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<2024年値上がり銘柄(フジクラ)>そのとき株価はブレイクした

2024年の値上がり率のランキングを、ブレイクする前にさかのぼって、決算はどうだったのか、ベースやハンドルや出来高は?ピボットポイントは?を検証していきたいと思います。

今日は、<5803> フジクラです。

3位のフジクラ <5803> [東証P]は 生成AI(人工知能)市場の拡大で データセンターの建設が相次ぐ中、データセンター向け光ファイバーや光コネクターで高い商品競争力を誇る同社にマーケットの視線が集中した。また、25年3月期は2度にわたる上方修正を経て営業利益が前期比5割増の1040億円と2期ぶりの最高益更新見通しと業績も絶好調だ。株価は2月に1988年8月につけた上場来高値を約35年半ぶりにクリアし、その後も勢いは止まらず、12月27日に昨年末終値比6.3倍の6788円と驚異の急騰劇を演じた。

https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202412310108

フジクラの初動は、2024年2月8日の決算発表です。内容としては売上利益や、その他利益について上方修正しましたが、前年度に比べるとまだ伸びは鈍い状況でした。

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
決算期&売増率&営増率&EPS(増率)&売営率&ROE&日付\\ \hline
20.03 & -5.4\% & 赤字 & -137~(-2778\%) & 0.5\% & -20.9 & 20/06/10\\ \hline
21.03 & -4.3\% & 629.9\% & -19.5~(-86\%) & 3.8\% & -3.4 & 21/05/14\\ \hline
22.03 & 4.1\% & 56.8\% & 142~(-828\%) & 5.7\% & 20.4 & 22/05/12\\ \hline
23.03 & 20.3\% & 83.3\% & 148~(5\%) & 8.7\% & 16.7 & 23/05/12\\ \hline
24.03* & -2.0\% & -10.2\% & 163.2~(10\%) & 8.0\% & 16.7 & 24/05/13\\ \hline\end{array}
$$

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
決算期&売増率&営増率&EPS(増率)&売営率&日付\\ \hline
23.01.03/4Q & 11\% & 32.1\% & -20.3~(-143\%) & 7.1\% & 23/05/12\\ \hline
23.04.06/1Q & 5.1\% & 11.4\% & 40.3~(34\%) & 6.6\% & 23/08/10\\ \hline
23.07.09/2Q & -7.5\% & 赤字 & 51~(-40\%) & 9\% & 23/11/08\\ \hline
23.10.12/3Q & -3.1\% & 赤字 & 38.5~(-28\%) & 10\% & 24/02/08\\ \hline
\end{array}
$$

しかしながら「期末配当予想を22円50銭から26円50銭へ引き上げ年間配当予想を49円」ことが好感されて株価は大きく反応しました。

<5803> フジクラ 2024/2/14時点

次に3月21日の取引終了後には、野村證券の保有割合が増加というニュースがあり、機関投資家が参入したとみられます。

フジクラ <5803> について、野村証券は3月21日受付で財務省に変更報告書(5%ルール報告書)を提出した。報告書によれば、野村証と共同保有者のフジクラ株式保有比率は6.50%→7.52%に増加した。報告義務発生日は3月15日。

https://kabutan.jp/stock/news?code=5803&b=n202403210949

↓変更報告書とは、1%以上の増減があったということのようです。3月15日に1%を超えたとしても、買い始めたのは15日より前なのかもしれません。(もしかしたら2月13日の可能性も)

大量保有報告書の提出後に、現在の株券等保有割合が直前の報告書に記載した株券等保有割合と比較して1%以上増減した場合、その他大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更として政令で定めるものは、変更報告書の提出が必要となります。

https://lfb.mof.go.jp/kinki/429.html

いずれにせよ、大きく出来高を伴って上昇した場合は、その後の押し目を狙い、ピボットポイントを設定すると良かったのでしょう↓

<5803> フジクラ 2024/3/19時点

その後、5月13日の決算では「前期の年間配当を49円→55円(前の期は30円)に増額し、今期も55円を継続する方針」を発表。この次の日の14日は、株価は上下するも大きく動きませんでしたが、出来高は増えています。


<5803> フジクラ 2024/5/14時点

その後は、以下のように機関投資家が参入しています。

 ◆義務発生日 保有割合(前回→今回)   保有株数    提出日時
・野村証券
 2024/03/15  6.50% →  7.52%   22,246,698  2024/03/21 16:12
・野村アセットマネジメント
 2024/04/30  6.28% →  6.77%   20,034,505  2024/05/08 09:06
・フジクラ
 2024/05/13 20.37% →  6.88%    1,612,500  2024/05/13 15:22
 2024/06/19  6.88% →  4.27%    1,000,000  2024/06/24 11:20
・みずほ証券
 2024/07/31 4.56% → 5.41%   16,000,498  2024/08/07 10:23
・野村アセットマネジメント
 2024/08/15  6.77% →  8.09%   23,935,934  2024/08/21 11:37
・野村証券
 2024/11/15  7.52% →  8.98%   26,562,940  2024/11/20 15:18
・三井住友DSアセットマネジメント
 2024/11/15  5.34% →  4.20%   12,427,800  2024/11/22 14:08
・野村証券
 2024/11/29  8.98% →  7.01%   20,743,107  2024/12/04 12:17
・ブラックロック・ジャパン
 2024/11/29 3.84% → 5.47%   16,173,155  2024/12/05 15:56

さて、今後をどう見るかです。

現在は以下のようなチャートです。まだ大きく売られていないように見えるのと、11月にはブラックロックが参入していますので、まだこれから動きがあるのでは、と推測します。

よって、出来高を伴って6,800円を超えたところがピボットポイントとします。もしくは、出来高を伴って株価が下落したら終了かもしれません。

<5803> フジクラ 2025/1/10時点

次に、直近の2Q四半期決算説明資料より、営業利益の推移を確認します。
2025年通期決算の予想は、1,040億円、予想EPSは224円です。2024年2月8日前の株価はおよそ2,000円、EPSは148.7円でした。
よって、2,000×224/148=2,700円ですので、現在の株価は6,000円とするとおおよそ、2倍ほど評価されているように見えます。

第2四半期決算説明資料(2024年11月7日)

また、2024年5月13日に発表された中期経営計画では、元々今期の営業利益は540億円だったのが、現在の予想は1,040億円と上方修正されています。
よって、営業利益から株価を推測すると、
2,000×1040/540=3,850円となります。これでも1.5倍近く評価されているように見えます。

2025年中期経営計画の進捗(2024年5月13日)

ただ、EPSそのものはそれほど上方修正されていませんので、もう天井ではないかという見方もできます。

最後に、直近の四半期決算の推移を見てみます。

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|} \hline
決算期&売増率&営増率&EPS(増率)&売営率&日付\\ \hline
23.10.12/3Q & -3.1\% & 赤字 & 38.5~(-28\%) & 10\% & 24/02/08\\ \hline
24.01.03/4Q & 3.7\% & 32.1\% & 55.2~(-372\%) & 9\% & 24/05/13\\ \hline
24.04.06/1Q & 14.8\% & 94.5\% & 69.3~(72\%) & 11.2\% & 24/08/08\\ \hline
24.07.09/2Q & 13.6\% & 68.6\% & 34.9~(-32\%) & 13.4\% & 24/11/07\\ \hline
\end{array}
$$

売上利益の増加率は25%に届きませんが、営業利益の増加率は、40%を超えているので、オニール的には注目すべき銘柄かもしれません。

以上、チャート形状、出来高、大量保有報告書等のニュース、
そして、決算説明書から読み解いてみましたが、どうなるでしょうか。


今日はここまでとします。次回は、<6834> 精工技研です。

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