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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#文芸批評

ヘルベルト・ローゼンドルファー 『廃墟建築家』 : ゴシックではなくバロック

書評:ヘルベルト・ローゼンドルファー『廃墟建築家』(国書刊行会) よそなら絶対出さないよ…

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北村紗衣のオープンレター仲間 : 河野真太郎の『正義はどこへ行くのか』?

書評:河野真太郎『正義はどこへ行くのか 映画・アニメで読み解く「ヒーロー」』(集英社新書…

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宮内悠介 『暗号の子』 : つながるテクノロジーの快楽と不快

書評:宮内悠介『暗号の子』(講談社) 本書はテクノロジーによって変容していく、私たちの世…

年間読書人
10日前
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野﨑まど 『小説』 : 「小説」を読む意味とは?

書評:野﨑まど『小説』(講談社) 小説のタイトルが、そのものズバリ『小説』なのでは、いっ…

年間読書人
3週間前
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木澤佐登志 『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』 : その尊厳に…

書評:木澤佐登志『終わるまではすべてが永遠 崩壊を巡るいくつかの欠片』(青土社) この世…

年間読書人
3週間前
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ちをかくしか北村紗衣と 九段理江の『しをかくうま』

書評:九段理江『しをかくうま』(文藝春秋) 2024年に『東京都同情塔』で、第170回芥川賞受…

年間読書人
3週間前
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1984年以前レベルの、北村紗衣のフェミニズム : 『ベル・フックスの「フェミニズム理論」 周辺から中心へ』

書評:ベル・フックス『ベル・フックスの「フェミニズム理論」 周辺から中心へ』(あけび書房) 本書は、1984年の初刊以来、今も販を重ねて読まれ続けている、「フェミニズム」理論の基本書である。 私が、本書の存在を知ったのは、「アナーカ・フェミニスト」を名乗る高島鈴のエッセイ集『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』(「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第1位)の中の「フェミニズム関連推薦図書」で本書が紹介されており、その推薦文が、次のとおりだったからである。

ロラン・バルト 『神話作用』 : 「神話」とは、肯定的に思える〈まやかし〉

書評:ロラン・バルト『神話作用』(現代思潮新社) かつて「難解」の代名詞でもあった、フラ…

年間読書人
1か月前
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古泉迦十『崑崙奴』:幻想的な権威の限界

書評:古泉迦十『崑崙奴』(星海社フィクション) 結論からいうと、期待はずれだった。 本書…

年間読書人
1か月前
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トマ・ピケティ ほか 『差別と資本主義 レイシズム・ キャンセルカルチャー・ ジェン…

書評:トマ・ピケティ、ロール・ミュラ、セシル・アルデュイ、リュディヴィーヌ・バンティニ『…

年間読書人
1か月前
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酒見賢一 『中国雑話 中国的思想』 : 中国人的思考と日本人的思考

書評:酒見賢一『中国雑話 中国的思想』(文春新書・2007年) 酒見賢一が若くして急逝したの…

年間読書人
1か月前
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高島鈴 『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』 : 怒りを込…

書評:高島鈴『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』(人文書院) 本…

年間読書人
1か月前
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円城塔 『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』 : ブッダと 女人成仏と トランスジェン…

書評:円城塔『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』(文藝春秋) 今年読んだ本では、一番面白か…

年間読書人
1か月前
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北村紗衣の代表的な盟友 : 清水晶子 『フェミニズムってなんですか?』

書評:清水晶子『フェミニズムってなんですか?』(集英社新書・2022年) フェミニズムを専門とする、東京大学の生え抜き教授である。 しかし、わたし的に興味深いのは、清水が、我らが北村紗衣(武蔵大学教授)と同じく「表象文化論研究者」で、学士と修士は「英米文学」で取得しているおり、この点でも「シェイクスピア研究者」である北村紗衣と同様だといった、その「共通点」の多さである。北村紗衣も「東京大学」出身だ。 年齢的には、北村紗衣がひと回り下で、清水の講義を受けたのかどうかまでは知