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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#読書

北村紗衣的な「えせフェミニズム」の内実 : 菊池夏野 『日本のポストフェミニズム …

書評:菊池夏野『日本のポストフェミニズム 「女子力」とネオリベラリズム』(大月書店) 「…

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北村紗衣のオープンレター仲間 : 河野真太郎の『正義はどこへ行くのか』?

書評:河野真太郎『正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」』(集英社新書…

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宮内悠介 『暗号の子』 : つながるテクノロジーの快楽と不快

書評:宮内悠介『暗号の子』(講談社) 本書はテクノロジーによって変容していく、私たちの世…

年間読書人
10日前
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第四波フェミニズムの嫡子・北村紗衣 : 『現代思想 2020年3月臨時増刊号〈総特集〉フ…

『現代思想 2020年3月臨時増刊号〈総特集〉フェミニズムの現在』(青土社)を読了したので、今…

年間読書人
12日前
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ファンも認める〈いけ好かない女〉北村紗衣 : 「性格の多様性」って何?

ものすごく面白い「note」記事を見つけたので、皆さんにもぜひ読んでほしいと思い、ご紹介させ…

年間読書人
2週間前
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野﨑まど 『小説』 : 「小説」を読む意味とは?

書評:野﨑まど『小説』(講談社) 小説のタイトルが、そのものズバリ『小説』なのでは、いっ…

年間読書人
3週間前
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木澤佐登志 『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』 : その尊厳に賭けて抵抗せよ。

書評:木澤佐登志『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』(青土社) この世界は病んでいる。一一そう書いても、異論を唱える人など、ほとんどいないのではないだろうか。 他人のことなど一切顧みず、自分の社会的な成功と富の蓄積しか考えていないような人間が、そのまま「成功者」として賛嘆され、競争社会からこぼれ落ちた人たちは、どこか見えない場所へと遺棄される。たまに、言い訳のようにそういう人たちに光が当てられても、私たちは「可哀想に」と感動消費したり、それをもっともらし

ちをかくしか北村紗衣と 九段理江の『しをかくうま』

書評:九段理江『しをかくうま』(文藝春秋) 2024年に『東京都同情塔』で、第170回芥川賞受…

年間読書人
3週間前
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1984年以前レベルの、北村紗衣のフェミニズム : 『ベル・フックスの「フェミニズム理…

書評:ベル・フックス『ベル・フックスの「フェミニズム理論」 周辺から中心へ』(あけび書房…

年間読書人
1か月前
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ロラン・バルト 『神話作用』 : 「神話」とは、肯定的に思える〈まやかし〉

書評:ロラン・バルト『神話作用』(現代思潮新社) かつて「難解」の代名詞でもあった、フラ…

年間読書人
1か月前
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北村紗衣読者には薦める勿れ : 施川ユウキ 『バーナード嬢曰く。』 第7巻

書評:施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』第7巻(一迅社・REXコミックス) 本巻の表紙を見て…

年間読書人
1か月前
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古泉迦十『崑崙奴』:幻想的な権威の限界

書評:古泉迦十『崑崙奴』(星海社フィクション) 結論からいうと、期待はずれだった。 本書…

年間読書人
1か月前
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トマ・ピケティ ほか 『差別と資本主義 レイシズム・ キャンセルカルチャー・ ジェン…

書評:トマ・ピケティ、ロール・ミュラ、セシル・アルデュイ、リュディヴィーヌ・バンティニ『…

年間読書人
1か月前
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フランソワ・トリュフォー監督 『華氏451』 : 映画ファンは何を見ているのか?

映画評:フランソワ・トリュフォー監督『華氏451』(1966年・イギリス映画) アメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの名作『華氏451度』の映画化作品。フランス映画界「ヌーヴェルヴァーグ」の旗手として知られるフランソワ・トリュフォーが、初めて英語で撮った作品だが、その評判は良くない。 「ヌーベルヴァーグ」は、もともとは旧来の「撮影所システム」には乗らない「低予算」制作のゆえに、若い作家でも映画が撮れ、その新鮮な感覚を活かせるという特性があった。 だから、トリュフォーと同じ