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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2024年12月の記事一覧

鳥海永行監督 『雲のように風のように』 : まずまずの作品。

作品評:鳥海永行監督『雲のように風のように』(1990年) 「日本ファンタジーノベル大賞」の…

年間読書人
1か月前
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円城塔 『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』 : ブッダと 女人成仏と トランスジェン…

書評:円城塔『コード・ブッダ 機械仏教史縁起』(文藝春秋) 今年読んだ本では、一番面白か…

年間読書人
1か月前
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北村紗衣・ 宇崎ちゃんは遊びたい!・ 献血PRポスター炎上騒動・ 生物人類学(下)

書評:丈『宇崎ちゃんは遊びたい!』(全12巻の第1〜3巻・KADOKAWA) 昨日アップした本稿の…

年間読書人
2か月前
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北村紗衣 ・ 宇崎ちゃんは遊びたい! ・ 献血PRポスター炎上騒動 ・ 生物人類学(上)

書評:丈『宇崎ちゃんは遊びたい!』(全12巻の第1〜3巻・KADOKAWA) 北村紗衣を語る上で、…

年間読書人
2か月前
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アラン・パーカー監督 『ミシシッピー・バーニング』 : あなた自身は、本当に「差別…

映画評:アラン・パーカー監督『ミシシッピー・バーニング』(1988年・アメリカ映画) 私が「…

年間読書人
2か月前
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note記事 「斉藤佳苗 『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』 : うんざりだ…

私の「note」記事に一昨日(2024年12月20日)以降、多くのコメントをいただきました。 なかな…

年間読書人
2か月前
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ウェス・アンダーソン監督 『グランド・ブダペスト・ホテル』 : 古き良き時代への挽歌

映画評:ウェス・アンダーソン監督『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年、ドイツ・アメリカ合作映画) つい先日、アンダーソン監督の2017年の長編人形アニメーション『犬ヶ島』を見て、レビューを書いたところだ。 残念ながら私は、この『犬ヶ島』に関しては、まったく楽しめなかったのだが、その特徴的な「絵づくり」には、監督の並々ならぬ執着を感じてはいた。 私はそのレビューの最後を、次のように締め括っている。 つまり、「絵」は高く評価しつつも、「物語」作家としては、かなり厳し

池田清彦 『多様性バカ 矛盾と偽善が蔓延する日本への警告』 : 「多様性」は、無条…

書評:池田清彦『多様性バカ 矛盾と偽善が蔓延する日本への警告』(扶桑社新書) ちょっと甘…

年間読書人
2か月前
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タイカ・ワイティティ監督 『ジョジョ・ラビット』 : 良心的ドイツ軍人の肖像

映画評:タイカ・ワイティティ監督『ジョジョ・ラビット』(2019年・アメリカ映画) 良い映画…

年間読書人
2か月前
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北村紗衣の代表的な盟友 : 清水晶子 『フェミニズムってなんですか?』

書評:清水晶子『フェミニズムってなんですか?』(集英社新書・2022年) フェミニズムを専門…

年間読書人
2か月前
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ウェス・アンダーソン監督 『犬ヶ島』 : 押絵を動かす男

映画評:ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』(2017年、アメリカ映画) あくまでもアニメファ…

年間読書人
2か月前
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ステファン・テメルソン 『缶詰サーディンの謎』 : どちらが「本物」なのか?

書評:ステファン・テメルソン『缶詰サーディンの謎』(国書刊行会・ドーキー・アーカイブ8)…

年間読書人
2か月前
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曽利文彦監督 『八犬伝』 : 娯楽作家の「問いと思い」

映画評:曽利文彦監督『八犬伝』(2024年) 山田風太郎による同名原作小説の、映画化作品。 …

年間読書人
2か月前
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北村紗衣的 「被害者アピール」の淵源 : ヘレン・プラックローズ、 ジェームズ・リンゼイ 『「社会正義」はいつも正しい』

書評:ヘレン・プラックローズ、ジェームズ・リンゼイ『「社会正義」はいつも正しい 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(早川書房・2022年) 北村紗衣との腹立たしい出会いに始まる、現代フェミニズムやキャンセルカルチャーに関わる私の旅は、まだまだ続く。 最初は「何なんだ、これは?」と感じられた、想像を絶する新状況が、読書をするたびに徐々に視野のひらけてくるという体験は、本当に気持ちの良い、知的冒険の旅とでも呼ぶべきものだ。知ること、理解することの快楽は、