ネオ・ディグ・モード vol.15 「アウェイクモード(A.W.A.K.E. MODE)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.15は、アウェイクモード(A.W.A.K.E. MODE)!
アウェイクモードが気になったのは、2022年のアンドアザーストーリーズ(& Other Stories)とのコラボがきっかけ。日常で着やすくて、シンプルながら個性があるデザインに惹かれました。
アウェイクモードってどんなブランド?
アウェイクモードは、ロシア生まれのナタリア・アラベルディアン(Natalia Alaverdian)が立ち上げた、ベルギー拠点のブランド。
この記事では、ファッション エディターからデザイナーに転身したナタリアのバックグラウンドや、彼女の美学を中心に深掘りしていきます。
スタイリングを学んでエディターに
子どもの頃、ナタリアは歴史の本、とくに衣装の歴史に関する本を熱心に読んで、たちまち夢中になりました。
彼女が間違いなくファッションの道に進むと確信したのは、数年後のこと。
ヴィヴィアン・ウエストウッドとジョン・ガリアーノのデザインに出会ったときです。10代だった彼女は衝撃を受けました。
デザインをゼロから学びたいと思って、セントラル・セント・マーチンズに通おうと考えました。
しかし、「ファッションの学校には行かせたくない。まずはビジネスを学びなさい」という両親の言葉に従って、ビジネスを学ぶことに。
その後、スタイリングを勉強して、ロシア版ハーパーズ バザーのファッション ディレクターになりました。
その仕事に就いた理由は、彼女にとって、デザインに最も近いのはスタイリングだったからです。
夫が勇気をくれて、デザイナーに
でも、彼女が本当に好きなのは、スタイリングよりもデザイン。
心の中では、スタイリストというよりファッション デザイナーだと常に思っていました。
たくさんのイラストを描き、服や人物のスケッチに夢中になっていましたが、いざデザインをするのは不安に感じていたナタリア。
計算やパターン カッティングでミスをするのが怖かったからです。
そんな彼女の背中を押してくれたのは、夫の存在でした。
そして、彼女はファッション デザイナーに転向しました。
美学のベースはファンタジー
子どもの頃から、おとぎ話が大好きなナタリア。彼女の美学は、「夢の世界」がベースとなっています。
彼女は、ティム・バートン監督の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』や、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』などのファンタジー映画が大好きです。
ナタリアは、自分が見たものや注意を引かれたものから、シルエットをデザインしています。
ファンタジー映画に出てくるクレイジーな帽子から、シルエットが生まれることも。
コレクションの50%は自分が着たいもの
ナタリアは、コレクションの50%を自分が着たいものに基づいて制作。
残り50%は絵画のように、あるいは色や形で言いたいことを表現できるオブジェクトのように扱っています。
いつもそうなるとは限りませんが、これがアウェイクモードの方程式です。
デザインするとき、ナタリアは自分との正直な対話を欠かしません。「これを本当に着るの?」と自身に問いかけます。
そして、「どのくらいの頻度で着るの?」、「 どんな機会に着るの?」と次々に質問していきます。
彼女は明るい色を着ません。そのため、自分が着たいものをベースに作る50%は、黒と白の落ち着いたカラーパレットになることがほとんどです。
気になったらチェックしてみて!