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ネオ・ディグ・モード vol.11 「エスター マナス(ESTER MANAS)」

東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!

私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。

vol.11は、エスター マナス(ESTER MANAS)

パリ・ファッション・ウィークをきっかけに知った、エスター マナス。どんな体型も歓迎する、サイズインクルーシブの代表的なブランドのひとつです。

誰もが体型を問わずに楽しめるファッションの未来を期待させてくれます。

SS23 (Image from the official website)

エスター マナスってどんなブランド?

エスター マナスは、ベルギー拠点のブランド。2023年に結婚したエスター・マナス(Ester Manas)とバルタザール・デルピエール(Balthazar Delepierre)のデュオが、2019年に立ち上げました。

この記事では、サイズインクルーシブのコンセプトにスポットを当てて、その背景やデザインプロセスを深掘りしていきます。


サイズインクルーシブは野望

SS25 (Photo from the official website)

エスターとバルタザールは、ブリュッセルにある芸術学校、ラ・カンブルで学んでいたときに出会いました。

エスターは、ファッションデザインコースで勉強。バレンシアガ(BALENCIAGA)やアクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)などのブランドでインターンシップを経験しました。

一方、バルタザールは、グラフィックデザインの世界にどっぷり浸かっていました。

エスターは卒業コレクションのコンセプトを練り始めたとき、初めて自分自身にこう尋ねました。

「ラ・カンブルでの5年間、なぜもっと大きな体型のモデルと仕事する機会がなかったのか」。

それ以来、包括性とサイズの表現が彼女の野望となりました。

フラストレーションが原動力に

SS25 (Photo from the official website)

エスターとバルタザールは、ファッションが女性の身体を見せる方法に問題を抱えているのは、エスターだけではないことに気づきます。

サイズ44~46のエスターには、自分の体にぴったり合う服を見つけるのが大変でした。

そのフラストレーションを解決策につなげようと、より幅広いサイズと柔軟性を実現する新しいテクニックを開発。

エスターにとって、最初それは自分の創造性や夢のためでもありました。

最初のコレクションを作ったとき、モデル、友人、クライアントなど周りから届いたのは「これを進めるべき」という声。

それは、ふたりにとって感動的な瞬間でした。

あらゆる方法で女性をサポートしたい

SS25 (Image from the official website)

サイズインクルーシブで重要な役割を担っているのは、テキスタイル。

エスター マナスでは、使用する素材の80%が伸縮性を備えています。

ふたりはパリの倉庫で多くの時間を費やして、デッドストックの生地探し。見つけた生地をミックスさせるのが、コレクションを作る方法です。

たとえば、2023年秋冬コレクションの90%は、デッドストックを使用して作られました。

エスターは、ブランドのモットーを「あらゆる方法で女性をサポートする」と表現。すべての人に、体型に合う服を着せようとしています。

気になった人はチェックしてみて!

text  𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨
imagery courtesy of ESTER MANAS

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