ネオ・ディグ・モード vol.16 「ファーム リオ(FARM RIO)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.16は、ファーム リオ(FARM RIO)!
私がパリの老舗百貨店、サマリテーヌの売り場で気になったブランドのひとつがファーム リオ。その色使いやプリントは、見ているだけでハッピーな気分にさせてくれます。
ファーム リオってどんなブランド?
ファーム リオは、1997年にカティア・バロス(Katia Barros)が幼なじみのマルセロ・バストス(Marcello Bastos)と一緒に設立した、ブラジル拠点のブランド。
2023年9月時点で、ブラジルに90店舗、アメリカに3店舗、フランスに3店舗、トルコに1店舗ほど展開しています。
この記事では、ファーム リオの誕生ストーリー、デザインのインスピレーション源やプロセスを深掘りしていきます。
会計監査からデザインの道に
カティアがデザインを始めたのは、10代の頃。90年代はファッションに特化した学校が無かったため、彼女はファッション業界でのキャリアを真剣に考えたことはありませんでした。
ビジネスに携わっていた両親の影響で、会計の学校に通うことに。卒業後は企業に就職し、会計監査の仕事をしました。
仕事は上手くいっていましたが、男女差別のある環境に抑圧されていたカティア。自分にはクリエイティブな表現の場が必要だと考え、デザインの道に進みました。
そして、目を向けたのはリオデジャネイロのファッション マーケットプレイス、Babilônia Feira Hype。
そこのブースで販売するため、作品を作り始めました。それが、ファーム リオの最初の作品です。
ブラジルが最大のインスピレーション源
カティアがファーム リオを立ち上げた背景には、ブラジルのファッションに対する悩みがありました。
当時は、ブラジルのファッションは、ヨーロッパから輸入したものばかり。
ヨーロッパのニュートラルなカラーパレットやプリントに、ブラジルの風景やライフスタイルは反映されていません。
彼女は、それを変えたいと思いました。そこには、自身のルーツに対する強い愛が影響しています。
リオデジャネイロ生まれのカティアにとって、 大好きなブラジルは最大のインスピレーション源です。
ブラジルの自然やカルチャー、音楽、ダンス。これらの要素を作品に取り入れて、 ブラジルに住んでいる誇りを表現しています。
地元のデザイナーチームがプリント制作
カティアとマルセロは、地元のデザイナーやスタイリスト、職人と協力して、コレクションを開発しています。
プリントを作っているのは、ブラジルを拠点とするデザイナー40人のチームです。
最初のスケッチを起点にして、彼らがプリントに命を吹き込んでいます。なかには手描きのプリントも。
カティアはビジネス管理や人材育成、ブランディングなど多数の業務を担当していますが、心から楽しんでいるのはコレクション開発です。
色を選んだり、プリントを作ったり、素材を決めたり、形をデザインしたりするプロセスを好んでいます。
気になったらチェックしてみて!