見出し画像

米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿(8)

🍅🍅

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第8回全文無料で皆さまにお届けします。

弟子のNEOさんへ


アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。


背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


第7回から続く


①「Buy-買い」②「Attractive-魅力的」③「Hold-中立」④「UnattractiveもしくはSell-売り」アメリカ株について、4段階のレーティングがあるとすると、コーポ―レート・アメリカ、この夏以降、僕の立ち位置は④です。この夏、「もう今後、アメリカ株についてはそうそう、いい事は起こらない」と内心思っていました。そう思ったのは、6月10日のCPI、梅雨の暴落から夏への戻りの過程を見て、この夏持った正直な気持ちです。いっぽうで、現在の上げ、上昇、戻りには、ついていけていない、参加できていない、置いて行かれている、相手にされていない、のが実情です。常に2方向ですが、売りも買いも両方はとてもじゃないですが、とれません。僕の場合は、マクロ環境をみて、売り目線なのか、買い目線なのかをまず決めます。その上で、自分が選択した目線での参入条件を5項目くらいノートします。それで行動をとります。もちろん、過去に欲張って両目線をもって、痛い目にあった経験もあります。目線はどちらか片方と決めています。そうしないと、僕の場合は混乱してしまうのです。(笑)いったん混乱が始まると、思ったよりも、回復して立ち直るのに時間がかかり、固まってしまう自分がいます。混乱するより、置いて行かれた方が、僕にとってはまだましな選択なのです。

第3回の寄稿で「過去の例を見ますと、中間選挙前が、あとで考えたらアメリカ株の買い場だったというケースもままあった事も認識しています。」と述べさせて頂きました。過去にはそういうケースもままあったでしょう。だからって、今回もそうなるとは言えません。

・今は、今後近い将来のサンフランシスコ連銀、ニューヨーク連銀、ブレーナード副議長、パウエル議長の発言に注目しながら。
・気を付けなければと思っているのは、企業収益・企業利益の将来的推移。今すぐってことではないんでしょうが。
前回寄稿したCNBCのスティーブ・リスマン氏がレポートしてくれたようなニュースです。「売り上げと企業利益がチャレンジングな環境下にある。時間をかけながら、今後の行方に注目

ブルームバーグ報道引用~{「米資産運用会社ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズが採用する市場の信号システムによれば、コーポレートクレジットの状況は一層悪化しており、主要な3つの指標の最後のひとつも「赤が点滅」している。ジャナス(運用資産額3000億ドル=約44兆7000億円)は24日、「企業利益とキャッシュフローの見通しを」を7-9月(第3四半期)に「黄色」から赤に引き下げたと明らかにした。「資本アクセス」と「負債」は既に、赤だった。}引用終。

その他、2008年以来の高レベル水準に上昇している住宅ローン金利

敬愛するNEOさんが投稿されていた自動車ローン~ウォール街、自動車ローン事業でトラブルが生じる可能性警戒~中古車価格が大きく下落~ブルームバーグ)
NEOさんが投稿するだけあって、これ大きなニュースのひとつなんですよ。僕はそう思っています。
「今後、レイオフ(従業員の一時解雇)のサイクルが始まる前の滞納だと見ている。ずっとこの事指摘してきたけど、今回やっと金融メディアが取り上げてくれた」~著名エコノミスト

時間の経過とともに「2023年、怖いな~。ワオ~」

今からじわじわとボディブローのように。時間を掛けながら、Q4の決算発表, Q1の決算発表、その後の企業利益の推移。時間の経過とともに。第2回、第3回の寄稿で寄稿させて頂きました「2023年、怖いな~。ワオ~」。「うぎゃ~」です。うぎゃ~というほど、本当にそうなるかどうかは僕にはわかるわけはありませんが、こういう姿勢で(うぎゃ~ってなりそうだなって思って)マーケットを見ています。

2008年と今を単純比較するつもりはありません。2007年初頭、雑誌で米国のサブプライム問題が日本でも大きく取り上げられて。一般的な会話では、「いや、いや、問題ない」という声が多かった気がします。本当に問題なのか問題じゃないのか、理解していた人が、この時点で、どれくらいいたのでしょうか。この時。なんら、根拠などなく、場当たり的に、発言していた人達もいたと思います。

今回は金融危機が今時点で起こっているわけではありませんが、2007年6月ベアー・スターンズの2つのファンドが問題だという最初のニュースを、聞かされたのは、香港でのグローバル・カンファレンス参加中でした。その後、2007年夏、大手投資銀行の当時のCEOは「いや、いや、問題ない。システミックリスクはない。」と記者会見で語っていました。その後、秋、ニューヨークででさえ、「いや、いや、問題ない」。先日寄稿した、CNBCのジム・クレーマーが「いや、いや、問題ない」と言っていたのもうなずけます。(笑)「どこが?」ベアー・スターンズの72時間は、翌2008年3月の事でした。結構な月日をこの間、要していますよね。それから、リーマン・ショック。さらに3月から半年後の事でした。

再度、売り場探し目線

それでは、その2023年が怖いな~ワォ~と思いながら、僕に今から持てる目線自体は、これから時間がある程度かかっても良いので、再度、売り場探し目線。何度も同じこと繰り返してますが、買い目線を、今は持てません。僕はそうそう多くの事を知っているわけではありませんが、少なくとも、立派な解説をする事と自分のお金を実際に投じて投資する事は、全く異なる事である、その違いだけは知っています。自分のお金で、いったん、ポジションを持った瞬間に、その瞬間から、もう心理が違います。寝ても覚めても。だから、解説やどこの誰かがどう言っているという話は、ほとんど聞いていないのです。(笑)ニュースは見まてます。(笑)

相場ですから、結果的に、買って良かったという事は日々の上下運動の中であるでしょうが、そもそも日々の上下運動を獲りに行く投資スタイルを採用してません。日々の上下運動を毎日欠かさず注視する事には務めています。そこに、今、自分の資金が参加できるのかと言えば、それはできません。そのつもりもありません。

お金と信用(与信・クレジットライン)はすぐになくなる

以前に寄稿させて頂きましたが、1998年のロシア危機LTCM(Long-Term Capital Management)経営難、米ドル急落。2008年サブプライム問題に端を発した金融危機。目の前でそれぞれ、その瞬間を体感しました。僕のお金は臆病だからです。僕がこれらの危機から学んだことはいくつかありますが、中でも一番に自分の中にあるのは「お金と信用(与信・クレジットライン)はすぐになくなる」という事です。すぐになくなるのです。すぐに。

かつて一緒に働いたウォール街の人達とは、今でも個人的に連絡を取り合っています。日本人のかつての同僚達ともできる範囲で交流しています。(パンデミックは別として)僕よりも一回り年上の直属の上司でもあった日本人の方(そのご家族とも今でも家族ぐるみで交流しているのですが)ある時、その人と僕と2人で、仕事において「闘わない・戦わない・たたかわない」という事について、食事をしながら、結構、長い時間笑いながら話した事があります。両名とも、根性論と精神論が苦手です。(笑)「たたかうこと。勇んで荒波に乗り出して行く事。逆境にも負けない。たたかって勝ち取るんだ。」かっこいい響きです。

「歴史にその名が残る武将達でも、そんな簡単に戦ってないと思うよ。まず、戦ってないでしょ。後から書き換えた話でしょ、たぶん。そんな簡単に戦ってばかりいたら、疲れるし、すぐ死んじゃうもん」「仕事こなして、後はうまく逃げてたんじゃないの。見たわけじゃないけど」「たぶん、たたかってなんていないって」「たたかってないって」
「仕事において、そんなしょっちゅう闘う(戦う)とか言われると、逆に、引いちゃうかも」こんな会話をした記憶があります。

な~んとなく、「たたかう」というのは響きが良くて、「たたかわない、にげる」とかって言うのはどうもなんだかっていう先入観があるのかもしれませんが。他の事と違って、仕事ですから。すでにこれまで寄稿させて頂きましたが、今のような環境下に置かれますと、「たたかう」話より「たたかわない、にげる」話のほうが、僕にはしっくりきます。僕のお金はだから臆病です。

一方で、間違えたらできる範囲で何度でも何回でもやり直す事はいつも意識しています。
前述の通り、解説者の話はほとんど聞いていませんが、自分が自分の資金で投資行動をとる場合は、今自分が気にかけている環境、条件下では、99%勝てそうだと思った時ても、買いの目線は、持たないですね。

生き延びる事。かつて大昔、「わかってるよな。100%勝てると思う喧嘩でも、喧嘩はするな」と叩き込まれました。喧嘩に勝つことにポイントないです。生き延びる事、生き残る事にポイントがあります。言葉にするとこうですが、今でも、現実社会において、これらの事の本当の意味は深いと思っています。

NEOさんが、「生き残る事」、とっても大切にされている事、よくよく承知しています。深く敬意を表します。NEOさんのお株を奪うつもりは毛頭ありません。この事を大切にされているNEOさん、最高ですね。

%$#$% (わけのわからない)

アメリカ株について考える時、FRB高官の発言内容のニュアンスには、少しこだわって注意するようにしています。これは、僕には%$#$%(アメリカ人がよく使う表現で、わけのわからない、という意味を表しています)の今の議長というより、アラン・グリーンスパンFRB議長時代に身に着ける必要があった、古い習慣からです。とにかく、彼の話す言葉とニュアンスは時に難解でした。アイン・ランド女史の影響を受けたグリーンスパン議長です。申し上げるまでもなく、グリーンスパン議長と自分を同じ土俵に乗せて、語るつもりは全くありません。僕も、正直、ある程度、アイン・ランド~オブジェクティズム~の影響を若い頃から受けました。グリーンスパン議長の時に難解な言葉は、そのニュアンスを掴み取り、解釈するのに、当時、しばしば手を焼きました。(笑)

もしアイン・ランドに、あまりなじみがなければの話にすぎませんが、アメリカ株式への投資に限らず、投資行動に携わる投資家の皆様におかれましては、彼女の哲学は、時に、皆様の心の支えであったり、迷った時の指針になるのではないかと推察申し上げます。

一般的には、大半のアメリカの人々の日々の生活にとって、FRBとか、金融政策とか、そんなにプライオリティが高いわけではないですから、当然「何それ」という人達も、もちろんいます。気にもかけていないのが普通なんでしょうね、たぶん。極端な左派などはもう、資本主義こそ悪ぞ!くらいの勢いですから。ツィッター等で、民主党支持者と交流する時、極端な左派と出くわした場合はうまくかわして、すり抜けるようにしています。(笑)
先日、アメリカの極右と極左はこれまで言われ続けてきたように、分極化しているのではなくて、両方とも、実のところ、illiberalism(非自由主義・反自由主義)に向かっているという著名誌アトランティックの記事を読んでみました。興味深い記事でした。

ところで、アイン・ランドについては、先日こんな会話を聞きました。
熱烈なアメリカ民主党支持者の女性の方で、ツィッター上での僕のフォロワーの方が、「たとえば、最近知り合った彼とデートして、彼の家に行く機会があるとすると、私は、必ず書棚チェックをする事にしてるの。その際、アイン・ランドの本を見つけたら、すぐに立ち去る。即、さよならね!」とおっしゃっておられ、そのコメントに対して、僕をフォローしてくださっているCNNテレビ等にも出演しているアメリカでは名の知れた行動分析学の博士が、「そうだね。いいね。それは、正しい行動だと思うよ。」とおっしゃっておられました。

もちろん、僕は、お二人とも、大切にフォローさせて頂き、ご意見を拝聴致しております。


アイン・ランド


第9回へ続く



最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
もし、この記事を最後まで読んで頂けて、良かったなと思ったら「スキ」をクリックお願いします!


関連note




🍅注意事項

①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


いいなと思ったら応援しよう!

NEO
サポート🍓本当にいつも有り難うございます。