐ隣にありました。
ジャスミンは暇なときに、女神にインスパイアされた花冠を作り、友人たちと一緒に街中で身につけるように。
すると、通りで何人かの人がそれを買ってもいいかと尋ねてきました。
友人が花冠でビジネスをしたらどうかと勧めたとき、ジャスミンは趣味をビジネスにすることを決意。
花冠に加えて、長年集めてきたヴィンテージ生地でターバンを作ることで、製品の範囲を広げました。
そうして、カルト ガイアは今日の形へと進化していきました。
真のライフスタイル ブランドを目指して
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2012年、ジャスミンはブランド初のバッグ「アーク(Ark)」を発売。
アークは、現在ではカルト ガイアの代表的なバッグとなっていますが、そうなるまでには2年以上かかりました。
バッグの成功を足掛かりに、カルト ガイアは「真のライフスタイル ブランド」を目指しています。
バッグの発売以来、靴やプレタポルテ、水着、サングラスなど製品の幅を拡大。
ヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)やクリッシー・テイガン(Chrissy Teigen)などのセレブリティは、カルト ガイアのファンです。
ジャスミンは、カルト ガイアをカリフォルニア風のシックなブランドへと成長させました。
身に着けられるアートを作りたい
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ジャスミンのデザインに対するアプローチは、感情を呼び起こし、素晴らしい芸術作品のような作品を作ることです。
ファッションと芸術は複雑に絡み合っていて、ジャスミンが作るものすべてが身に着けられるアートとして解釈され、人々に「すごい!」と思わせることが重要でした。
バッグについては、本棚やコーヒーテーブルに置いてあるだけで美しく見えるようにしたいと考えています。
ジャスミンにとって、良い作品とはアーカイブとして保存したい作品です。
気になったらチェックしてみて!
text 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨
all imagery courtesy of CULT GAIA