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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#読書

南伸坊 『オレって老人?』 : 弱きを助け 強きを挫け。

 書評:南伸坊『オレって老人?』(ちくま文庫) ひさしぶりの南伸坊である。初期の著作は…

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サマンタ・シュウェブリン 『救出の距離』 : 「超自然」を超える「日常に潜むもの」

書評:サマンタ・シュウェブリン『救出の距離』(国書刊行会) どう紹介すればいいのか、なか…

年間読書人
10日前
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キャスリン・ストック 『マテリアル・ガールズ フェミニズムにとって現実はなぜ重要…

書評:キャスリン・ストック『マテリアル・ガールズ フェミニズムにとって現実はなぜ重要か』…

年間読書人
3週間前
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富士正晴 『新編 不参加ぐらし』 : 言い訳がましい。

書評:富士正晴(著)、荻原魚雷(編)『新編 不参加ぐらし』(中公文庫) このところ、荻原…

年間読書人
3週間前
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風呂前有 『恋スルー乙女』 : 無邪気でありたい。

書評:風呂前有『恋スルー乙女』(講談社 アフターヌーンKC・2011年) 先日、風呂前有のデビ…

年間読書人
4週間前
13

斉藤佳苗 『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』 : うんざりだ。

書評:斉藤佳苗『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』(鹿砦社) まずは、タイトル…

年間読書人
1か月前
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アビゲイル・シュライアー 『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』 : 現実を直視しよう。

書評:アビゲイル・シュライアー『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』(産経新聞出版) 最近「トランスジェンダー」に関する話題が、一部で注目を集めている。だが、「トランシジェンダー」そのものが話題なのでもなければ、「トランスジェンダーの人たち」が話題なのでもない。 本書のタイトルは、原題の直訳だと『取り返しのつかないダメージ』というものなのだが、一方、邦題の方は『トランスジェンダーになりたい少女たち』となっており、このこタイトルからも分

北村紗衣 『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』 : シェイクスピアの研究書ではな…

書評:北村紗衣『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち 近世の観劇と読書』(白水社) 「武蔵…

年間読書人
1か月前
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竹村和子 『フェミニズム』 : 真の「フェミニズム」を知るべし。

書評:竹村和子『フェミニズム』(岩波現代文庫) 「フェミニズム」という言葉だけなら、「誰…

年間読書人
2か月前
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東浩紀 『訂正する力』 : 北村紗衣という「訂正無能力者」

書評:東浩紀『訂正する力』(朝日新書) 昨年よく売れ、「2024 新書大賞」の第2位にも選ば…

年間読書人
2か月前
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北村紗衣 『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』 : 「北村紗衣はダース・ベイダー…

書評:北村紗衣『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門』(…

年間読書人
2か月前
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中村一般 『ゆうれい犬と街散歩』 : 繊細さゆえの孤独と思考

書評:中村一般『ゆうれい犬と街散歩』(トゥーヴァージンズ・路草コミックス) 友人がお盆に…

年間読書人
2か月前
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ジュディス・バトラー 『ジェンダー・トラブル』 : 「フェミニズム」とは何か?

 書評:ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル フェミニズムとアイデンティティの攪乱…

年間読書人
2か月前
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小塩真司 『「性格が悪い」とは どういうことか ダークサイドの心理学』 : 我ら、ジキル博士とハイド氏

書評:小塩真司『「性格が悪い」とはどういうことか ダークサイドの心理学』(ちくま新書) 「性格が悪い」と人から思われているであろうことには自信のある私なのだが、無論、自分では特に「性格が悪い」とは思っていない。しかし、自分で思っているだけなら馬鹿でも同じなので、私は本書を読んで、客観的に見て自分はどうなのかというのを考えてみることにした。 で、どうだったのかというと、やっぱり私は、特に「性格が悪い」わけではなかった。正確にいうと(ダジャレではない)、「私の性格の中には、悪