<2024年値上がり銘柄(フジクラ)>そのとき株価はブレイクした
2024年の値上がり率のランキングを、ブレイクする前にさかのぼって、決算はどうだったのか、ベースやハンドルや出来高は?ピボットポイントは?を検証していきたいと思います。
今日は、<5803> フジクラです。
フジクラの初動は、2024年2月8日の決算発表です。内容としては売上利益や、その他利益について上方修正しましたが、前年度に比べるとまだ伸びは鈍い状況でした。
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\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
決算期&売増率&営増率&EPS(増率)&売営率&ROE&日付\\ \hline
20.03 & -5.4\% & 赤字 & -137~(-2778\%) & 0.5\% & -20.9 & 20/06/10\\ \hline
21.03 & -4.3\% & 629.9\% & -19.5~(-86\%) & 3.8\% & -3.4 & 21/05/14\\ \hline
22.03 & 4.1\% & 56.8\% & 142~(-828\%) & 5.7\% & 20.4 & 22/05/12\\ \hline
23.03 & 20.3\% & 83.3\% & 148~(5\%) & 8.7\% & 16.7 & 23/05/12\\ \hline
24.03* & -2.0\% & -10.2\% & 163.2~(10\%) & 8.0\% & 16.7 & 24/05/13\\ \hline\end{array}
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\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
決算期&売増率&営増率&EPS(増率)&売営率&日付\\ \hline
23.01.03/4Q & 11\% & 32.1\% & -20.3~(-143\%) & 7.1\% & 23/05/12\\ \hline
23.04.06/1Q & 5.1\% & 11.4\% & 40.3~(34\%) & 6.6\% & 23/08/10\\ \hline
23.07.09/2Q & -7.5\% & 赤字 & 51~(-40\%) & 9\% & 23/11/08\\ \hline
23.10.12/3Q & -3.1\% & 赤字 & 38.5~(-28\%) & 10\% & 24/02/08\\ \hline
\end{array}
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しかしながら「期末配当予想を22円50銭から26円50銭へ引き上げ年間配当予想を49円」ことが好感されて株価は大きく反応しました。
次に3月21日の取引終了後には、野村證券の保有割合が増加というニュースがあり、機関投資家が参入したとみられます。
↓変更報告書とは、1%以上の増減があったということのようです。3月15日に1%を超えたとしても、買い始めたのは15日より前なのかもしれません。(もしかしたら2月13日の可能性も)
いずれにせよ、大きく出来高を伴って上昇した場合は、その後の押し目を狙い、ピボットポイントを設定すると良かったのでしょう↓
その後、5月13日の決算では「前期の年間配当を49円→55円(前の期は30円)に増額し、今期も55円を継続する方針」を発表。この次の日の14日は、株価は上下するも大きく動きませんでしたが、出来高は増えています。
その後は、以下のように機関投資家が参入しています。
◆義務発生日 保有割合(前回→今回) 保有株数 提出日時
・野村証券
2024/03/15 6.50% → 7.52% 22,246,698 2024/03/21 16:12
・野村アセットマネジメント
2024/04/30 6.28% → 6.77% 20,034,505 2024/05/08 09:06
・フジクラ
2024/05/13 20.37% → 6.88% 1,612,500 2024/05/13 15:22
2024/06/19 6.88% → 4.27% 1,000,000 2024/06/24 11:20
・みずほ証券
2024/07/31 4.56% → 5.41% 16,000,498 2024/08/07 10:23
・野村アセットマネジメント
2024/08/15 6.77% → 8.09% 23,935,934 2024/08/21 11:37
・野村証券
2024/11/15 7.52% → 8.98% 26,562,940 2024/11/20 15:18
・三井住友DSアセットマネジメント
2024/11/15 5.34% → 4.20% 12,427,800 2024/11/22 14:08
・野村証券
2024/11/29 8.98% → 7.01% 20,743,107 2024/12/04 12:17
・ブラックロック・ジャパン
2024/11/29 3.84% → 5.47% 16,173,155 2024/12/05 15:56
さて、今後をどう見るかです。
現在は以下のようなチャートです。まだ大きく売られていないように見えるのと、11月にはブラックロックが参入していますので、まだこれから動きがあるのでは、と推測します。
よって、出来高を伴って6,800円を超えたところがピボットポイントとします。もしくは、出来高を伴って株価が下落したら終了かもしれません。
次に、直近の2Q四半期決算説明資料より、営業利益の推移を確認します。
2025年通期決算の予想は、1,040億円、予想EPSは224円です。2024年2月8日前の株価はおよそ2,000円、EPSは148.7円でした。
よって、2,000×224/148=2,700円ですので、現在の株価は6,000円とするとおおよそ、2倍ほど評価されているように見えます。
また、2024年5月13日に発表された中期経営計画では、元々今期の営業利益は540億円だったのが、現在の予想は1,040億円と上方修正されています。
よって、営業利益から株価を推測すると、
2,000×1040/540=3,850円となります。これでも1.5倍近く評価されているように見えます。
ただ、EPSそのものはそれほど上方修正されていませんので、もう天井ではないかという見方もできます。
最後に、直近の四半期決算の推移を見てみます。
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\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
決算期&売増率&営増率&EPS(増率)&売営率&日付\\ \hline
23.10.12/3Q & -3.1\% & 赤字 & 38.5~(-28\%) & 10\% & 24/02/08\\ \hline
24.01.03/4Q & 3.7\% & 32.1\% & 55.2~(-372\%) & 9\% & 24/05/13\\ \hline
24.04.06/1Q & 14.8\% & 94.5\% & 69.3~(72\%) & 11.2\% & 24/08/08\\ \hline
24.07.09/2Q & 13.6\% & 68.6\% & 34.9~(-32\%) & 13.4\% & 24/11/07\\ \hline
\end{array}
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売上利益の増加率は25%に届きませんが、営業利益の増加率は、40%を超えているので、オニール的には注目すべき銘柄かもしれません。
以上、チャート形状、出来高、大量保有報告書等のニュース、
そして、決算説明書から読み解いてみましたが、どうなるでしょうか。
今日はここまでとします。次回は、<6834> 精工技研です。