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ネオ・ディグ・モード vol.7 「エ ローエ ホーベ(A. ROEGE HOVE)」

東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!

私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。

vol.7は、エ ローエ ホーベ(A. ROEGE HOVE)

エ ローエ ホーベを知ったのは、コペンハーゲン・ファッション・ウィークがきっかけ。

もともとニットウェアが大好きな私ですが、エ ローエ ホーベの透け感に心くすぐられました。

CREDIT: SSENSE

エ ローエ ホーベってどんなブランド?

エ ローエ ホーベは、アマリー・ローエ・ホーベ(Amalie Roge Hove)が2019年に立ち上げた、デンマーク発ブランドです。

日本でも取り扱いがあり、URBAN RESEARCHのオンラインストアや都内のセレクトショップGIGINAで見つけられます。

この記事では、デザイナーがブランドを立ち上げるまでのストーリーや、デザインの秘密をメインに深掘りしていきます。


伝統的なウールは使いたくない!

(image from the official facebook)

アマリーは、テキスタイルデザインを学んだ母親のもとで育ちました。生まれたときから服を作ってくれていた母の影響で、彼女自身も母のミシンでいろいろと作ってみるように。

テキスタイルに興味を持ってからは、作りたい形にぴったり合う生地がなかなか見つからず苦労していました。

そんなとき、自分でテキスタイルを作る選択肢があることを、母から教わります。

アマリーはデンマーク王立芸術アカデミーに進学し、ニットデザインを勉強。立体的な形を作るなかで、これがフルタイムで取り組みたいことだと気づきました。

当時から工芸にとても惹かれていて、「伝統的なウールは使いたくない」と感じていたアマリー。今では、すべての作品をナイロンとコットンで作っています。

ブランドの立ち上げには苦労も

SS25(image from the official facebook)

自身のブランドを立ち上げる前、アマリーはコペンハーゲン拠点のセシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)やマーク ケンリー ドミノ タン(MARK KENLY DOMINO TAN)で働いていました。

その経験は決して良い面ばかりではなく、ブランドの立ち上げで苦労する要因にも。

他のデザイナーのために働いているときは、常にそのブランドについて考えている状態になります。そうしているうちに、アマリーはその人の世界観に強く惹かれました。

それが、自分のブランドを立ち上げるとき、その世界観を捨て去るのに苦労する要因に。

また、他のデザイナーのために働いているときには、実現したいアイデアがあっても、実際には実現しないこともあります。

アマリーは、まず自分の時間を持って、自分で試してみることを必要としました。

彼女にとって大事なのは、ニットを従来とは別の方法で表すこと。それだけに焦点を当てたブランドを作りたかったのです。

アマリーはリビングルームで小さなミシンを使ってニットを縫いながら、自分のアイデアをいろいろと形にしていきました。

着る人によってフィット感が変化

(image from the official facebook)

エ ローエ ホーベのアイテムは機械編みで作られ、どんな体型にもフィットするデザインです。

その理由は、ニットの伸縮性。着る人によってフィット感が異なるため、同じアイテムでもまったく違って見えることも。

アマリーにとって、生産は遊び心のあるプロセスです。

作品が完成するまでの時間は、さまざま。たとえば、ドレスを1着作るのに、最大2時間かかることがあります。

これは約200着を生産しなければならない工場にとっては、かなり長い時間。彼女は、まだ新しい生産方法を見つけようと取り組んでいる最中です。

気になった人はチェックしてみて!

text  𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨
imagery courtesy of A. ROEGE HOVE, SSENSE

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