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ネオ・ディグ・モード vol.24 「ナディア ワイヤー(NADIA WIRE)」

東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!

私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。

vol.24は、ナディア ワイヤー(NADIA WIRE)

2023年10月末、原宿のポピー(POPPY)を訪れたときに発見した、ナディア ワイヤー。

ボリューミーなフリルとポップなカラーに、心がときめきました。

ポピーで見つけたナディア ワイヤー (Photo by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

ナディア ワイヤーってどんなブランド?

ナディア ワイヤーは、デザイナーのナディア・ワイヤー(Nadia Wire)が設立した、デンマーク発ブランド。

この記事では、ナディアのバックグラウンドやインスピレーション源、ブランドの核である機械編みに着目しながら、深掘りしていきます。


祖母が手編みを教えてくれた

Mini Ruffle Dress (Photo from the official website)

デンマーク、北シェランの田舎で育ったナディア。ファッションデザイナーのような仕事をしたいと思ったのは、8歳くらいの頃です。

当時、まだ具体的なビジョンはありませんでしたが、祖母に教えてもらって手編みをしていました。

家族は誰もクリエイティブな分野で働いていませんでしたが、唯一、祖母が創造的なセンスを持っていました。

その後、ナディアはセントラル・セント・マーチンズに進学。そこでテキスタイルとニットウェアを学びました。

機械編みの授業を受けたときのこと。ナディアは、機械編みで可能性が広がることを知って、衝撃を受けました。

そのとき、「これこそ自分の専門にしたいことだ!」と感じました。

ピーター ピロット(PETER PILOTTO)、プリングル オブ スコットランド(PRINGLE OF SCOTLAND)、アイリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)などで経験を積んだ後、ナディアは自身のブランドを立ち上げました。

機械編みで完璧な生地を作り出す

(Photo from the official website)

ナディア ワイヤーの核となっている、機械編み。ナディアにとって、その魅力は手編みでは不可能なテクニックを探求できるところです。

繊細な糸を使用しても、編み方やテンションの調整次第で、織物のように強い生地を作ることができます。その変化を、彼女はとても魅力に感じています。

ナディア ワイヤーの工場には、ドイツのStoll社製の機械が3台あります。それぞれの重さは、約1トン。

何千もの小さな部品が組み合わさった、その機械によって、生地が作り出されています。

高度なプログラムでコーディングされている、ナディア ワイヤーのデザイン。そこには、熟練プログラマーの存在が欠かせません。

プログラムにはテンション、ステッチの種類、マシンの速度、形状が設定されています。

そのプログラムが誤作動を起こさないように、正確に管理しているのがプログラマーです。

パーツを直接編み出して、ごみゼロ

Stripe Frills (Photo from the official website)

機械編みは、ごみを出さない「ゼロ・ウェイスト」にもつながっています。

ナディア ワイヤーでは、生地を切って縫い合わせることはありません。各パーツを機械上で正確に計算し、必要な形状を直接編み出しています。

そのため、無駄な材料を使用せず、アイテムを作ることが可能です。

インスピレーション源はミッソーニ

ナディアのデザイン、とくにテキスタイルの面でインスピレーションを与えたのは、ミッソーニ(MISSONI)です。

ナディアにとって、ミッソーニは色、質感、パターンの可能性を押し広げた存在。

リサーチするときには、よくミッソーニのアーカイブを参考にしています。

また、イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)も、リブ構造から生まれるボリューム感や彫刻的なデザインの面で、ナディアに大きな影響を与えました。

気になったらチェックしてみて!

text  𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨
all imagery courtesy of NADIA WIRE
(except one taken by me)

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