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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿(6)

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米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第6回目全文無料で皆さまにお届けします。

弟子のNEOさんへ


アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。


背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


第5回から続く


そもそも。
著名○○エコノミストはこう、著名○○ストラテジストはこう、○○アナリストはこう言っている。ABC社の著名投資家○○さんはこう言う。XYZ社の著名投資家○○さんはこう言う。要は、他人がそう言ってるのですね。

たくさんの情報が巷に存在する時代、誰かFRBの要人や高官が発言するとそれが、そのたびに、すぐにニュースになり、ひとりひとりの発言が、報道されます。それに加えて、たくさんの解説者や著名要人投資家も、様々に持論を展開します。それらも報道されます。僕は、聞くだけで、疲れます。そんなたくさん。何が何だか分からなくさえなります。

先日、著名投資家ジム・ロジャース氏のコメントが出ていました。
そのコメント内容については全く読んでません。読んだのは一行だけ。
「人(の話)に聞いて投資するなんて、それはやめた方がいい」
この一行を読んで、「ですよね」と思っただけです。(笑)

FRBのピボット(政策転換)探知

さて、第4回の寄稿で、キーワードとして、FRBのピボット(政策転換)をあげました。

このピボットを、中長期で見て、どんな現象になった段階で、探知できそうなのか。

アメリカの金融政策を遂行しているのは、米議会(米国民)から負託を受けたFRBです。
著名投資家や著名エコノミスト、元○○○○だった人、解説者ではありません。ですので、素直に、FRBの人が言っている事を聞いています。

その前の第3回の寄稿では、「サンフランシスコ連銀総裁、NY連銀総裁、FRB理事、副議長、議長の発言に、より耳を傾けるようにしています」と寄稿させて頂きました。

まず、サクッと下記の①~④をご覧ください。

①連邦公開市場委員会(FOMC)は、年間8回開催
地区連銀は、下記の12地区に分割されています。
ニューヨーク連邦準備銀行が全体の要です。ニューヨーク連銀の総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)で、常に政策決定の投票権を握っています。

第1地区 ボストン連邦準備銀行 マサチューセッツ州ボストン
第2地区 ニューヨーク連邦準備銀行 ニューヨーク州ニューヨーク
第3地区 フィラデルフィア連邦準備銀行ペンシルベニア州フィラデルフィア
第4地区 クリーブランド連邦準備銀行 オハイオ州クリーブランド
第5地区 リッチモンド連邦準備銀行 バージニア州リッチモンド
第6地区 アトランタ連邦準備銀行 ジョージア州アトランタ
第7地区 シカゴ連邦準備銀行 イリノイ州シカゴ
第8地区 セントルイス連邦準備銀行 ミズーリ州セントルイス
第9地区 ミネアポリス連邦準備銀行 ミネソタ州ミネアポリス
第10地区 カンザスシティ連邦準備銀行 ミズーリ州カンザスシティ
第11地区 ダラス連邦準備銀行 テキサス州ダラス
第12地区 サンフランシスコ連邦準備銀行カリフォルニア州サンフランシスコ

②前のNY連銀の総裁は、ビル・ダッドリー氏。前職はゴールドマン・サックスのチーフエコノミストでした。ダッドリー氏がゴールドマンからNY連銀に移る時、ゴールドマンでは、ダッドリー氏の後任に、現在のチーフエコノミスト・ヤン・ハチウス氏を指名しました。

ヤン・ハチウス氏

ヤン・ハチウス氏は過去10年にわたって、ウォール街で最も優れたエコノミストであると僕は思っています。ですので、民間の投資銀行のエコノミストの{話}はヤン・ハチウス氏が、話してくれる時、コメントしてくれる時、その報道が伝わる時に注視するようにしています。

③前のNY連銀ダッドリー総裁が退任する時、流れたニュースは、「米ニューヨーク連邦準備銀行は任期途中で退任するダドリー総裁の後任に、サンフランシスコ連銀総裁のウィリアムズ氏を起用すると発表した。ダドリー氏は、イエレン氏からの信頼が厚かった。」

④  ①から③を見て思った事
「あっ、イエレンさんのおひざ元、サンフランシスコからNY。現代においては、サンフランシスコからNYって、ひとつの出世コース?民間でしか働いた事ないからよくわかんないけど。別に都市で決めつけるわけではないけれど、普通にアメリカを見ても、やっぱ、その人口構成や産業構造からみて、カリフォルニアとニューヨーク。

「ちょっと余談ですが、過去の経験から、アメリカの実体経済における全体推移、物価、生活水準の変化、人々の暮らし向きの変化を見る時に、一番のベンチマークになってきた、なる、のはボストン。ボストンです。」

話をもどして、とにかく、カリフォルニアとニューヨーク。
サンフランシスコ連銀とニューヨーク連銀。

過去約10年のFRBを見た時(金融政策)、バーナンキ氏、マダム・チェア・イエレンパウエル氏。特にイエレン・パウエル時代、実質的に、金融政策に大きな力をふるった人、一番発言力があった人、その人の発言通りに、ほぼ、後になりましたね、と僕が感じるのは、ラエル・ブレーナード当時理事・現副議長、その人です。
もともとそう思っていましたが、マダム・チェア・イエレン時代、かなり昔のジャクソンホールでの会合時、当時のフィッシャー副議長をうまくかわして(僕個人の印象では、むしろ、うっちゃった、いなした)自分の考えを通している姿をアメリカのメディアを通して見た時、「あ~、この人でしょうね」と再認識しました。


今年の年初1月半ば、報道で、「ブレイナードFRB当時の理事が、3月利上げに含み-インフレ抑制に意欲-影響力のあるハト派寄り当局者の一人であるブレイナード理事が高インフレと闘う姿勢を示したことは同理事の政策面での重要な転換点」これを見た時、「あっ、今年大変と思いました」。
率直に言いますと、「あっ、ブレーナード理事がやっと、いよいよ、重い腰を上げた」と思いました。

「パウエルさんは議長。みんな、ジェイどう言ってる?(ジェローム・パウエルなので、ジェイって呼ぶ人が多いですね)今回、ジェイは?という具合です。いつも議長が真っ先に話題になります。もちろんです、議長ですから。」

注目点は、サンフランシスコ連銀とニューヨーク連銀の総裁発言が、ひとつに収れんされてきて、それらが、ブレーナード副議長の発言と、さらに収れんされる時。
まあ、パウエルさんは、その後の大舞台で、ブレーナード副議長が言う、一度言ったような事を、少し時間を経て、言うかなあ?という感覚です。

サンフランシスコ連銀、NY連銀両総裁、ブレーナード副議長の発言の整合性をみて、おおかたコンセンサスっぽくなってきて、何かの会合や機会にブレーナード副議長が、単独で、そのコンセンサスっぽい発言をした時、そこを一つの起点、手がかりとしてとらえる事を心がけています」

「今の時代、地区連銀の総裁達のご意見は、ドット・プロットで」

ノーベル賞受賞者のバーナンキ元FRB議長が、今年5月中旬に~ひらたく発言を解釈しますと、「FRBのインフレ対応遅すぎる。その障壁になってるのが、フォワード・ガイダンス」という主旨のご発言をされておられました。あれから5か月。

「ピボット~を探知する手がかり
いっぱいありすぎる情報に対応しきれない僕は、
まず、見通しについては、ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス チーフ・エコノミストが話す時に聞きます。

その上で、サンフランシスコ連銀総裁とニューヨーク連銀総裁、そして、ブレーナード副議長のご発言が、コンセンサスっぽくなって行く時を注視します。
その時、キーワードとしてあげた、FRBのピボット(政策転換)を、少しだけ早めに探知できたら良いなと考えています。最終的にはパウエル議長がお話になるでしょうから。」
そういう意味での今の僕の立ち位置は、
第4回の寄稿に寄稿させて頂きました、
「数日前、ラエル・ブレーナード副議長の発言時(誤解されないよう慎重に言葉を選び、最大の注意を払って話していました)「利上げのインパクトを慎重に見極めたい」という主旨の発言をした時。「ピリッと緊張が走りました。」

ピリッと緊張


そして、同じく、第4回の寄稿に寄稿させて頂きましたが、
「21日、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、政策当局者らは利上げの幅の縮小を計画し始めるべきだが、まだ、大幅な利上げから「一歩下がる」時期ではない。現時点では、少なくとも検討すべきことではあるが、「これまでのところデータは協力的ではない」」

収れんの第一歩、始まりなのかと意識して、注意は払っています。

今後、年末年始、そういう時間軸で、それぞれの発言の収れんに向けて、「一歩下がる」「データは協力的ではない」こういった言葉が、どのタイミングでどう変化するのか。今は、注意をはらっています。これが僕の立ち位置です。

第7回へ続く



最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連note

🍅注意事項

①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


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NEO
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