木澤佐登志 『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』 : その尊厳に賭けて抵抗せよ。
書評:木澤佐登志『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』(青土社)
この世界は病んでいる。一一そう書いても、異論を唱える人など、ほとんどいないのではないだろうか。
他人のことなど一切顧みず、自分の社会的な成功と富の蓄積しか考えていないような人間が、そのまま「成功者」として賛嘆され、競争社会からこぼれ落ちた人たちは、どこか見えない場所へと遺棄される。たまに、言い訳のようにそういう人たちに光が当てられても、私たちは「可哀想に」と感動消費したり、それをもっともらし