大阪都構想について
初めてのnoteです。
言語化すること、文章化することは頭の中を整理するのにはうってつけだと思っていますが、このように、社会情勢について言及することは今までしたことがありませんでした。
ましてや、今まで全くと言って良いほど新聞を読んでこなかったので、
内定者課題を良い機会として日本経済新聞の1週間無料購読に登録。
あと5ヶ月で社会人になるという自覚を持ち、取り組んでいきます。
今回の日本経済新聞で取り上げた記事は「大阪都構想」。
せっかく経済新聞を取ったにも関わらず、あまり経済感はないトピックをピックアップしてしまいましたが、社会の流れの中で最も気になることがこれでした。
私は大阪生まれ大阪育ちです。
大阪市民として、有権者として、大阪の未来をしっかり考えたいと思いました。
【そもそも大阪都構想って?】
大阪都構想とは、
大阪府・市の双方が担ってきた成長戦略やインフラ整備を府に一元化し、
公選制(公職に就く人を任命ではなく一般の有権者である国民・住民によって選挙する制度)の区長、区議会を置く人口60万〜75万人規模の4特別区が教育、福祉など住民に身近なサービスを担う計画です。
二重行政を解消し、効率化で減らした費用を大阪の成長を促す施策に投資し、その結果東京の一極集中を是正しようという狙いがあります。
都構想の賛成派は、権限が適正規模となって行政が効率化され、歳出削減できると主張しています。
一方反対派は、規模縮小でスケールメリット(規模を大きくすることで得られる効果、利益、優位性)が失われ、コストが増加すると主張しています。
大都市は今後、人口減少や急速な高齢化、インフラ老朽化に加えて、頻発する自然災害や感染症対策でも地方以上の「課題先進地」となります。
政令指定都市や特別区といったこれまでの大都市制度で対応は可能なのだろうか。という問いの解決策となるのがこの都構想です。
【そもそも政令指定都市って?】
政令指定都市とは、地方自治法252条の19で定められた人口50万人以上の都市で、指定されると、区の設置や飲食店などの営業許可など、都道府県の権限の多くを委譲されることになるという制度です。都道府県よりも規模の小さい市が権力を持つことにより、よりきめ細かい住民サービスが可能になる、という理論ですね。
ただ、国―都道府県―市町村という階層構造が崩れてしまうことにより、同じ地域の中に統治系統が二つ存在することになり、二重行政が生まれてしまうというデメリットがあります。
例えば、道府県知事が前面に出ることが多かった新型コロナウイルスの対応では、20の政令指定都市がある道府県で発生した陽性者の約半分は政令指定都市に集中していましたが、医療充実などに充てる国の緊急包括支援交付金はまず道府県に交付され、機動的に活用できないということがありました。
今回の住民投票で「二重行政の解消」という文言をよく聞きました。ただ、二重行政という言葉を聞きはしていても、二重行政が私たちに与えている影響を自分ごととして捉えていない人がたくさんいると感じました。
私が思うこと
今回の大阪都構想については、情報操作が偏っていたように思います。
そもそも、今回の住民投票の題目が「大阪市廃止に賛成か反対か」であり、なんともネガティブな印象を受けますね。前回の投票で「大阪都構想には賛成だけど大阪市がなくなるとは思わなかった」という声が多かったことによる変更かもしれませんが、これはこれで大阪都構想とはいかなるものなのか、という根本が失われているように感じます。
また、ネット上での選挙活動。最近一般化してきて、若い世代も情報を手軽に手に入れられるようになりましたが、立場によって偏りすぎている印象があります。
私はYouTubeもちらっと見ましたが、反対派は反対派に寄りすぎですし、賛成派は賛成派に寄りすぎていて(そりゃそうかもしれないが)、全く反対のことを主張していたり、中立的な意見が少なかったり、参考になりづらかったという印象です。
さらには、昼も夜も聞こえてくる選挙カー、啓発カーの音。「大阪市がなくなります。反対しましょう。」だけが繰り返され、実際どんなメリット・デメリットがあるのかはそっちのけで、マインドコントロールのように「反対」が聞こえてきていて、正直うんざりしてしまいました。
自分たちの未来は自分たちで決めよう
年代別でみると、60代以上の高齢者の反対がやはり多いことがわかります。
そして若者の投票率が低い。
全体の投票率としては、前回の投票よりも4.48ポイント低い62.35%。
テレビで、「私らはもう歳いって未来もそんなに長くないけど、もうこの先のこと考えるのはめんどくさいわ〜」という声。
SNSで、「賛成が良かったけど投票に行く時間なかったな〜」という声。
大阪都構想が「正しい」のか「正しくない」のかはその未来にならないとわからない。
今回でポイントだったのは、今の大阪に疑問を持つこと、自分ごととして自分の住む地域の未来を自分ごととして考えること、そしてその重要性をもっと伝えるべきだと世間に広めたことかもしれない、と思いました。
テレビに出演していた橋下徹氏の言葉が最も印象的でした。
「見えなくても、不確実でも、チャレンジしていこうよ。」
その通りだと思いました。
このままでも住民サービスは低下する可能性が十分にある。時代はどんどん流れて世界はどんどん変わっていくが、不確定な未来に対して決断はしづらい。
都構想が可決されても、現状維持でも、メリットデメリットは双方ある。今回の反対多数は、その不安を拭えなかった、改革へ背中を押せなかったことが要因だと思いました。
「現状維持は衰退である」という言葉を思い出しました。
橋下氏の言葉はどんなことにでも当てはまる、
私も心に刻みます。
参考資料
日本経済新聞
2020年10月27日
2020年10月28日
2020年10月29日
2020年11月1日
2020年11月2日
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