ネオ・ディグ・モード vol.20 「エイティーズ(EYTYS)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.20は、エイティーズ(EYTYS)!
エイティーズといえば、ソールの厚いシューズ。「Mother」と名付けられたスニーカーが、ブランドのシグネチャーとなっています。
エイティーズってどんなブランド?
エイティーズは、2013年に設立されたストックホルム拠点のブランド。
幼なじみのマックス・シラー(Max Schiller)とジョナサン・ハーシュフェルド(Jonathan Hirschfeld)が立ち上げました。
この記事では、ブランドのアイコンとなったスニーカーに着目。その誕生ストーリーや、ブランドの原動力について深掘りしていきます。
厚底スニーカーのトレンド発信源
エイティーズの始まりは、マックスが3.8cmの厚底スニーカー「Mother」を思いついたとき。
そのデザインはシンプルで、キャンバス地のアッパー(靴の底を除いた上の部分)と厚さ3.8cmのソールで構成されています。
当時は存在していなかった、そのシルエットこそ、マックスとジョナサンが求めていたものでした。
最初、世間から「ABBAシューズ」と呼ばれ、すぐに反響を得た「Mother」。
ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)やディエチコルソコモ(10 CORSO COMO)など、有名ショップに並ぶようになりました。
マックスは、「Mother」が厚底スニーカーのトレンドを生み出したと考えています。
人気の上昇に伴い、デザインを進化
最初、エイティーズは「Mother」だけを作っていましたが、厚底シューズの人気が上昇するにつれて、デザインを進化させ続けてきました。
その代表的なひとつが、「Angel」です。
このデザインは、90年代初頭のイーストLAがインスピレーション源となっています。
きれいに着古されたワークウェアに、トレイルシューズや厚底のワークシューズを合わせることが多かった、当時のスタイル。
マックスは、そのスタイルを少し膨らませて、自分たちのバージョンとして「Angel」を作りました。
着たいと思う製品をデザイン
エイティーズの原動力は、常識を打ち破り、デザインにユニセックスを取り入れることです。
それは、彼らのアパレル進出にもつながっています。
最初のアパレル コレクションは、フットウェアと同様、すべてユニセックスです。
マックスにとって、性別に特化したシューズ、あるいはその他のアイテムを作るのは気分がよくありません。
もともと、自分たち専用の製品を作るために立ち上げた、エイティーズ。アパレルでも、自分たちが着たいと思う商品をデザインしています。
マックスはデザインするとき、忘れ去られてしまったクラシックなアイテムに立ち戻ることがよくあります。
ヴィンテージショップで気に入ったものを見つけても、しっくりこないことがあるかもしれません。
それを再考し、自分たちが望むものに作り直す。それがデザイン哲学です。
気になったらチェックしてみて!