ネオ・ディグ・モード vol.22 「コミッション(COMMISSION)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.22は、コミッション(COMMISSION)!
2020年度LVMHプライズのセミファイナリストに選出されたコミッション。
キム・カーダシアン(Kim Kardashian)やロザリア(Rosalía)、チャールズ・メルトン(Charles Melton)などのセレブリティに愛用されています。
最近では、BLACKPINKのロゼが『i-D』の誌面で、コミッションの2025年春夏コレクションを着用しています。
コミッションってどんなブランド?
コミッションは、2018年にニューヨークで設立されたブランド。
創設者は、ベトナム出身ディラン・カオ(Dylan Cao)と韓国出身ジン・ケイ(Jin Kay)のデザイナーデュオです。
この記事では、ブランドが誕生した背景やデザインのインスピレーション源にスポットを当てて、深掘りしていきます。
偶然の出会いからブランド設立
ディランとジンは、それぞれの夢を追いかけて、ニューヨークのパーソンズ美術大学に進学。卒業後は、それぞれ有名ブランドで働きました。
ディランはアール13(R13)でアクセサリーデザインを担当し、ジンはプラバル グルン(PRABAL GURUNG)でシニアデザイナーとして活躍。
2017年秋、共通の友人の誕生日パーティーにて。彼らは偶然出会い、デザイン哲学に共通点を見つけて、すぐに意気投合しました。
当時のアメリカのファッション界には、彼らが望む形で「アジア人としてのアイデンティティ」を語るブランドがほとんど存在しませんでした。
西洋のアートやデザインがアジアを表現する方法に、うんざりしていたディランとジン。
蓮の花やドラゴンばかりが描かれるのではなく、もっと多様で繊細な文化を伝えたい。
その役割を果たすブランドとして、コミッションは誕生しました。
彼らの使命は、「アジアのアイデンティティを知的に繊細な方法で物語る」です。
インスピレーション源は母たちの服
デザインのインスピレーション源は、1980年代から1990年代にかけて、東アジアで働く母親たちが着ていた服です。
当時のアジアは西洋ほど華やかではなく、ファッションはもっと実用的なもの。
コミッションの代表的なデザインを形作っているのは、ディランとジンの母親たちの服装です。
ディランの母親は人事担当で、ドレスは着ませんでした。ジンの母親は医師で、控えめなテーラードスーツに白衣を重ね着していました。
そこから、フローラルシルクブラウス、スリット入りのペンシルスカート、肩幅の広いスーツなどがデザインされました。
気になった人はチェックしてみて!